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『プロローグ』



当然のように多量の血飛沫が視界の中を舞う。それは周りの木々に薄めた絵の具の様に酷い音を立てて張り付く。

追いつかない思考とは裏腹に、目前の景色だけが情報として俺にやるべきことを告げてくる。


――片付けろ。


――守り抜け、と。


体験したことのない感覚からか体全体が拒絶反応を起こしている。

指が、手が、腕が、肩が、足がももが腹が胸が喉が口が脳が。


「やらなきゃダメだ。俺が動かないとあの子が……!」


開けた木々の間から、バケモノの相手をしている少女の姿が見える。

その細い腕からは赤黒い物が垂れ流されているのが微かに分かる。

紛れもない、血だ。


手には水色の気を纏った短剣が握られており、バケモノに向けてそれを振るう度に粒子のように四散する気と血が見るに堪えない絶景の地獄を表現していた。


「ゴゥルアッッ!!」

「うっ……あっ……」

自分がただ震えたまま過ぎていく時間が長くなればなるほど、威圧と殺気を含んだ咆哮は徐々に嗚咽を増やしていく。


まだ、間に合う。今度は俺が彼女を――。


「ゴグルアアァア!!」

突如響いた轟音が俺の耳へ響き渡った時。




俺の背中は、彼女から流れているものに似た赤黒い何かに包まれていた。

突然のできごとに体すら震えることを辞め、膝から地面に力なく倒れる。


首筋にリズム良く感じられる、気持ちの悪い生温ぬるい風が何かを理解するまで、そう時間は掛からなかった。必死に振るおうと手にしていた刀は先程に比べ、重みを増していく。


「噛まれてるのか。俺は」

力なく声を絞り出し、呟いた言葉は誰にも聞かれることなく消えていく。


最初から最後まで――俺は、臆病だった。

動けたはずだろ。変われたはずだろ。

心の中にいる偽善だらけの神が、全て俺に押し付けてただ眺めているだけの神が、偉そうに口を開く。

誰かを巻き込んで、ただ自分だけ安らかに逝くなんて出来ない。


まだ通っているであろう僅かな血に、全身を委ね、俺はもう一度地に足をつけた。

初めて小説を書かせていただきます。紺野こんの さだめと申します。

僕たちは異世界と未完成の上で踊る。プロローグ読んでいただき、誠にありがとうございます。

文章力、語彙力が日頃から疑われているため、読みづらかったり意味のわからない文面が多々出てくると思いますのでご指摘いただけたら嬉しいです。

物語の内容は、王道の異世界ファンタジーとなっておりますが、他の方の作品のように面白く、且つほかの方の作品とは違う楽しみ方ができるような小説が書ければなと考えております。

(よろしければ)応援よろしくお願いします!

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