魔理沙と蒲団と寢卷會、の卷。
「1 パシって」のアレンジバージョンです。意味はわかりません。
魔「なあ」
『何だい』
魔「まう一遍、寢卷會をしやうと思ふ」
『はは、冗談だらう』
魔「わかつた。では取り止めにしやう」
『何、止めると言つたか』
魔「中止と伝へて來る」
『本当に止めるのかい』
魔「氣分では無いのだらう。仕方有るまい」
『さう云ふ訳でも無いのだ』
魔「判然とせぬ奴め」
『予定日は何時だい』
魔「明日の夕方、此の家で開く」
『誰が來るのだらうか』
魔「大勢呼ばう」
『大勢では都合の惡い事も有ると思ふよ』
魔「然らば私と二人きりで開かう」
『其れは生肉の裝甲を纏ひて、獅子の檻に入るが如く危險である』
魔「お前に私を襲ふ度胸が有るか」
『うゝむ』
魔「前度より人數は減す積りだ。ではな」
『待ち給へ』
魔「何だ」
『物を頼むに当りて相應しい態度を示すべし』
魔「ふむ」
『だうする』
魔「脱げと云ふ事か」
『さうでは無い』
魔「うゝむ」
『判らぬか』
魔「おねがい」
『吾に任すべし』
魔「宜しく頼む。では、また明日」
…
……
………
『吾は少々女子に甘過ぎるやうだ』
魔「私の魅力の所爲だ。お前は氣にせずとも良い」
『所で、今日は一体誰が來るのか』
魔「咲夜などが來る」
『其れは嘘だらう』
魔「さうだ。嘘だ」
『動搖したぞ』
魔「パツリーを呼ぶ事が出來た」
『本当か』
魔「あゝ」
『歩く百科事典と評判の彼女が來るのか』
魔「はゝ、近所の賢い子供か」
『覺え違ひだつたか』
魔「覺え違ひだな。因みに、後で迎へに行く予定だ」
『さうか。ところで』
魔「小惡魔は呼んでゐない」
『尋ねる前に答へないでくれ』
魔「他に呼びたい奴はゐるか」
『こ』
魔「咲夜を誘はう」
『吾を無視するか。抑、彼女が來る筈が無い』
魔「お前が洋服を捲るから嫌れたのだ」
『全く身に覺えが無いな』
魔「そろそろ誰か來さうだな」
『蒲団を持參せよと伝へたか』
魔「あ」
『何と』
魔「仕方無い。皆にてお前の蒲団に集結しやう」
『狹からう何と夢の如き状況』
魔「文句と本音とが同時に出てゐるぜ」
『本当はだうする積りだい』
魔「紫から余つてゐる蒲団を借りる。早速行つて來るぜ」
ばたん
『素晴しき決斷力だ』
ぴんぽん
『はい』
がちや
霊「やあ」
『おゝ、やうこそ』
霊「確かに蒲団を持つて來たわ」
『蒲団持參と知つてゐたのかい』
霊「今し方魔理沙が知らせに來たの」
『成る程』
霊「未だ誰も來てゐないやうだわ」
『さうだよ』
霊「魔理沙は何処へ行つたの」
『紫と云ふ女人に蒲団を借りやうとしてゐる』
霊「へえ。確かに蒲団の一つ位余つてさうだわ」
『兔に角、皆が來る迄寛ぎなよ』
霊「あ、さうさう。神社からお酒を持つて來て頂戴な」
『使役と云ふ訳かい』
霊「えゝ」
『うゝむ』
霊「駄目かしら」
『うむゝ』
霊「おねがい」
『吾に任すべし』




