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外伝6  それからの日本3

 世界情勢というのはそんな感じだ。欧州や中東情勢もあるが、欧州はドイツが纏めたし、中東は英国の三枚舌外交が無かったので、イスラエルは建国されていない。


 イスラエルは無いが、共産主義とそれを阻止する英独側の最前線となり、スンニ派対シーア派の対立が各地で頻発し、結局、バルカン半島に代わる火薬庫の状態であることには変わりがない。


 アフリカについては独立が多少遅れたりもしているが、前世と大差はない。独立に合わせるかのように共産主義が入り込んできて内戦が起きたり、大量の武器がばらまかれたりと、そんなことがそこらじゅうで起きている。前世との違いと言えば、そこに日本も大きく関わってしまっている事だろうか。


 中南米もそう言う面ではアフリカ同様と言って良い。日本からの移民も多く渡っており、武器禁輸という政策をとらなかったことで、ここにも日本製の武器が複数存在している。大きいものでは、ブラジルの空母だろうか。


 前世、二一世紀までM4シャーマンを使っていたというパラグアイについては、ほんの数年前までSタンクが現役だった。いや、正確には改良型が今も現役だというのだから驚きだが。ブラジルやパラグアイといった日本からの移民が多い国では日本製兵器が多く採用されている。その影響で民間でも日本製品の認知度も販売実績も良い。


 前世では兵器と関係なくではあったが、こっちの世界では、その販売が兵器のシェアと連動していたりする。ただ、必ずしも兵器輸出が儲かっているという訳ではないらしいのだが。


 さて、世界情勢を一旦おいて、国内に目を向けてみたいと思う。


 さて、昭和は何年続いただろうか?


 昭和は六十年も続いてはいない、四十五年で幕を閉じている。昭和四十五(1966)年一月に兼ねてからの事として陛下が譲位を表明し、翌年から改元されることが決まった。


 まだまだ譲位を必要とするような問題は何もなかったのだが、本人の意思として、明治を超える事への抵抗があったのではないかと言われている。

 今では全く皇室と縁がないので、どのような経緯で持ってそうした判断に至ったのか知りようもないが、俺の存在を知る人物だけに、もしかしたらその辺りが影響しているのかもしれない。



 昭和の次は平成か?と思ったが、そうではなかった。永安と決まった。


 永安はそれ以前にも候補に挙がった事があるが、その時は最終候補に残っていない。ただ、そんな事を言えば、その昔、昭和やこの世界では採用されていない平成にしても、候補になった事はあるのだから、気にしても仕方がないのかもしれない。

 それに、平成と決まった経緯として有名な官僚の一言のようなものが無かったのかもしれない。タイミングが変われば候補も決定も変わるという事なんだろうと感慨深い想いもあるが、俺はどうだっただろうか?


 永安についても、昭和帝に倣う様に、時の陛下は早期の譲位を表明し、本来、永安三十三(1998)年をもってとしていたのだが、西暦と整合させるのに都合がよいという事で、二年延ばすことになった。

 社会の定年にあわせて天皇が譲位し、改元を行うのは他の面で問題があるという意見が取りざたされるようになってきていたのだが、国民へ範を示すという事で、決められたという事らしい。


 そして、二十一世紀と共に文長へと改元されて今に至る。


 文長という元号は江戸時代から朝廷が提案しては幕府が退けてきた元号案だったそうだ。何故今更とも思うのだが、宮内省には何らかの思いがあったのかもしれない。


 この時候補に挙がった中には、天久というのがあったそうだ。二十一世紀、新たな門出とするならこちらの方が良かった気がするんだが、なぜかそうはならずに伝統が選ばれている。


 次の改元はまだ随分と先だろうという。早くて十年後という話だから、その時の元号なんて今から予想しても仕方がない。


 そうだな、俺は平成にでも一票入れておこうか。


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