6 おかわりだの巻。
『俺は背丈の話だと思ったの』
早「ああ、なるほど」
魔「さて、どうだか」
『いやいや、そこは信じてよ』
魔「とりあえずおかわりな」
『…うん』
すたすた
早「いやあ、160と言われたときは何事かと思いました」
輪「…ふつうに考えたらわかると思うけど」
文「彼って巨乳好きなんですか?」
魔「…なんで私に聞くんだよ」
文「知ってるかなぁ、と思いまして」
魔「知らないな。たぶん巨乳派ではないだろうが」
早「そうなんですか?」
魔「ああ、あいつのやってるギャルゲーのセーブデータから分析した」
文「………」
早「ストーカーじゃないですか」
魔「ち、違うって。ちょっと気になっただけでだな」
村「恋する乙女はストーカー」
早「レミリアストーカー(笑)」
文「ミラクルフルーツ(笑)」
輪「なるほど」
魔「いや、ストーカーとかじゃないっての…」
すたすた
『魔理沙ー、はい』
魔「ああ。ありがとう」
『ふりかけいる?』
魔「お、気が利くな」
『まあね』
村「つんつん」
『…つんつん、って…』
村「そんなことよりさぁ」
『はい』
村「やっぱりおっきい方がいいの?」
輪「…こら」
『おっきい方がいい?』
早「おっぱいですよ」
『…ぶっ』
文「どうかしました?」
『いや、どうもこうも、いきなりそんな…』
村「いや、かねてから気になってたもんで」
早「男の人ってみんな巨乳好きなんですよね?」
文「ふむ、言われてみるとそんなイメージはなくもないですね」
魔「………」
『…俺に聞かれても知りませんよ』
村「いや、個人的にはどうなのよ」
『知らない知らない知らない知らない』
文「照れすぎですよ、おっぱいひとつで」
早「ふたつで一組ですけどね」
輪「たしかに」
村「おっぱいはいつもふたつ!」
『とりあえず食事中なんでそういう話はあとで』
村「あ、言ったね。あとならいいんだね。あとで聞くからね」
『はいはい』
村「んじゃ、おかわり」
輪「三杯目はそっと出しなさいね」
村「うん。今度からそうする」
輪「今からしなさいよ…」
文「あ、私もおかわりします」
『あ、はい』
すたすた
早「うむむ、みなさんやりますね」
村「私はまだまだいけるかな」
魔「私もまだ食べられるな」
文「私も同じく」
輪「私は一杯で充分だけど」
早「じゃあ私もまだいきますよ」
輪「え、私は無視なの?」
すたすた
『はい、船長、文さん』
村「ありがと」
文「どうも」
早「おかわり!」
『…あ、はい』
すたすた
魔「これで全員タイか」
輪「え、私は全員に入らないの?」
村「ふっ、しかし食欲の魔王こと、みなみっちゃんには勝てるまい」
早「甘いですね。現人神である私に勝てると思ってるのかしら」
文「私だって幻想郷最速の名はダテじゃありません」
輪「後半二人は食事と関係ないわね」
すたすた
『はい、早苗さん』
早「サンクス」
『一輪さんはどうですか?』
輪「あ、私は大丈夫よ」
『そうですか。食べたかったら遠慮なく』
輪「ありがとう」
魔「そろそろおかずがなくなってきたな」
『みんながこんなに食べると思わなかったからね』
村「追加オーダーは可?」
『簡単なものなら』
村「じゃあサバ味噌を」
『カ・ン・タ・ン・な・も・の!』
輪「しかも魚じゃないの」
『納豆なら』
村「んじゃ、それで」
文「私も何か」
『漬け物とか梅干しとかならまあ』
文「じゃあ、それで」
早「私もトリュフかキャビアを」
『自分で採ってきてください』
早「じゃあ、目玉焼きで」
『…それならいいですけど』
すたすた
魔「んぐんぐ」
村「がつがつ」
文「ぱくぱく」
早「もぐもぐ」
輪「なんで大食い競争になってるわけ?」
魔「人間には負けられない時ってのがあるもんだぜ」
村「船幽霊にも」
文「天狗にも」
早「巫女にも」
輪「…ふうん」
村「尼にはそれが無いのかっ!」
輪「しいていうなら食欲に負けないようにすべきかしらね」
村「ふむ。耳が痛いですなあ。しかし!」
魔「腹がッ」
早「満たされるまで」
文「食べるのを」
村「やめないッ!」
輪「…なんでそんなに仲いいの?」
すたすた
『はい、納豆と漬け物と目玉焼きです』
村「ありがと」
文「どうも」
早「ゴチです」
『一輪さんは何か追加されます?』
輪「いえ、私はいいわ。食欲には負けるまい」
『一輪さんは真面目ですねえ』
輪「このメンツだからそう感じるのよ」
『…そう、なんですかね?』
輪「食後のお茶もらってもいい?」
『あ、はい。わかりました』
魔「あ、待った」
『ん、何?』
魔「その前に」
『その前に?』
魔「おかわり!」
村「おかわり!」
文「おかわり!」
早「おかわり!」
『…エンゲル係数ェ…』
………
魔「ふぅ。満腹だぜ」
『そうでしょうなー』
村「お腹、はち切れそう」
早「私もお腹が出てしまった気がします」
文「もともと出てたんじゃないですか?」
早「何か言いました?」
文「あ、いえ、別に」
魔「さて、食後は何をしたものか」
『俺は片付けをするよ』
輪「手伝う?」
『いえ、すぐ終わりますから』
早「あ!」
文「なんですか、突然」
早「名案を思い付きました」
村「え、何なに?」
『っていうか何の名案ですか?』
早「みんなで協力して片付けをするんです」
魔「すばらしい迷案だな」
文「私はそんな面倒なことはごめんですよ」
村「はたらきたくなーい」
輪「ほんとにこの人たちは…」
早「共同作業によって二人の距離を縮めるんですよ!」
文「私は食器を下げます」
輪「私は机を拭きます」
村「私は部屋を片づけます」
早「私は調味料をしまいますから、皿洗いと、魔理沙さんはお皿拭きをお願いします」
『え、何でみんな態度変わったの?』
魔「なんだよ面倒だな」
早「いいからやるんですよ!」
『わ、わかりました』
魔「…しかたないな」
早「それじゃあ、早速二人仲良く作業に取りかかってください」
魔「何だよ、仲良くって」
『あ』
早「何ですか?」
『ひとつだけいいですか?』
早「はい、どうぞ」
『あのですね』
早「なんでしょうか」
『船長には大人しくしといてほしい』
村「…あさろうと思ったのに…」




