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もっと東方寝巻巻。  作者: もっぷす
第3回
64/173

14 おまじない

ナ「お子様だな」


レ「うるさい」


魔「そういえば、物凄く参加したがってたもんな」


レ「したがってない」


魔「『何か面白いイベントはないかしら。パジャマパーティーとか、パジャマパーティーとか、パジャマパーティーとか』って」


レ「な…何のことかしら?」


橋「そんなに来たかったの?」


レ「ししし知らないわよ」


咲「今日の昼の、お嬢様のはしゃぎようったら…」


レ「もう言うな!!」


魔「来られてよかったな」


レ「ほっとけ!」


咲「でも、今日のこと、フランドールお嬢様には秘密ですよ?」


レ「わかってるわよ」


魔「そういえば、フランは連れて来なかったな」


レ「ギャグマンガみたいに一日で家が元通りになるなら、連れて来たわ」


『…なりませんね』


ナ「家を壊すのかい?」


橋「すごい」


魔「さすがにそんなことはしないだろ」


レ「多分ね。絶対とは言えないから」


咲「とにかく、絶対に秘密ですからね」


レ「ええ。バレたら、うちがギャグマンガになるわ」


咲「絶対に、ぜぇーったいに秘密ですよ」


魔「どれだけ念を押すんだよ」


『………』


レ「それで…ふぁ…何の話だっけ」


橋「あくび」


ナ「眠いんじゃないかい?」


レ「眠くないわよ。はい、何の話だっけ?」


魔「…ふぁ…聖書の話だな」


『この中で罪を犯したことのない者が、この女に石を投げ…』


レ「ぎぉえー! 聖書の話をするな!」


咲「すごい声出ましたね」


レ「はい…次、次」


『最近、うちの近くに綺麗な花が咲いたんですよ』


レ「はいキモい。次」


『…泣いていい?』


ナ「もう話すことなんてないよ」


『…あ、しかも俺無視なんだ』


レ「…ふぁ…なんか頑張って話しなさいよ」


咲「うーん…何かあったかしら…」


橋「私は思い浮かばない」


咲「…何か面白い話題…」


『…ふぁ…』


レ「はい、そこあくびしない」


『あ、すみません。眠くて』


ナ「ふぁ…私も眠くなってきた」


レ「あなたたち…ふぁ…今日はオールナイトって言ったでしょ」



すぅすぅ



ナ「そんなこと言われても」


橋「眠い」


レ「かーっ、咲夜、何か言ってやって」


咲「寝ませんか?」


レ「そうよ、寝…え?」



すぅすぅ



咲「お嬢様も眠そうですよ?」


レ「私は…別に…」


橋「というか、さっきから寝息が聞こえるんだけど」


ナ「私じゃないよ」


『俺でもないよ』


レ「私も違うわ」


咲「私でもありません」



すぅすぅ



『ということは…』


橋「魔法使い」


ナ「本当だ」


魔「…すぅ…すぅ…」


橋「かわいい寝顔して…豆があったら鼻に詰めてるわ」


『…ダメだよ』


レ「寝るなんて…起こしてやるわ」


咲「あ、お嬢様」


レ「…何よ」


咲「寝かせておいてあげましょう」


レ「………はぁ。仕方ないわね」


『それじゃ、俺たちもそろそろ寝ませんか?』


レ「えー…うーん…でも、話すこともないか…」


ナ「そうと決まれば早速」


橋「おやすみ」


『おやすみなさい』


咲「おやすみなさい」


レ「…はぁ…仕方ないわね。おやすみ」


魔「…すぅ…すぅ…」





………





魔「…すぅ…すぅ…」


橋「…すぅ…すぅ…」


ナ「…すぅ…すぅ…」


咲「…すぅ…すぅ…」


『…すぅ…すぅ…』



ぱたん





………





レ「………」


『眠れないんですか?』


レ「夜は目が冴えるのよ」


『…あくびしてたくせに…』


レ「パチェもこの月を見ているかしら」


『…絶対に見てないと思います』


レ「それより、今日は楽しかったわ」


『楽しんで頂けてうれしいです』


レ「ええ、咲夜も楽しそうだったわ」


『…そうでしょうか?』


レ「あんな表情はなかなか見られないもの」


『俺のこと、嫌ってると思うんですけど』


レ「あら、そうでもないわよ」


『いえいえ…そうとは思えませんが…』


レ「本当に嫌いなら、口も利かないもの」


『そうですかね』


レ「ええ。あれも咲夜の一つの顔、私には見せない、ね」


『うーん…』


レ「あの子は、優秀よ」


『そうですね。それはひしひしと感じます』


レ「だから、貴方に見せるような顔を、私には見せない」


『ふむ…』


レ「少しだけ、そんな咲夜を引き出せる貴方がうらやましくもあるわ」


『…え…』


レ「…くすっ。何を言ってるのかしらね、私は」


『………』


レ「今のは忘れて頂戴」


『…わかりました』


レ「………」


『………』


レ「ねぇ」


『はい?』


レ「どうするつもり?」


『え?』


レ「咲夜は、貴方に会ってから少し変わったわ」


『…そうなんですか?』


レ「ええ。もしかしたら…」


『もしかしたら?』


レ「咲夜は貴方を想っているのかも知れない」


『…!?』


レ「もしそうなら、貴方は彼女の気持ちを受け止める覚悟はあるの?」


『いや、ちょっと待ってください。絶対にそれはないです』


レ「そうかしら」


『はい。絶対に』


レ「時々ね、夜、彼女はこっそり神社に行ってるみたいなのよ」


『…はい』


レ「こういうこと、貴方に言っていいのかわからないけど…」


『…はい』


レ「ある時、私は何のために神社に行くのかを尋ねた」


『…はい』


レ「そしたら、はにかみながら、『おまじないです』だって」


『…おまじない?』


レ「貴方への、ね。恋のおまじないかしら?」


『………』


レ「それで、貴方に想いをかけていると感じた。そのおまじないの名前はね…」


『………』






レ「丑の刻参り」





『…かけてるのは呪いですね…』

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