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もっと東方寝巻巻。  作者: もっぷす
第2回
31/173

14 夜風に

霊「夜中に叫ぶとか、どういう神経してんのよ」


『…すみません』


パ「うるさくて眠れないわ」


『…すみません』


に「びっくりしちゃったよ」


『…すみません』


さ「………」


『…すみません』


傘「どうやってやったの!?」


魔「洗面所の電気をつける」


傘「うん」


魔「すると、風呂の中から、うっすら私のシルエットが見える」


傘「そうだね」


魔「そこで、背中を流してやる、と言う」


傘「うんうん」


魔「そして、靴下を脱ぐ」


傘「どういう意味があるの?」


魔「そのまま私が服を全部脱いで風呂に入ってくる、と思い込ませられるんだ」


傘「なるほど!」


魔「すると、乙女なこいつは悲鳴を上げる」


傘「天才だ!」


パ「なかなか上手く考えたわね」


『…乙女じゃないけど、もうしないでね』


霊「くだらないこと考えるわね」


に「他にもいろいろ驚かす方法あったんじゃない?」


パ「そうね。刃物を持ったシルエットを見せるとか」


魔「刃物で驚かすのは芸が無いな」


さ「黙って立ってるだけでも怖いのでは?」


傘「ほう、なるほど」


霊「というか、驚かしたけど、怖がらせたわけじゃないわよね」


パ「そうね」


魔「まあな」


傘「そうだね」


に「化け傘って怖がらせなくていいの?」


傘「驚けば何でもいいんじゃない?」


魔「そんなんだから、お前は大人の世界で危ない目に遭うんだ」


傘「?」


に「ところで、明日は何するの?」


魔「うーん…ビンゴ大会」


『…ビンゴなんて無いよ』


魔「まあ、さとりがまだいるからな」


さ「へ、何ですか?」


魔「まだ権利を行使してないじゃないか」


『お…』


さ「…絶対に言いませんからね」


『………』


魔「そうか。じゃあビンゴは第3回パーティーでしよう」


『…まだあるの?』


魔「もちろん」


『正直な話、食費とか結構かかるんだよね』


魔「うむ、後で体で払う」


『…嘘つけ』


魔「まあ、何とか負担を減らすように工夫するから」


『…うーむ』


霊「とりあえず、今日は寝ましょう」


魔「そうだな。寝よう」


に「明日のことは明日考えればいいもんね」


傘「うん、じゃあ、おやすみ?」


霊「おやすみ」

魔「おやすみ」

パ「おやすみ」

に「おやすみー」

さ「おやすみなさい」

『おやすみ』





………





霊「…すぅ…すぅ…」


魔「…すぅ…すぅ…」


パ「…すぅ…すぅ…」


に「…すぅ…すぅ…」


傘「…すぅ…すぅ…」


さ「…すぅ…すぅ…」



ぱたん





………





『………』



さ「眠れないんですか?」



『わ! さとりん! いつの間に…』


さ「…違うみたいですね」


『空が綺麗だな、と思ったんだよ』


さ「はぁ…何言ってるんですか…」


『…バレてるもんね。ちょっと考え事してた』


さ「…はは、すみませんね。心が読めて」


『さとりんはどうしてここに?』


さ「ちょっと目が覚めたら、あなたがいなかったので」


『気にしないで寝ててもよかったのに』


さ「一人でおいしいものを食べてるかもしれませんから」


『はは、なるほどね』


さ「それで、何を考えていたんですか?」


『…なんか怖いなって』


さ「『俺みたいな友達もいない奴が、こんなに楽しい思いをするのは変だ』ですか」


『うん』


さ「皆さんは友達じゃないんですか?」


『…どう思われてるかはわからないよ』


さ「そうですか。皆さん、嫌ってはいないようですが」


『…どうかねぇ』


さ「『これから嫌われるかもしれない』ですか」


『…うん』


さ「ネガティブですね。好かれるかもしれないとは考えないんですか?」


『あんまり考えないなぁ』


さ「…そうですか」


『…うん』


さ「まあ、あまり気に病む必要は無いと思いますが」


『まあ…ね』


さ「ただ、ひとつだけ言っておくとすると」


『?』




さ「私は、あなたを友達だと思っています」




『え…』




さ「そろそろ私は寝ます。明日も大変な一日になりそうですし」


『…あ、うん』


さ「では、おやすみなさい」


『…おやすみ』



とことことこ



『………』




『………』




『…さとりんと…』








『…恋人…』




さ「友達って言ってんだろこのエロスマン」

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