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もっと東方寝巻巻。  作者: もっぷす
第3回
62/173

12 お仕置を

ひそ…


橋「失礼。情事と聞いて取り乱したわ」


ひそ…


魔「…誰も言ってないけどな」


ひそ…


橋「エロスかと思って」


ひそ…


レ「…違うわよ」


ひそ…


ナ「違うのか。なんだつまらない」


ひそ…


咲「あれ? 今みんな、何の話してるのよ?」


ひそ…


レ「とにかく、アレだけではマゾヒストかどうか分からないわ」


ひそ…


橋「普通の人間は妖怪には逆らえないものね」


ひそ…


ナ「ならば私が試してこよう」


ひそ…


魔「あ…おい…!」



すたすた



『あ、ナズ、どうしたの?』


ナ「ちょっとそこに座ってごらん」


『…え?』


ナ「いいから」


『あ…はい…』


ナ「正座だよ、正座」


『え…あ、はい…』


ナ「君は、実に顔が悪いね」


『え…』


ナ「何か、それをカバーできる特技はあるのかい?」


『…あ…ありません』


ナ「ふっ。やっぱりか」


『…すみません』


ナ「君はダメな子だ」


『…すみません』


ナ「のろまだし」


『…すみません』


ナ「こんなに私を困らせて…本当に悪い子だ」


『………』



そっ…



ナ「君みたいな悪い子には、お仕置きが必要だね」



『…っ』


ナ「これだけ言われて反論の一つもないのかい?」


『…あ…ありません』


ナ「実はもっと罵られたいんじゃないのかい?」


『…違います』


ナ「いいや、きっとそうだ。君はマゾヒストなんだ」


『…違う…と…思います』


ナ「絶対に違うと言えるのかい?」


『…た…たぶん…』


ナ「お仕置き、してほしいんじゃないのかい?」


『…く…』



そっ…



ナ「君はどうしようもないマゾヒストのようだ」



『…っ』


ナ「ほら、お仕置きをしてあげよう」


『…はい…』


ナ「とりあえずズボンを脱い…」



スパーン!



魔「やめんか」


ナ「あいたっ…」


橋「脱がせてあげる」


『いや、ちょっと!』


咲「…あなたもやめなさいよ」


橋「冗談よ、ワニさん」


魔「まったく…何をやってるんだか…」


『…ごめん。雰囲気に流された』


レ「あれじゃあ、気弱かマゾヒストかわからないわ」


『…マゾヒストじゃないです』


魔「よし。じゃあ、こんな質問をしよう」


『なに?』


魔「ここに、知らないおっさんと、幽香とがいるとする」


『…え? …はあ…』


魔「前者の抱擁と、後者の足蹴ではどちらの方がいいか」


『!?』


魔「どっちだ?」


『くっ…俺は自ら足蹴を望もうとしているというのか…』


魔「じゃあマゾヒストだな」


『…はい、俺はマゾヒストです』


レ「…いや、ハグと足蹴とを比べたんじゃないでしょ」


咲「野獣と美女の比較ですわ」


橋「こんな質問じゃ参考にならないわよ」


ナ「まったくだな」


魔「これじゃあダメなのか?」


『…よかった…俺はマゾヒストじゃないんだ…』


魔「じゃあどうやって調べるんだよ?」


咲「そもそも、マゾヒストかどうかなんて興味ないんだけど」


橋「確かに」


レ「…身も蓋も無いわね」


魔「じゃあガールズトークの続きに戻るか」


『あのー…ちょっと待って…』


魔「なんだ?」


『できれば…できればでいいんだけど…』


魔「うん」


『俺も参加できるやつがいいな…』


魔「えー…別にお前と話したくない…」


『…なんか…さっきから魔理沙冷たくない?』


魔「いつも通りだと思うけどな」


『…何か怒ってる?』


魔「いや、別に」


レ「仲間外れはかわいそうだし、皆でおしゃべりにしましょう」


橋「そうね、仕方ないわ」


ナ「まあ、それもいいだろう」


咲「えー」


『…咲夜さん、俺のこと嫌いですか?』





咲「べーっ、だ」




『…もうやだ…』





………





魔「とりあえず寝る準備をして話すか」


『洗面所狭いから、順番に使ってね』


ナ「じゃあ、私が最初に使おう」



とたとた



咲「お嬢様、布団はどこに敷きましょうか?」


レ「そうね、窓側がいいわ」


咲「承知しました」



とさっ



魔「じゃあ私はここ」



どさっ



橋「私、布団持って来なかったんだけど」


『ああ、じゃあ俺のを貸すよ』


橋「え…ああ…うれしいわぁ…」


『…その不快感を全面にたたえた顔で言わないで』


橋「だって、くさいんでしょ」


『…みんなそう言うんだね』


橋「汗くさそう」


『一応、消臭はしてるから』


橋「じゃあありがたく借りるわ」


『了解。どこに敷く?』


橋「そこ」


『はい』



とさっ



ナ「洗面所、使い終わったよ」


魔「次は私が使うぜ」



とたとた



ナ「お、みんな布団を敷いたのか」


『ナズは布団持ってきてたよね』


ナ「うん。私はここに敷こう」



とさっ



『咲夜さんはどうするんですか?』


咲「ソファでも借りようかしら」


レ「え、この布団で寝ればいいじゃない」


咲「しかし…いいのですか?」


レ「そんなこと、遠慮する必要ないわよ」


咲「私、ワニですよ?」


レ「いいわよ」


咲「かさばりますよ?」


レ「いいわよ」


咲「汗かいてますよ?」


レ「いいわよ」


咲「それではお言葉に甘えて」


魔「終わったぜ、次の人ー」


レ「じゃあ私が使うわ」



てちてち



『あ、魔理沙、着替えたんだね』


魔「ああ、着替えたぜ」


『似合ってるよ』


魔「おいおい、3回目だぜ」


『パジャマパーティーだから、パジャマへのコメントを欠かす訳にはいかない』


魔「…そうか」





橋「イチャつくな! ラブいわ!」




『…だからそういうのじゃないって』

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