表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/34

24、フェニクス代表戦当日➁

「デュラハン…」


デュラハンかぁ~、Bランクの魔族ね。

Bランクだけど魔族の中ではかなり上位の存在だったな。


ライセイでも余裕で倒せるけど、多分オムライス優先したのだろう。

…ん?このデュラハンの重要性オムライスより下なの?


まぁいいか、これ以上言うと可哀想だ…

気付けば会場は大騒ぎになっている。


「うわーー!!魔族だぞ!?逃げろーーー!!」

「しかもデュラハン何て…きゃーーーーー!!」

「ハハハハッ!人が絶望するのは見ていて楽しい!」


三人目の声絶対黒幕だろ…

そう思っていたら、三人目に兵士が近付いた。兵士はもちろん黒幕だとは思ってないだろうが、あんなところでいつまでもあんなことを騒いでたら周りの人を不安にさせるからだろう。


「あ、ごめんなさい…今の嘘で、その」


兵士が襟を掴み会場の外へ引っ張る。


「ぎゃーーーーー!!すいませんでしたーーーーー!!」

「…何だあれ」


そういえば王様は?

デュラハンがここにいる理由として考えられるのは王様が公に出てる所を殺害する事ならば危険だ。

様子を見てみると兵士が王様避難させようとしてるが王様は抵抗している様子だ。いや、逃げろよ…


ん?王様の隣に子供がいるぞ?顔までは見えないがおそらく王子だろう…


「ぐが、ぐががが」


おおっと、そろそろデュラハンの相手をしよう。


「貴様らは、殺す」

「クロ、どうする?」

「ジルよろしく」

「えぇ~協力しようぜ~」

「いや、ライセイで怒らせたんだからお前の責任だろ~」

「じゃあさ、協力したらリンさんとメリィさんにホットケーキとパフェおごるからさ」

「交渉成立だな」


交渉成立と、言い俺は武器を構える。もちろんジルのウエイター姿を見なければ気が済まないから後で条件に追加させるが…


「人間、殺す…」

「おかしいな・・・」


俺はデュラハンの言葉に疑問を感じた。


「何がだ?」

「デュラハンは魔族の上位、こんなに知能が低下してるのはありえない、何か理由があるはずだとおもうんだよなー」

「あー。確かに馬鹿っぽそうな話し方だしな」

「貴様ら…殺す」

「そうか」


面倒くさいのでとりあえず斬って見ればわかるだろうと思い、俺はデュラハンに突っ込む。

ジルもそれを追うように着いてくる。


とりあえず魔力の斬撃を使う。

するとデュラハンの腕が吹っ飛ぶ、吹っ飛んだ腕は空中で消えてしまった。

まるで酸素を失った火のようにフッと消えた。


「あぁージル、これデュラハンの複製版だわ、全体的に脆い」

「へぇ~じゃあ盾で粉々になるな」


ジルは盾でデュラハンにタックルし、デュラハンの体を粉々にした。

すると粉後にした体は先程の腕のように消えてしまった。


「ふぅ、複数版でも一応協力したからな」

「分かってるよ、ホットケーキとパフェな」


パチパチパチパチ


突然の拍手の音に俺達は構える。

音は後ろからだ。

剣を構え距離を置くとその人物は両手を挙げたのであった。


「いや!待ってくれ!ジル!わしじゃ!」


そこで手をあげているのは王様だった。

この反応を見ると王様とジルが知り合いって本当だったのか。


「え?アドルフ王?」

「そうそう、剣しまってくれぃ」

「し、失礼しました」


俺達は構えを止めそのアドルフ王とやらに挨拶をした。危ないな…あと少しで王族殺人罪掛かるところだった…


「申し遅れました、クロと言います」

「堅苦しいの面倒だからしなくていいよ~」


アドルフ王口調軽いな…


「アドルフ王お久しぶりです、弟のハルはどうしていますか?」

「え?ジルの方にいってないの?」


アドルフ王が聞くとジルは「え?」と不思議そうに言った。何のことだろう…

ハル?弟?ジルに弟いたのか…

話を聞くとジルは代々王都を守る騎士の一族だったらしい。

鍛錬は子供の頃からずっとしていてジルはかなり強かったらしい

それで重力も耐えれたのか…


けれどジルには決定的に欠けている事があった。

それは使命感である。

ジルは堅苦しい作法を学ぶよりかは自由に行きたかったらしい。


そんなジルの弟は誰よりも正義感と忠誠心があったため、ジル自身も弟が騎士になった方が良いと思いアドルフ王にだけ真実を伝え、一ヶ月前に王宮をでたらしい。


しかし、ジルが王宮を出てすぐに弟のハルに話したらしい。

アドルフ王、口軽いな…


ハルはジルの気持ちを無駄にすること無く「ジル兄さんの為にも」と、言って訓練に励んだらしい。

しかしその一週間後に王子からハルはジルの所に行ったと聞いたらしい。


けれど、ジルと一緒にいたときにそんな少年は一度も見ていない。

どういうことだ?行き違いにしても一週間は長すぎる。どう考えても何かあったのだろうが…


「俺の所には来てないですね…」


ジルは不安そうに答える。そりゃそうだ、弟のために城を出るほど弟を大切にしているのだろうが、その弟が何処かに行ってしまったのだ…


「おかしいのぅ…まぁ、対戦相手あんなだしもういいじゃろ、優勝おめでとう」


少しジルの顔が暗い…

おそらく弟の事を考えているのだろう。


俺もハルの事を探してみるか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ