表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もっと東方寝巻巻。  作者: もっぷす
第5回
99/173

7 水道トラブルの巻。

『………』


魔「………」


『………』


魔「早く皿を渡してくれ」


『そんなに高速で洗えません』


魔「私を退屈させるとは残念な男だぜ」


『ってか、もうちょっと綺麗に拭いてね』


魔「こんなの放っときゃ乾くだろ」


『棚にしまうんだから、ちゃんと拭かないと』


魔「はあ、全く神経質なやつだな」


『汚れたお皿でご飯食べたくないでしょ?』


魔「私の皿じゃないから別にいいけどな」


『…いっつもうちで食べてんじゃん』



早「どうですか、二人きりで作業させる私の作戦は」


文「全然いい雰囲気には見えませんが」


村「私思うんだけどさぁ」


早「何ですか?」


村「二人きりでムード良くなるなら、とっくに付き合ってたんじゃない?」


早「………」


文「………」


輪「…たしかに」


早「そ、それではアレです。そう、トラブルです!」


文「はぁ?」


早「ちょっとしたトラブルで距離を縮めましょう。吊り橋効果です」


輪「具体的には何をするの?」


村「不良に絡まれてるところを助けるとか」


輪「…今できないでしょ…」


早「今から私が自然に洗面所に行ってバケツ一杯の水を汲んできます」


文「自然という語に真っ向から対立してますが」


早「それから転んだふりをして、水を魔理沙さんにぶち撒けます」


文「…聞いてないし」


早「するとまあ、魔理沙さんの服が濡れたり透けたり」


文「あの服が透けることは絶対ないと思いますよ」


早「これじゃ風邪引いちゃうんだぜ、俺が温めてやるよ、他の皆が見てるぜ、私たちは静かに見守りますんで…という作戦です」


文「まあ、ツッコミどころがたくさんありましたが、とりあえず無理ですね」


早「それでは早速水を汲んできますね」


文「聞けよ」


村「待った!」


早「どうしたんですか?」


村「ふふふ…」


早「それでは早速水を汲んできますね」


村「待ってってば!」


輪「何この茶番」


早「何ですか?」


村「私の能力をお忘れかい?」


文「太ももがエロい」


村「違う。それは第二の能力」


輪「いや、第二とか無いから」


早「口から水を出す程度の能力?」


村「妖怪か」


輪「幽霊ね」


村「正解は水難事故を起こす程度の能力でした」


早「それでは水を汲んできますね」


村「無視しないで!」


早「それが何の役に立つっていうんですか?」


村「いや、だから水を汲んでこなくても私に任せれば大丈夫って」


早「ああ、なるほど。こういう時のための能力だったんですね」


村「いや、そういうわけじゃ…」


早「エロハプニング用の能力とか、改めて聞くとショボイですね」


文「私は便利だと思いますけどね」


輪「…仕事柄でしょ」


文「仕事柄ですね」


村「とにかくちょっくら事故らせてくるわ」


輪「ほどほどにね」


村「まかせんしゃい」



スタタタタ…



村「今こそ汝の力を解き放たん! 行け、青龍丸ー!」


蛇「うあー」



バキャァ!


バッシャアアアアアァ…!



『ブフッ…!』


魔「ガボッ…!」


『ブーーーーー!』


魔「ゴボッ………」



タッタッタッ…


タッタッタッ…



『じゃ…蛇口が爆発した…』


早「地上ではああいうふうに水難事故を起こすんですか…」


文「強引ですね…」


魔「何故か一瞬で全身びしょ濡れなんだが…」


『ってか、台所がびしょ濡れなんだが…』


村「どーしたのふたりともだいじょぶー?」


『………』


魔「…なあ、こいつ殴っていい?」


『………』


魔「………」


村「………」


『とりあえず雑巾がけしようか』


村「………」


『………』


村「…うん」




………




村「私は何がしたかったんだ?」


輪「こっちが聞きたいわ」


文「床が拭きたかったんじゃないですか」


早「大体、魔理沙さんの服が透けるわけがないじゃないですか」


文「ああ、それは私が言ったやつですね。大昔に」


村「まあ、でも半分成功ってとこでしょ?」


早「どこがですか」


村「お風呂に入ったとことか」


文「まあ、『風邪引くからお風呂入ってきなよ』はアリでしたね」


早「『そういうお前だって』と言わなかった魔理沙さんはチキンですね」


輪「いや、それは夢見すぎ…」



とぼとぼ…



『………』


文「あ、片付けから戻ってきましたよ」


村「おつかれー」


『………』


輪「…いちおう私から謝っておくけど、ごめんなさいね」


『…いえ、いいんです。慣れてますから』


早「へぇ…」


村「ちょっとした遊び心だったのよ、ごめんごめん」


『………』


村「ほんと、この通り」



ばっ…



文「はっ、土下座のつもりなら額を地面にこすりつけてくださいよ」


輪「いや、あなたに謝罪してるんじゃないから…」


村「ほんっとにごめん」


『いや、別に怒ってないからいいよ…』


村「…ほんと?」


『片付けもしてくれたし…』


村「良かった…。追い出されるかと思った」


早「水道爆発させたら普通追い出しますけどね」


輪「ってか、あなたたちタメ口で話す仲だったのね…」


村「あ、ホントだ」


『あ、たしかに』


村「一輪には敬語なのに…」


『で、どうして水道を破裂させたの?』


村「いや、折角だから濡れ透けハプニングをプレゼントしようと」


『………』


村「………」


『一輪さん、船長っていつもこんな感じなんですか?』


輪「今日はちょっと、はしゃいでるんじゃないかしら」


『そうなんですかね』


村「ちょっと、子供扱いしないでよ!」


『まあ、お寺だと肩の凝ることもあるだろうし、今日くらいはっちゃけたらいいよ』


村「べつにそういうのじゃ…」


早「やりましたね! 水道壊し放題ですよ!」


『そういう意味ではない』




………




魔「上がったぜ」


早「きゃっ、な、なんで全裸なんですか!」


魔「おい、おかしな叙述トリックをやめろ。パジャマ着てるだろ」


早「ちょっとしたサービスですよ」


魔「意味がわからん」


『あれ、魔理沙、それどうしたの?』


魔「ん、これか?」


『うん、そのパジャマ』


魔「新調した。特に意味は無いが」


『黒か。魔理沙らしいね』


村「そのプリントはクマ?」


輪「ネコじゃないの?」


早「イタチですよ」


魔「そうなのか?」


『自分も知らないんかい』


魔「…まあ」


早「ひと昔前に流行った、イタチの『板っち』です」


文「イタチってこんなでしたっけ?」


村「顔が長方形なんだけど」


早「仕様です」


輪「顔に木目があるんだけど」


早「仕様です」


文「額に『板』と書いてありますが」


早「仕様です」




『…これって…』




早「これがホントの痛Tです!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ