1 人生辛いことも
ねんがんの だいさんぶに とつにゅうしたぞ!
魔「なあなあ」
『ん?』
魔「またパジャマパーティーしていいか?」
『…もう諦めたよ。いいよ、楽しければ何でも』
魔「悪いな。何か食材は持って来るから」
『それは助かる』
魔「他の人からも参加料として徴収しよう」
『こっちが招待してるんじゃないの?』
魔「いや、結構参加の申し込みが来てる」
『え、どうして?』
魔「文が記事に取り上げたんだ」
『…嫌な予感しかしないけど、どんな内容?』
魔「男女入り乱れてアレする、なんとかパーティー、って」
『最悪だ!』
魔「そしたら…」
『そしたら?』
魔「参加希望者が激増した」
『そんな欲求不満な幻想郷やだ!』
魔「ところで、なんとかパーティーってどういう意味だ?」
『…ししし知らない』
魔「そうか、知らないか」
『うん、知らない』
魔「とにかく、明後日にパーティーをする予定だ」
『新聞を見て参加を決めた人は、連れて来ないでね』
魔「…?」
『連れて来ないでね』
魔「まあ、よくわからんが、準備は頼んだぜ」
『わかった』
…
……
………
『…今日は誰が来るんだろう…不安でいっぱいだ…』
ピーーン ポーーン
『お、誰か来た』
ピーーンポーーン
『はいはーい』
ピーンポーン
ピーンポーン
ピンポン
ピンポン
ピポピポ
ピピピピピpppppppppppppppp…
『…ポ○キーのCMか』
ガチャ
橋「あ、何一つ妬ましいところがない人」
『………』
橋「お邪魔します」
とことこ
『…俺は早くも心が折れたよ、パルスィ…』
橋「食材」
『え…あ、おお、ありがとう』
橋「それと美味しいケチャップ」
『え…いいの?』
橋「高い物じゃないけど」
『や、でも、うん、ありがとう』
橋「あと、クッキー焼いてきた」
ガサガサ
橋「はい」
『え、いや、ひとかけ取り出されても…』
橋「口開けて」
『…え…』
橋「何よ」
『え…いや…そんな…初っ端からサービスシーンですか…』
橋「何ニヤニヤしてんの。食べるの? 食べないの?」
『…じゃあ…いただきます』
ぱくっ
『…えへへ…ひあわへ…』
しゃくしゃく
橋「世の中そんなに甘くないわよ?」
しゃくしゃく
『?』
しゃくしゃく
橋「クッキーもね」
しゃく…
『………』
橋「………」
『!!』
橋「お味はどう?」
『かあい!』
橋「ふふ…唐辛子たっぷりよ」
『かあい! 口がひいひいすゆ!』
橋「はい、飲み物」
『はんきゅー!』
プシッ
ごきゅご…
橋「サイダーだけど」
『――っ!!!』
………
『………』
橋「何、アホ面こいてるのよ」
『………』
橋「口閉じたら?」
『…口の反乱をしじゅめてゆよ』
橋「あなたと赤ちゃんプレイするつもりはないんだけど」
『…こいちゅ…』
橋「他の人は?」
『まだ来てにゃいよ』
橋「いつ来るの?」
『うーん…わかやにゃいなあ』
橋「じゃあ暇を潰すもの貸して」
『うん』
とたとた
とたとた
がさごそ
『はい』
橋「ゲームね。ありがとう」
てーんてん
『…はぁ…口痛い…』
橋「………」
『…ご飯支度でもするかな』
ピーンポーン
『あ、はーい、誰ですかー?』
「私だぜー。開けてくれー」
『はいはー…いや、ちょっと待てよ』
「何だよ、早く開けてくれ」
『名を名乗りなさい』
「…わかるだろ。霧雨魔理沙だぜ」
『いや、偽物かもしれない』
「…は?」
『貴様、本当に魔理沙なのか?』
「当たり前だろ…」
『証拠は?』
「見ればわかるな」
『そう言ってドアを開けさせようとしているな?』
「本物だからな」
『本物なら、合言葉を知っているはずだ』
「…決めてないな」
『合言葉は?』
「うーん…パジャマパーティー?」
『ブブー、違いまーす』
「いいから早く開けてくれ」
『本物なら、俺の長所が言えるはず』
「ドM」
『…長所じゃない』
「もう満足だろ。開けてくれ」
『本物なら、俺の好きなものがわかるはず』
「…まだやるのか」
『これ最後だから』
「うーん…」
『………』
「イヌミミ、だな」
『………』
「………」
『………』
「………」
『………』
「………」
ガチャ
『…正解です』
魔「…お前、プライドとか無いのか?」




