商業流通に耐える作品を探す
さて、アルファポリス社の商業出版作品は削除の何が問題だったのか?を考えます。
思いっきりバッサリ書けば、結果的にではあろうと、他人が管理している田んぼで青田*刈り*をやっちゃってる事ですかね。
閑話。
青田買い、と言う慣用句が正しく、青田刈りと言うのは本来存在しません。
しかし、いつしかこの誤用が広まった挙句、現在は青田買いとは違う慣用句として青田刈りが成立してんじゃね?と言うのも。
ちなみに、青田買いは「先を見越して、優秀な人材に粉をかけておく・唾をつけておく事」です。
青田刈りは、字面からの意味の違いをくみ取って「まだ実っていないにも関わらず、刈り取ってしまう事」と言う意味合いがつけられているようですね。
―――――2016/06/09 追記―――――
(1)感想より「青田刈りと言う単語はきちんとあって、戦国時代の戦法の名称です」と指摘を受けました。(感想 三矢 頼一 さん [2016年 06月 09日 02時 38分] 投稿)
これについては私の勉強不足でした。本当に申し訳ありません。
(2)ただ、私が想定しているのは*「青田買い」の誤用として「青田刈り」を使用する*であるため、全体的な構成としてはこのままにしておきます。そして字面からのイメージをベースに展開している事を記述しておきます。
実際に、あまりにも誤用が多いからと、青田刈り=青田買いとして説明している所まである始末……
(3)意図云々については、後半のネタバレになるため、後半に記述します。
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閑話休題。
なろうは、ある意味で有象無象に小説を書かせて、大勢の人の目に触れるメディアを作り、そこに広告を載せる事で儲けを出そうと考えている事業です。
そこで重要になるのが作品の質で、PV (page view) を稼げる作品と言うのは、なろうとしても重要なんですよね。
所が、「アルファポリス社」は「読める作品」を「なろう」で見つけては「作品を」奪い取っていく訳です。しかし「作者」は「なろう」で続きをまだ書いてるものだから、「なろう」でやって行きたい。けど、商品化した部分を削除したら、それは「個別の作品」として成り立たない。結果、「アルファポリス社」と「なろう」の間で、曖昧なダイジェスト化による黙認と言うものが成り立っていた。
「アルファポリス社」としては自社の事業を考えて削除を妥当と強固に考えている。
しかし「作者」にとっては余計な手間が増える。
「雛プロジェクト」にとっては、PV を稼げる原資を「奪い取られている」。
うれしいのは「アルファポリス社」だけ。
そして、実際に商業化した作品でも、続きが書かれずにエタっている物が散見されます。
逆に見れば、アルファポリス社刊行の作品でも、続きが無いものもある訳で。
だから「青田*刈り*」だよなぁと。中には、刈られても、それでもきちんと伸びている物もありますが。
そうやって残骸だらけにされたら、そりゃ雛プロジェクトとしては面白くない。
結果、ダイジェスト化禁止と相成ったと。メディアを作るためのリソースを出しているのだから、当然の措置と言えましょう。
今では素人による小説の投稿サイト自体が増えました。
アルファポリス社も自社の投稿サイトを持っています。KADOKAWA もカクヨムを立ち上げました。別に小説投稿専用を考えなくても、はてななど日記サイトを使う事だってできます。
こういった選択肢の多様化もあって、ダイジェスト化禁止しても問題は起きないと考えたのかもしれません。
―――――2016/06/09 追記―――――
(3)続き
青田刈りは戦国時代の戦法で「相手に損害を与える事を念頭においた物」だから、
『 本件において青田刈りであると主張するということは、アルファポリスはなろうにダメージを与えることが目的の嫌がらせとして書籍化をしているという荒唐無稽なことを主張することになります。』(感想 三矢 頼一 さん [2016年 06月 09日 02時 38分] 投稿、より転載)
と突っ込まれました。
先に書いた通り、青田買いを青田刈りと「誤用する事」を念頭に置いた記事であるため、「戦国時代の意味合い」で使用しておりません。攻撃を*目的として*書籍化している事になる、と言う突っ込みは、そもそも「私はそういうつもりの主張はしていない」事を記述しておきます。
アルファポリスが行っている青田買いは、結果として、きちんと実が成る(物語が完結する)前に、刈り取られている(1巻だけ刊行、後、エタる)と言う揶揄までです。
ただ……その結果として、戦国時代の作戦の青田刈りと同じ効果になってないか?ってのは……(^^;;……
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2019/09/10
誤字修正:鵜象無象→有象無象
なんでこんな誤変換したのだろう……