行間
1万PV到達記念に割込投稿!
トキは髪を結ってもらっている間自分の記憶を遡る…
しかしどこまで行ってもユネ達と別れたあの峠で連車を繋ぎ止める綱を切ったとこから昨日目を覚ますまでの間の出来事を思い出せない。
『いくらなんでも不自然すぎる…。綱を切った直後に気を失ったんじゃなければこんなのあり得ない…』
トキは自身の髪をすくユネに訊ねた。
「ユネ…私を助けたのはどっち?」
「私です」
「助けたときの私の状況ってどんなだった?」
「気を失っていました。至るところに傷があったのでさんざん痛め付けられたと見ます。」
「『女は傷をつけると価値が下がる』と言ってたのに?」
「えっ…そんなこと言ってましたっけ?」
ユネはわたわたとしながらどう返せば良いか狼狽する。
「これは私の推測なんだけど、私は性奴隷として調教されていた…違う?」
「だ、誰がそんな言葉を…」
「セラが教えてくれた」
トキは平然と大嘘を吐きつつもその表情はユネからは見えない。
「主様…朝食をお持ちしました。」
そして間の悪いことにノックと共に器用に両手と頭にお盆に乗せて朝食を持ってセラが入室する。
ユネは振り向き様、キッと睨み付けてから声を荒げた。
「セラ!どう言うこと!ご主人様には言わないってことで合意したじゃない!」
「な、なんのことですか姉さん」
突然のことでセラは状況が読めずあたふたする。それでも頭のお盆を落とさない所は従者の鑑だとトキは感嘆する。
「追求は後にしてユネ。本当はどうなの?」
「言えません」
「主の命令だとしても?」
「教えるくらいなら舌を噛みきって自害します。」
「…そんなに嫌なの?」
「はい…」
トキの肩に雫が落ちる。トキはそれがなんであるか振り返らずに理解する。
「じゃあ質問変更…ユネは『記憶操作』ができるの?」
「出来ません…」
「じゃあどうやったの?」
「ご主人様はそれを知ってどうなさるつもりですか?」
「どうもしないよ?ただ『こういう使い方もあるんだ』という考えるだけ…」
ユネは下唇を噛み締めたのち開いた。
「私は怖いのです…いつかご主人様がその手段を用いて記憶を取り戻し、また廃人となってしまうことが…私には堪らなく嫌なのです…だから約束してください…決して記憶を取り戻そうなどと考えないと…」
「それはできないよユネ。事実は事実…受け入れなければならない真実なのだから…それに今知れば廃人になるかもしれない。でもそれは私が経験が浅いからだと思う…。これから先…辛い事もたくさんある。楽しい事は辛いことより少ないかもしれないそれを乗り越えれば多分その記憶にも耐えられる…と私は思うんだ」
トキは膝から降り、立ってユネの頭を抱き締めながら続ける。
「だから…私が大きくなったら教えて?」
「う…ごめ゛ん゛な゛ざい゛ユ゛ネ゛は悪い゛子゛ でずぅ…」
「そんなことない…私は幸せ者だよ」
「でも…でもぉ…」
トキがなだめ、ユネが泣きながら否定の言葉を返すなかこれまた魔が悪いことにドアがノックされてオーガスが顔を覗かせる。
「主さ…もごもが…」
声をかけようとしたしたところセラに口を塞がれ、廊下に連れ去られた。
――廊下にて…
セラは身ぶり手振りでオーガスに言いたいことを伝える。
『オーガス、空気読め』
オーガスもなんとか意図を読み取り返答する。
『この状況の説明求む』
セラの答えは簡単だった。
『知・ら・ん』
この後、出発が1時間遅れたことは言うまでもなく、2人は言及するという愚行は冒さなかった。
セラに続いてユネまで泣かすトキは悪い主です(棒読み)
っていうか祝1万PVの話なのにうっかりユネを泣かせてしまった…。
やはり半鬱状態から抜けてない状態だとマイナス方向の話を作ってしまう…いと反省…




