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もっと東方寝巻巻。  作者: もっぷす
第4回
80/173

7 よこどりする

天「ねえ」


『ん?』


天「たしかに私にも非があったかもしれないけどさ」


『…他の誰に非があるのさ』


天「なんか私にだけ当たり強くない?」


『…んー、仕方ないと思うな』


天「何、差別なの?」


衣「まあ、いいじゃないですか。今晩は無礼講で」


魔「そうだな」


輝「いいわね」


フ「おにくおいしい」


天「私の味方はいないんだ…」


フ「ねえ魔理沙、これは何?」


魔「普通の野菜スープじゃないか」


フ「ふーん。咲夜のとはちがうのね」


魔「どこが違うんだ?」


フ「咲夜のはコガネ色にかがやいてたわ」


魔「へえ。さすが咲夜だな」


『おいしいんだろうな』


衣「このスープも、とってもおいしいですよ」


『あ、ありがとうございます』


魔「そういえば、マヨネーズはどこだ?」


『え、何にかけるの?』


魔「もちろん唐揚げにだぜ」


『…カロリーとか高そうだよね』


魔「う…まあ…な」


『とりあえず持ってくるけど、かけすぎないようにね』



すたすた



すたすた



『はい』


魔「サンキュー」


輝「あ、ちなみに」


『え、なんですか?』


輝「私はご飯に、さくらでんぶをかける派閥なんだけど」


『…無いです』


天「あ! そういえば、私、お酒持ってきてたのよ!」


衣「っえぇえっ!?」


天「…何よ。ってか、ご飯粒飛んできたんだけど…」


衣「そそそそんな礼儀、どこで覚えたんですか?」


天「…私のことを何だと思ってるのかしら…」


魔「で、どんな酒なんだ?」


天「ふっふっふ。あんた達が飲んだことないくらいの上物よ」


輝「それはいいわね。早速頂きましょ」


フ「おさけー」


魔「フランはやめておこうな」


フ「私ものみたい」


魔「別においしくないぜ」


フ「いいの。わたしものむ」


『フランちゃん、よく冷えたやつがあるよ』


フ「ほんと? おさけ?」


『うん。ちょっと待っててね』



すたすた



すたすた



『はい』


フ「わーい。ありがとう」


魔「…お…」


『何?』


魔「…お前…いつの間にそんなものを調達したんだ…」


『子供のビールのこと?』


魔「ああ」


『…まあ、咲夜さんがフラグ立てたから…』


魔「お前の用意のよさは見直したぜ」


輝「じゃ、早速酒宴といきますか」


衣「そうですね」


フ「わたしがカンパイって言う!」


『燗は?』


魔「とりあえず飲もうぜ」


天「あっためなくても、おいしいらしいわよ」


『…ウワサか』


衣「あの、お酒ついでおきましたからね」


『え、おお…衣玖さんマジ女神…』


魔「………」


フ「もう言っていい?」


『あ、うん、どうぞ』



フ「じゃあ、カンパーイ!」



「「「カンパーイ」」」



魔「おお、これは」


輝「いいわね」


『こんなの初めて飲んだよ』


天「ふふん。でしょ?」


衣「おいしいですね」


フ「ほんと、おいしいわ」


魔「唐揚げがよく合うぜ」


『あ、みんな、唐揚げ以外も食べてね』


魔「………」


天「………」


『だから唐揚げばっかり食べないでってば!』


魔「やっぱ肉だよな」


天「な」


『な、じゃないよホントに』


輝「ちゃんと野菜も食べないと、キレイになれないわよ」


衣「そうですよ。サラダもこんなにおいしいのに」


『この二人が言うと説得力あるな…』


フ「わたしもちゃんと食べてるよ」


『うんうん、偉いね』


魔「マヨネーズは野菜に入らないのか?」


『…かすりもしてないね』


輝「あ」


魔「なんだ?」


輝「くしゃみ出そう…」


魔「そうか。頑張れよ」


『…その返答はおかしいよね』


輝「ふぁ…ふぁ…」


天「………」


衣「…なんで緊張してるんですか」


天「…いや、なんか」


輝「ふぁっ…!」


『………』

魔「………」

天「………」

衣「………」

フ「もぐもぐ」


輝「………」


『え…終わったんですか?』


輝「不発だった」


『…ああ、そうでしたか』


魔「…なんでみんな緊張したんだろうな」


衣「すごい一体感でしたね」


天「一体感って…」


フ「ねえねえ」


『フランちゃん、どうしたの?』


フ「それとって」


『これ?』


フ「うん」


『はいどーぞ』


フ「あーん」


『…食べさせなアカンのかい』


魔「おい、あんまり調子に乗るんじゃないぜ」


『いや、わかってるけどさ…』


フ「あーん!」


『ああ、はいはい』


フ「あーーーー…」


魔「………」


『はいはい、あーん』


フ「あーん…」



ぱくっ!!



フ「!!」

輝「!!」

天「!!」

衣「!!」



魔「…もぐもぐ…」



『…え…っと…』


フ「ま…魔理沙が…魔理沙が…」


『あ…フランちゃん…泣か…』


フ「魔理沙がわたしのとったぁぁぁぁぁ! うわぁぁぁぁぁん!」


『ちょ…魔理沙、何してんのさ』


魔「お前が鼻の下を伸ばしてたからだな」


『伸ばしてないよ!』


魔「幻想郷の風紀を守るために仕方なかったんだ…多分」


『もー、フランちゃん泣いちゃったじゃん』


フ「びぇぇぇぇぇ!」


魔「…うん。お前が悪い」


『…衣玖さん、こういうのどう思います?』


衣「…え…あ…う…」


『…どうして目を逸らすんですか』


フ「びぇぇぇぇぇ!」


魔「泣くなよ…私が食べさせてやるから」


天「あ、わかった! ジェラシーね!」


魔「…は?」


天「こんなチビっこい子に妬いたのね!」


『ああ…わけわかんないこと言い出したよ…』


天「ふーん。好きなんだー!」


魔「何を言ってるんだか…」


天「あーんってしてほしかったんだー!」


魔「そんな訳ないだろ」


フ「びぇぇぇぇぇ!」


天「じゃあ何で横取りしたのよ!」


魔「だから風紀を守るためだっての!」


天「絶対違うわ! 好きなのよ!」


魔「そんな訳あるか!」


天「へー! ふーん! そうかそうか、好きなのかー!」


魔「違うって言ってるだろ! このっ…!」



ぽいっ



天「きゃっ!」


『こらこら、おしぼりを投げないの』


天「そっちがその気なら…!」



ぽいっ



魔「くっ…お前!」


『ちょ…やめ、やめなさい』


天「あんたが先に投げたんでしょ!」


魔「お前が変なこと言うからだ!」


『ちょ、輝夜さんも何か言ってやっ…あれいない?』



ぴこぴこ



輝「ふんふーん♪」



『いつの間にかゲームしてるし!』


フ「びぇぇぇぇぇ!」


『ああ…フランちゃん、もう泣かないで…』


天「アツいわねー、ヒューヒュー!」


魔「そんなんじゃないって言ってるだろ!」


『ケンカしないで、ほら、ね?』


衣「…青春、ですか。私にも青春時代がありました。昔はいろいろな無茶をしたものです。懐かしいですね…」


『…何言ってるんですか?』


輝「ふんふふふーん」


『あの、輝夜さん、力を貸して下さいよ…』


フ「びぇぇぇぇぇ!」


『…フランちゃん、まだ唐揚げはあるから…』


天「仲良しこよしー!」


魔「誰がこんなのと仲良しなもんか!」


『…こんなのって…』


衣「…例えば、深夜に学校の窓ガラスを残らず叩き割ったり…」


『…それ、話盛ってますよね?』


輝「ああっ、こら、エラーしてる場合じゃないでしょ!」


『いや、ゲームしてる場合じゃないでしょ…』


天「キスしなさいよ、キス!」


魔「するか、そんなこと!」


『…ケンカ…やめて…』


フ「びぇぇぇぇぇ!」


天「ぎゃあぎゃあ」


魔「ぎゃあぎゃあ」


衣「若さとは食欲なのかもしれません」


輝「ふふふふーん」




『………』




『…助けてママン』

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