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もっと東方寝巻巻。  作者: もっぷす
第2回
50/173

義理5

ぬ「えっ?」

ガチャ




ぬ「おーす。おまえの大好きな小傘ちゃんだよ」


『何言ってんの冷やかしなら帰ってくれる?』


ぬ「まあ、そう言いなさんな。喜ぶと思って言ってやったんだからさ」


『全ッ然嬉しくないんスけどぬぇ!』


ぬ「で、小傘は来た?」


『来ないよ』


ぬ「ま、そうだろうな」


『うむ』


ぬ「そんなにがっかりすんなよー。知らないんだからさ」


『ガッカリしてないけど、知らないって何が?』


ぬ「バレンタインっていうイベント自体を」


『まあ、そうだろうね』


ぬ「ま、知ってても来ないと思うケド」


『………』


ぬ「とりあえず窓割っていい?」


『いみがわからないよ』


ぬ「おまえさぁ、ちゃんとアプローチしてる?」


『してないよ』


ぬ「しろよ」


『…めっちゃ上から来ますね』


ぬ「嫌われてもいいからさ、とりあえず親しくなんなよ」


『いや、嫌われたら困るんスけど…』


ぬ「早くしないととられるよ?」


『誰に?』


ぬ「それは知らん」


『なんでぃ。誰かいるのかと思った』


ぬ「ま、でも人里とか行くようになったし、ありえなくはないね」


『…そなの?』


ぬ「てかもうすでに、ってこともありえる」


『…やんぬるかな』


ぬ「なんか対策とか立てといたほうがいいだろうね」


『対策かぁ…』


ぬ「うん。ほら、小傘ってかわいいじゃん」


『うん』


ぬ「うわ、『うん』だって…キモ…」


『う、うるさいよ! ぬえが言ったんでしょ!』


ぬ「ま、とにかく、あの子はぜったい恋愛事にはウトいから、わざとらしいくらいアピールしとくべきだな」


『とにかく~、じゃなくて、キモッとか言うのやめてよ。傷つくから』


ぬ「傷つくのを恐れてたら何も変えられないぞ」


『傷ついたんじゃなくて、傷つけられたんですけどね』


ぬ「こまけぇこたぁいいんだよ」


『よくないもん』


ぬ「で、傷つきたいの? 傷つきたくないの?」


『それは…うーん…』


ぬ「ほらほら、どっちなのさ」


『そりゃあ…傷は…つきたくない』


ぬ「…へえ、意外。おまえってそういう奴だったんだ」


『…どういうやつだと思ってたの?』


ぬ「小傘のためなら、ぐらい言ってくれると思ってた」


『それは買いかぶりすぎだよ』


ぬ「ああ、今わかった。おまえは腰抜けだって」


『うん』


ぬ「………」


『………』


ぬ「なーんて、冗談冗談。そんな辛気臭い顔すんなよ」


『………』


ぬ「今日はちょっとした知らせがあってね」


『ん、何?』


ぬ「おまえさ、明日ひま?」


『うん、暇だけど』


ぬ「じゃあ、明日命蓮寺に集合ね」


『なんで?』


ぬ「夜になったら小傘んとこ行こうぜ」


『何しに?』


ぬ「からかいに」


『何で?』


ぬ「おまえのためだろうが」


『え、いや、いいよ。邪魔しちゃ悪いし』


ぬ「かぁー、おまえはそういうのがダメ」


『そう言われましても』


ぬ「よし、いいか目をつぶれ」


『え、なに?』


ぬ「ちょっと想像してみな」


『うん』


ぬ「人を驚かせようと墓で待ってる小傘」


『うん』


ぬ「でも、今日も人を驚かせることは出来ていない」


『うん』


ぬ「私ってやっぱりダメなのかな、才能ないのかな、とか悩んでる」


『うん』


ぬ「そんなときに仲のいいおまえが遊びに行ってやる」


『うん』


ぬ「すると、駆け寄ってくる小傘の満面の笑み!」


『………』


ぬ「小傘スマイル!」


『………』


ぬ「………」


『………』


ぬ「………」


『………』


ぬ「…めっちゃニヤけてるけど」


『…ニヤけてないと思うよ』


ぬ「いや、すっげぇ嬉しそうだったから」


『小傘ちゃんがでしょ?』


ぬ「それはおまえの妄想だっての」


『…こほん』


ぬ「で、行くの? 行かないの?」


『行く』


ぬ「素直でよろしい。ま、おまえの妄想通りに行くかは知らんけどね」


『それはわかってるよ』


ぬ「そかそか」


『うん』


ぬ「いつか結ばれるといいな」


『うん…って、いや、別に好きとか言ってないし』


ぬ「…強情な奴」


『ぬえの早とちりだってば』


ぬ「ま、いいや。とりあえず頑張っときな」


『いや…別に…うん…まあ、はい…ありがとう…』


ぬ「じゃ、帰るわ」


『え、それだけ?』


ぬ「なに? 他になんかあんの?」


『いや、まあ、あるというか、なんというか』


ぬ「あ、ああ、何? 欲しいの?」


『いや、その…まあ、アレだよね…』


ぬ「………」


『………』


ぬ「…ま、いいわ」


『…何が?』


ぬ「こないだ世話になったしね。やらないこともない」


『…え?』


ぬ「ほらよ。ありがたく食べることね。じゃ」



すぃ~っ



『ああ、ちょ、ぬえ、ありがとー!』




『行ってしまった…』




『うん、これチョコか?』




『…ぬえってけっこういい子だよな…』




『そんじゃありがたく、いただきます』



パクッ



『………』




『オファ!』




『………』




『………』






『中に泥入ってやがる…』

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