表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2度目の人生、ハードモード〜これが1度目の補填って嘘でしょ?〜  作者: 蒼を刻む朱雀
第1章 『主』誕生
5/142

2話 北の廃坑

やっと主様誕生に至る。

色々寄り道をして幾つもの分岐を乗り越えてようやく納得の行く(?)展開に持ち込めた。と私は思う。

 ――アルベーン最大の大陸ウィデロア…その北の最果てウィムスにある廃坑…。

 北の廃坑といえばかつては地下大都市がさかえ、滅びた後ですら宝箱が散在し、冒険者たちの堀スポットとして有名『だった』。

 しかしいつからか地下大都市よりも深部からレベル200を超える魔物たちが湧き出し、それ以来誰も近づきたがらなくなったという。一部の変態を除いて…。


「まぁそれは俺のことなんだけどなぁ」


 そう言いながら軽装の冒険者は頭の後ろで手を組みながらまるで散歩でもするかのように北の廃坑を潜っていた。

 彼の目の前にはレベル250オーバーのバーサークミノタウロスなる魔物が自身以上の身の丈の巨大な剣を振り上げ、彼に向けて振り下ろされる。


「ダメダメまるで遅い…。」


 彼はその剣を踊るようにして避けると目深にかぶっていたパーカーが脱げる。

 彼の赤い短髪の中から羊や山羊とは異なるとぐろを巻いた歪な角が突出している。

 彼はバーサークミノタウロスの横をすっと通り抜けると巨大なミノタウロスの上半身と下半身は分断され、地に伏せる。

 巨大な音とともに光の粒子となって消えるバーサークミノタウロスを尻目に、彼は前に進む。


「一体何だってこんなところに来なきゃいけないんだか。」


 それは遡ること数時間前に至る。

 珍しく夢を見てるんだ…と思えるほどには冷静だった。

 辺り一面真っ白でどこからか声がする。


「北の廃坑の最深部に行きなさい。今の貴方が強くなる糧がある。ただし糧を得たら搾りかすは殺しなさい。それがいずれ貴方を脅かす」

「てめぇは一体何様なんだ?俺の何を知る?答えろ!俺を陥れようとしか考えられねぇぞ!」

 上から目線の声に苛ついてつい反抗したが繰り返す毎に小さくなる。そして消え入りそうなくらいになったともに目が覚めた。


 そして現在に至る。


「もうじき最下層たる都市部の王宮地下になるわけだが?」


 そう独り言をつぶやきながら王宮の最下層広場の戸を開けはなった。

 すると凄まじい光が目に刺さる。


「うぉ!何かの攻撃か?!」


 慌てて扉の影に隠れて光が収まるのを待つ。

 視界が慣れてきたところで再び部屋を覗き込む。

 そこには赤ん坊がちょこんと座っていた。

 俺は慎重に遠目で《鑑定》をかける。


「ははぁ…こいつが糧って訳か…」


 目の前の赤ん坊はメインスキル10個、サブスキルが優に100を超えたちょっとした化け物だった。

 夢の言うことがわかった。たしかにこいつは糧になる。

 まず拘束系魔術で身動きを取れなくする。その後急いで近寄って俺の固有スキル《スキル強奪(スキルテイカー)》でかたっぱしから奪い始めることにした。

 俺はイクリ。世界最強となってこの世の女全て俺のものにするために西弄東走してる。すべての女を俺のものにしたら魔王にでもなりたいな。


◇◆◇

 さて、私は無事転生できたわけだが…いきなり拘束されているんだが…これ如何に?

 落ち着くんだ私状況を把握しよう。

 無事転生した。なんかいきなり拘束された。現状に至る。うん訳がわからないな。

 とりあえず目の前のヒトに声をかけてみるか。


「だーう~」


 赤ちゃん語しかしゃべれないのか。一種の羞恥プレイだな。


「――――――――――――」


 何を言ってるんだこのヒト。ガブリエルさん、《言語理解》って言うお約束のサブスキル、ないんですか?

 とりあえず返事をしておくか。


「あ~い~」


 お、意図が通じたのか? 赤毛のお兄さんが手を伸ばしてくれるぞ。

 頭をなでてくれるのかな?そうじゃなくて…拘束を解いてほしいんだが…

 赤毛のお兄さんの手が私の顔を覆う。まるでアイアンクローでもするかのように…

 赤ん坊にそんなことシたらマジで死ぬよ?待ってなんで私、ヒトに殺されることになるわけ?

 ちょま…痛…くない!っていうか何か吸い取られるような感覚。若干癖になりそう!中身を吸い出される。この感覚マジでヤバイ何を吸い取ってるのこのヒト…


――メインスキル《即死耐性》が消失しました。

――メインスキル《全属性適正》が消失しました。

――メインスキル《病気無効》が消失しました。

――メインスキル《呪い無効》が消失しました

――メインスキル《レアドロップ確定》が消失しました。

――メインスキル《魔法無効》が消失しました。

――メインスキル《第6感》が消失しました。


 は?メインスキルが消えたってちょっと待ってもしかして吸い取られてるのってスキル?それはだめだって!私がチート以前にあなたのそのスキルがチートでしょ!


――サブスキル《覇王の兆し》が消失しました。

――サブスキル《覇王の魔力強化》が消失しました。

――サブスキル《覇王の属性耐性》が消失しました。

――サブスキル《覇王の双眸》が消失しました。

――サブスキル《覇王の舞闘》が消失しました。

――サブスキル《魔法無効》が消失しました。

――サブスキル《物理無効》が消失しました。

――サブスキル《影化》が消失しました。

――サブスキル《無詠唱》が消失しました。

――サブスキル《魔力操作》が消失しました。

        ・

        ・

        ・


◆◇◆

 私は何も抗うこともできずただただスキルを吸い取られてしまった。サブスキルは30から先はもう数えていない…。数えるだけ無駄だから…

 この赤毛のお兄さん…否、赤毛の悪魔は私から手を離し腰の剣に手をかける。

 あぁ…私はここで死ぬんだな。また…死ぬのか…あんまり転生とか意味なかったな…。それにしても最期でいいからあの従者たちに会いたかった…。


 って諦められると思うかばっかやろう!赤ん坊ってのは可能性の塊なんだぞ!赤ん坊の限界のボーダーって低いんだぞ!『超えてやる』!限界を!


――サブスキル《限界突破リミットブレイク》を習得出来ます。習得しますか?


 もちろんYESに決まってらぁぁぁああああああああああああ!!!


「?!?!?!」


 赤毛の悪魔が困惑してるが関係ないな!私からスキルをぶんどったんだ!1発殴らせろぉぉぉおおおおおおおおおおお


「だぁぁぁあああああああああ!ぶぅううううううううううううううううう!」


 私は地面を蹴って突き出した拳で赤毛の悪魔の顎を打ち抜いた。


◇◆◇


「いってぇ…」


 不意打ちを食らった。

 まさか赤ん坊が拘束魔術をぶっ壊し、そのままアッパーしてくるなんて誰が予想したんだよ。

 でもまぁレベル差でそこまでダメージはなかったがこいつは危険だ。何がやばいかって?見た目は生まれたてにしか見えないのに2足歩行するんだぞ?普通はハイハイから始まるもんだろが…。


「ぶっ殺す…」


 俺は剣を構え、目の前の糞ガキに斬り裂こうと足を動かそうとしたところで糞ガキが倒れた。

 慎重に《鑑定》を見ると状態異常に《ペナルティ》とあった。

 なるほど2足歩行のからくりは《限界突破》か…種がわかれば怖くない。それにしても末恐ろしい赤ん坊だ…。夢のとおり今ここで殺す他ないな。

 近づいて赤ん坊の首に剣を添える。


「ご主人様ぁぁぁぁぁあああああああああああああどこですかぁぁぁぁあああああああああああああ」


 女の叫びとともに何かを振る音、そしてドドドッって言う足音が近づいてくる。


「ご主人様はここかぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああ!」

「姉さん五月蝿い」


 肩に叫ぶ猫を乗せた猫耳少女剣士が現れた。

 その剣士の容姿を見て俺は悪態をついた。


「っち…こりゃまた厄介なのが来たな…。」

そのうちスキルについての補足とか投稿しておかないと…。

この回で主様の触手プレイを考えたのですが赤ん坊×触手って誰得だよと思ったゆえにこうなりました(苦笑)

次回はアクション回になる予感…。(っていうか必然じゃなかろうか…)

次回は2017/4/2を予定しています。(あくまで予定です。変更の際は活動報告にて随時報告します)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ