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楽しい楽しい設定《キャラクリエイト》♪

まさかのキャラクリエイト回…

「今回の補填の一部として従者を2名お供させますのでご安心ください。」


 お供?アイ◯ーかな?


「いえいえ。あんな可愛らしい小動物ではなく、れっきとしたヒトです」


 そう言ってガブリエルさんは部屋の扉を開ける。

 私は中を覗くと中には大量の裸身のヒトがぶら下がっていた。

 私は思わず1歩下がった。


「ご安心を…。アレはタダの▲▲▲▲です」


 ただの…なんだかよく聞き取れなかったけど、こうヒトの裸身がズラッと並ぶさまは一種のホラーだと思う…。


「これらは全て仮の状態…いわばデータのようなものです」


 ガブリエルさんはそのまま部屋の中に入っていくから私も続いて中に入っていく。


「どのような従者がよろしいでしょうか?」


 どんな…って言われると…銀髪、白猫耳、白猫尻尾は外せないな。その反対もまた捨てがたいな…。


「それではこんな感じでしょうかね?」


 そう言って奥からすぅっと死体のようなデータが2つ近づいてくる。やっぱりホラーだって…。

 でも近くに来たデータはとても私好みの顔をしていた。


「身体のデータはこれから反映するところですがなにか希望はございます?」


 まるでキャラクタークリエイトをしているような感じだな…。


「あながち間違いじゃないですね。種族は…猫耳と猫しっぽですから猫族(びょうぞく)でよろしいですかね?」


 他に何があるのかな…。すこし疑問になるけど…。

 あれ?種族を選べるってことは家系も弄れる?


「えぇそのように調整できますが…あなたのようなことを尋ねられたのは初めてですね…」


 ガブリエルさんバンザイ!って言うかこう言うこと何度か有ったってこと?


「お恥ずかしながら何度か…」


 その都度あんなに整列して出迎えてるわけか…大変だな…


「あなたに限り流石にいつも通りじゃだめだろうと思いまして…」


 そ、そんなにひどかったのか…。人生そこまで酷かった記憶はないんだが…。


「通常なら壊れていてもおかしくないほどのマイナスだったので…ただあなたの場合『人が良すぎる』ということで最悪の事態を回避した…感じですね。文字通り私達の手を借りることなく…。」


◇◆◇10時間後◇◆◇


「ではこちらの黒髪の娘は近接職用のこのスキル群を、銀髪のこっちの娘は遠・中距離ならびに補助の万能魔法職のこのスキル群で設定でよろしいですね。」


 はい。この2人に私が遊撃役として入れば冒険者としての出発も楽なはず。


「こうも設定が細かいとやりやすいです。」


 普通は、難しいもんじゃないのかな?


「いえいえ、逆にぽわ―っとしてると難しいものです。あなたのようにイメージがしっかりしてると組みやすいです。ほらここをこうちょいちょいっと…」


 手が出しにくいんじゃなかったの?


「この出生操作の権限を有するのは私だけですから…。それに出生に関すること以外は全く手が出せないので『手が出しにくい』のです」


 サラッと「出生」を「操作」といったよこのヒト…


「私達からするとそんなもんですから」


 冷静に告げるガブリエルさん。


「さてあらかたできましたから次はあなたの番ですね。こちらに…」


 そう言って案内された部屋は本で満たされた書庫のような部屋だった。

 ガブリエルさんは手を軽く振って半透明のボードを空中に出すとそのボードを私に見せながら言った。


「この中から10個のスキルを選択してください。このスキル群はメインスキルと呼ばれ一般人なら最低1つは持っています。」


 《○○無効》とか色々なスキルが有って目移りする。ってか一般人で1個持ってるものを10個もらえるってどんだけマイナスしてたんだよ!


「あとで聞きたくなかった…っておっしゃられないのでしたらお教えしますが…」


 人がいいって評価受けてる私が後悔するほどマイナスしたのか…。

とりあえず

《基礎代謝》、《病気無効》、《胃酸強化》、《空間把握》、《魔法無効》、《即死耐性》、《レアドロップ確定》、《呪い無効》、《第六感》、《全属性適正》

 の10個を選択した。


「なんかネタスキルが混ざってますが良かったのです?《胃酸強化》と《空間把握》はそんなに価値のなさそうなスキルなんですが…。」


 《胃酸強化》は美味しいものを美味しく食べるために必要だし、《空間把握》は魔法を使う上で味方の位置とかを正確に知るにも必要だと思う。

◇◆◇

――バンッ

 凄まじい音を立てて天使が扉を開けて駆け込んできた。


「■■■■■様!大変です!」

「今、人生補填中なのであとにしてください…」


 ガブリエルさんは駆け込んできた天使に対して一瞥して言うと天使は続けた。


「このままだとその人生補填に影響が…」

「手短に説明しなさい」


 説明好きなあんたがそれを言うのか…


「●●●が―――室で転び、その際そちらの方の従者となるもの達2名を下界に送る装置を稼働させ、送ってしまいました…すでに15分経っている状態です」


 幾つか聞き取れない単語が混ざっている。おそらくさっきの部屋で何かが起きたんじゃないだろうか?


「んなっ!!」


 ガブリエルさんは駆け込んできた天使の言葉を聞いて顔を真っ青にする。


「事態は1分1秒を争います。本来ならもっと時間をかけて選んで頂く予定だったサブスキル150個はこちらで上等なものを選び最良な判断で贈らせていただきます」


 なんで1分1秒を争うんでしょうかね?ってかサブスキル150個って…どんだけ大盤振る舞い…


「こことむこうの世界の時間の流れが違うのです。こちらでの1分は向こうの100年に相当します。」


 っな?!それじゃあ…こうしている間に…


「サブスキルに関しては本来あなたに選んで貰う予定だったものなのに私が勝手に選んでしまうことになったのでこの量というわけです。」


 さ、サブスキルの多さの理由はわかったけどこうしてられない早くしないと2人が!!


「まぁ落ち着いてください。幸いか不幸か家系の問題で一定年齢で肉体年齢は止まるように設定しています。」


 そうだった!一定の年齢に達すると先祖返りが現れて肉体年齢が止まるようにしてたんだった。


「ですが安心もできません。国の王による処刑か、数千年に1度復活するとされる魔王と相対すれば流石に死にます」


 死ぬ可能性あるんじゃないか!なら急がないと!ってか私を慰めたり、落としたりして楽しんでないですか?


「そんなことあるわけないじゃないですか。コロコロと変わる表情が楽しくて天使をやってるわけじゃないんですから。フフフ」


 そんな気配、微塵も感じません!


「…というわけでこのスキルで転生していただくことになります。向こうで死んだら今回のように転生という訳にはいきませんのであしからず…」


 は、話しながらスキル選んでたんですか…ぐぅ有能ですたい…


「これでも元そちらの世界の四大天使の名前を名乗る程度には仕事はできるつもりです。それではご武運を…」


 こんな別れ方になったけどなかなかいい人だったな…。出来ればまた会いたいけど…。


「流石に無理です」


 ですよね~。それじゃいってきます&さようなら。


「■■■■■様。転生座標、こんなところでいいのですか?!」

「へ?いいとおもいますけど?大陸有数の巨大地下都市ですし」


 なら安心だ。何を心配してるんだ?


「何言ってるんですか?今この座標、北の廃坑で高レベルモンスターの生息地ですよ?」


 天使の言葉に私の顔から血の気が失せていくのが感じられる(魂だけの存在だけど…)。ガブリエルさんの真っ青だった顔がさらに真っ白に…。白い胸元って血の気が失せると怖いくらいまっさらになるんだなぁ~


「すこし前まで街が栄えてたじゃないですか!この大陸内有数の大地下都市が!そして貴方もそこで現実逃避しない!」

「それは12時間前の話です。向こうでは72,000年前…つまり720世紀前の話です」


 なばぁぁああああああああああ!


「はわわわ!と、止めないとえっとどうやって止めるんだっけ…ここをこう?違った」


 私も慌てて暴れようとするが光の柱から逃れることは出来ない。

 生まれてすぐにピチュンとか洒落にならんぞ!


「そ、『即死耐性』あるからそうかんたんには死にませんって!!」


 ガブリエルさんの言葉に天使が残酷な1言を加える。


「《即死無効》ではなく《即死耐性》ですか…。どうせ■■■■■様のことだから『《即死無効》は1日1回しか起動しないけど《即死耐性》なら90%で即死を回避できる上に復活時間が短いし』とでも思った上で勧めてしまったんでしょう?」

「ぐはっ!」


 天使の言葉にガブリエルさんは図星だったらしく、胸元を押さえる。


「そもそもアレはつい最近、▼▼▼▼▼▼様が全世界に下方修正入れて発生率を90%から10%に引き下げてネタスキルと化したものじゃないですか…」


 それ一気に下げすぎじゃないですか?


「▼▼▼▼▼▼ぅぅぅぅううううううううううう!!!!」


 ガブリエルさんの叫びとともに私の意識が薄れ、完全に途絶えた。

ちょっとした手違いで1時間後に行間を入れることになりました。

//感想で指摘があって初めて気がついてしまったので時間の変換のところに修正を入れました。

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