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もっと東方寝巻巻。  作者: もっぷす
第2回
33/173

16 ダウト

『いやぁ、ちょっとテンション上がっちゃってさ』


魔「…昨日の怪談大会より、ずっと怖かった」


『ごめんごめん』


魔「尋常じゃなく冷や汗かいたぜ」


『ちょっとした好奇心でさ』


魔「目が覚めたら、一人でぶつぶつ言ってる半笑いの男に、ほっぺた触られてる恐怖が分かるか?」


『いや、ごめんってば』


魔「あの辺とか、寝たフリしながらめっちゃこらえてるぞ」


パ「…っ…く……っ…」


さ「…くくっ……く…」


『…本当だ。クールに触ったつもりなんだけどな』


魔「………」


に「…んにゃ…ん…あ、おはよう」


魔「お、起きたか」


『にとりん、おはよう』


に「ふぁ…二人とも早起きだね」


魔「…まあ、おちおち寝てられないからな」


『ほっぺしか触ってないよ?』


魔「…せめて黙って触ってくれ…」


霊「…ふぁーあ…おはよう」


『あ、おはよウナギ』


霊「何? 朝ごはんウナギなの?」


『いや、そういうわけでは…』


霊「まぎらわしいわね…ん…あれ?」


魔「どうした?」


霊「袖なくした…」


『………』


霊「あら…どこいったかな…」


パ「むにゃーおはよう」


魔「…今起きたフリするなよ」


パ「な…なんのことかしら?」


さ「…っ…おはようご…っぷぷ…ございます」


『…そんなにおかしかった?』


魔「ほら、お前も起きろ」


傘「…すぅ…すぅ…」


『…かっわいいなぁ…』


さ「早く起きないと…」


魔「『俺の折りたたみ傘が…火を噴くぜ!』とかやられるぞ」


『…おい、「折りたたみ」って何だよ』


魔「コンパクトってことだな」


『………』


傘「…う…ん…あーおはようー」


に「寝ぼけているね」


『…かわいいなぁ…』


さ「………」


魔「よし、それじゃ、よけてくれ」


傘「へ、何?」


さ「私もですか?」


魔「ああ」


霊「何する気?」


魔「スプレー貸してくれ」


『え? はい、どうぞ』



シューーーーーーーーー…



『へ?』


さ「…私…そんなに体臭きついでしょうか…」


傘「どうして私の布団にスプレーするの?」


『…俺の布団ね』


魔「お前が寝るときに、布団から女の子の匂いがしたら困るだろ?」


『…まあ…そうか…』


魔「だからな」



シューーーーーーーーー…



『…それにしても使いすぎじゃない?』


魔「完全消滅させないとな」


『…これでいいんだ、俺。道徳的には…これでいいんだ、俺』


パ「…唇噛み締めてる人がいるけど」


魔「よし、こんなもんか」


霊「さとりはいつまで枕抱いてるのよ」


さ「あら…本当ですね…」


『さとりんかわいいなぁ』


さ「………」


に「ところで、今日はどうするの?」


魔「とりあえず朝メシだな」


『あ、今作るよ』


魔「頼んだぜ」





………





に「3!」


魔「ダウト」


に「ちぇー」


傘「あはは、お金持ちだー」


霊「3」


さ「4」


魔「ダウト」


さ「…よくわかりますね」


魔「えっへん」


傘「4」


魔「…5枚出したらバレバレだぜ」





………





トントントントントントン


『らんらん♪』


トントントントントントン


『次は、にんじんっと』


トントントントント…


『…っ!』



魔「お、どうかしたか?」


『あ、いや、別に…』


さ「包丁でケガしましたね」


『あはは…うっかり』


霊「あら、料理上手かと思ったけど」


『そうでもないんだ』


傘「だいじょうぶ?」


『大丈夫だよ。ありがとう』


パ「口寄せの術でも使うの?」


『…違います』


に「お、切り傷だね。私に任せて」


『え…あ…もしかして…』


に「どれどれ…そんなに深くはないけど、念のためね」


『河童といえば、河童膏っていう切り傷とかによく効く薬があ…』






ちゅっ



に「つばを付けておけば治りが早いからね」



『………』


魔「………」

霊「………」

パ「………」

さ「………」

傘「………」


に「ん、どうしたの?」


『………』






ばたり



パ「これだけで気絶!?」

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