表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/111

第二話  知らない世界  2

さて、この時代の人物の個人名をどうしようかと思ってる。おいおい出さなきゃならなくなるんだろうけど、そこまでこと細かく知らないというのもあって、難しいものがあるんだよね・・・


どうしよう

 海軍についてはそんな具合だった。では陸軍は?


 こちらはそんなに知っている前世(史実)と変わりがない、というか細かい兵器のことはよくわからないからそう思うのかもしれないが、この一週間で知ることが出来たところによると、ボルトアクションライフルはあるし、機関銃も試験が行われているようだった。正直、10歳児にそんなこと教えてよいのかと思うほど情報があるのは助かった。場所が良かったんだろうな。


 さて、細かなところの話になるが、この時代、確か下瀬火薬は出来ていたはず。ただ、あれは純粋ピクリン酸なので、反応が過敏だったといわれる。それがもとで腔発を誘発してという話もあったと思う。あれは伊集院信管だったか?まあ、いずれにしても鋭敏な火薬には違いない。こいつを安定化爆薬にする方法というのが後に考案されているが、アンモニアと反応させるという方法なら今でも可能なのではなかろう?


 さて、思い立ったがどうしよう・・・


 意外と簡単だった。ここはいろんな軍人が来る。そこで、海軍の偉い軍人を捕まえてみることにした


「ねえねえ」

 トコトコ近寄って、子供らしく話しかける。こういう時、子供って便利だな。


「これは殿下、こんなところでどうされましたか?」

 軍人もちゃんと応対してくれるよな。


「あのね、本を読んでいたらピクリン酸というのが火薬になるって載っていたんだけど、知ってますか?」

 いや、こんなので良いのかとは思ったが、うまい話法が思いつかない。つか、難に載ってんだろうな・・・


「ほう、殿下は博識でいらっしゃる」

 当の軍人さんもなぜか疑問に思わなかったようだ。


「ありがとう。それで、そのピクリン酸というのはものすごく危ない火薬だそうだけど、本当に使えるんでしょうか?」


「殿下、火薬というのはそれ自体が危ないものですよ。危なくない火薬などありません」

そう言って諭してくる軍人さん。


「でも、そのピクリン酸にアンモニア?を足すと岩石みたいになっちゃうそうですよ?」

シレッと100年先の事件の話をする。これ、wi○iの記述にあった話だ。カナダだったかで実際に後のピクリン酸アンモニウムを原料にした爆薬をただの岩石と間違えて廃棄したとかいう話だ。


「な・・・」


 軍人さん、ものすごく驚いている。そして、少し考えて


「殿下、それはどのような本で読まれましたか?」


 まさか、前世のネットでと答えるわけにはいかない。


「え~っと・・・、父上の持っていた本だったかな?すごいなぁ~と思ったけど、どこで読んだか忘れちゃった」


 子供だから許されるでしょ?


 しばらくどこで読んだか聞かれてしまったが、わからないで通して、いくつか話を出して、軍人さんから離れた。

 あれ、誰だったんだろう?覚えていたら後で調べてみようか。


 それからしばらく不思議な皇子という噂が立ったけど、まあ気にしてはいけない。幾人かにピクリン酸について尋ねられる結果になったが、情報が拡散することは良いことだと思って幾人にも話ている。

 ただ、あまり喋りすぎるのもどうかと思うので程々にしたんだが・・・


 おっと、そういえば誰だったか調べるの忘れてた。まあ、いいや。


 ピクリン酸の結果がすぐに出るとは思っていない。きっと何年もかかるだろう。まだ6年あるし、どうにかなればいいな。


 陸軍のほうは機関銃の有効性を触れて回ったくらいだ。ついつい子供の意識が表に出て騒いでしまったりもしたが、どうということ信じたかったが、そういうわけにもいかなかった・・・

父に呼び出されたのである・・・


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ