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第一話   知らない世界

一話にして詰まりかけ・・・

 目が覚めたら知らない部屋に居た。

 辺りを見回す。


「ここ、何処?」


 そして、更なる変化に気付く。

見るからにおかしい。まるで子供の足が目の前に見えた。最近痛めたはずの肩の痛みもない。手も子供だ。

しかも、先ほどまで電車を待っていたのではなかったか?そんな気がするのだがよく思い出せない。そういえば、自分が誰だったかもよく思い出せない。


「あれ?あれれ?」


 おっと、一瞬混乱したが、何だか記憶がある。どうもすごく偉い人のお屋敷で、自分はそこの子供だ。兄弟姉妹も居るらしい。


 そして、21世紀に平凡なサラリーマンだったという記憶も並行して存在している。

混乱しそうな状況だがどうしてか落ち着いてしまう。これはいつも否定していたはずの転生というやつじゃないのか?神様や女神さまにはあっていないが、事故で死んで転生した、なるほど、そこにテンプレが存在した。そして次なる行動にも期待が膨らんでくる。


 不意に部屋のドアが開いた。俺を見るなり、ドアを開けた人物が頭を下げる。


「おはようございます。殿下」


 僕は自然にあいさつした。


「おはよう」


 僕?

思考が二重になってしまっている。意識しなければ思考が子供のそれに支配される。


 兎に角、まずは怪しまれないように振る舞うことにした。思い出した記憶が消えてしまわないようにしながら、普段通りの行動に徹することにした。



 三日ほどした。そして驚愕した。


 ここは明治だ。そう、あの明治時代だ。

更に驚いた事に、ここは御所で、俺は大正天皇の弟だ。明宮亨仁というらしい。

考えてみたが、大正天皇にその様な係累が居た記憶はない。もし、居たとしても、明治天皇の男児は早世ばかりだった筈だ。


 さて、現在、明治32(1899)年だ、俺は10歳。

つまり、史実とこの世界はどこかがずれている。もう少し様子見した方が良さそうな気がする。



 さて、それからまた一週間が過ぎた。判ったことというと、歴史は同じと言って良さそうだ。ただ、皇族関係を調べて見たが、伏見宮にあたる軍人が見当たらなかった。

 そして、この頃既に就役が始まっているはずの富士型戦艦は影も形も無い。そこにあったのは、三景艦時代と変わらない戦艦だった。


 もちろん、日本が史実よりも貧乏というわけではない。見ることの出来た資料によると、日清戦争において両国が装備していた艦艇は、俺の知識の10~15年遅れている。三景艦が今頃配備されているのもそのためだろうと思われた。


 転生したら記憶チートで色んなことが出来るんじゃなかったのか?歴史が少し違う並行世界へ転生してしまったらしい。だいたいは同じだろうが、少し考えて行動しないと、「俺」の記憶をそのまま使うことは出来ないかもしれない。

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