12 もっと明かりを
パ「どう? 見直した?」
『…いいえ』
さ「怪談ではありませんでしたね」
に「そうだね」
パ「私としては94点なんだけど」
『…何を基準にしたのか全くわからない』
霊「で、次は誰?」
傘「私だよ」
魔「期待大だな」
『…そうかな?』
魔「さあ、いってみよう」
………
傘「私がお墓に行ったときなんだけど…」
魔「何しに行ったんだ?」
傘「遊びに」
霊「………」
魔「………」
パ「………」
に「………」
さ「………」
『………』
傘「私は、歌いながらスキップしてたの」
『…ヵヮィィ…』
魔「字を小さくしても聞こえてるからな」
『…こほん…』
傘「そしたら誰かが後ろからついて来たの」
『俺じゃないよ』
さ「わかってますから黙ってください」
『…ごめんなさい…』
傘「だから私は逃げたんだけど…」
に「ふむふむ…」
傘「お墓に不思議な音が響いていて…」
霊「…不思議な音?」
傘「うん、不気味な音」
『…どんな?』
傘「カラン、コロン、って」
パ「自分の下駄でしょうが」
傘「ばれたか」
パ「………」
傘「それでねそれでね」
魔「それで?」
傘「それで、後ろから追ってくるキョンシーを…」
『言っちゃったよ!』
傘「…あれ?」
魔「…正体バラしてよかったのか?」
傘「大丈夫! この後が大事!」
霊「どうなったのよ」
傘「返り討ちにした」
魔「………」
霊「………」
パ「………」
に「………」
さ「………」
『………』
傘「( ^ー')」
魔「………」
霊「………」
パ「………」
に「………」
さ「………」
『………』
傘「( ^ヮ')」
魔「………」
霊「………」
パ「………」
に「………」
さ「………」
『………』
………
傘「…何がいけなかったんだろう…」
『…幽霊に勝ったら、怪談というより武勇伝だよ』
パ「期待外れだったわ」
『最後は魔理沙だね』
魔「え、いや、もう遅いから寝ようぜ」
霊「え? 終わり?」
魔「いやー、しかし布団が足りないなー」
に「え?」
パ「何もやらない気?」
魔「明日起きれなくなるぞ」
『…最初から怪談用意してなかったな』
霊「………」
パ「………」
に「………」
傘「………」
さ「………」
こくり
魔「…へ?」
霊「何もしないなんて…ねぇ?」
『いいわけないよねぇ?』
パ「どんな素晴らしい怪談を披露してくれるのか楽しみだわ」
に「そうそう。企画者だもんね」
傘「即興で話せるよね?」
さ「当然この中で1番怖い話ですよね?」
魔「…いや…その…」
『張り切っていってみよう!』
………
魔「…あ…えと…」
『ほらほら、がんばりなさい』
魔「これは私が、小さいときに…」
さ「幼女モノですね」
霊「フィクションなのね」
パ「それは怪談じゃない」
傘「何しに行ったんだー」
に「猥談じゃないの」
『友達いないじゃん』
魔「いや…お前たち…」
ふっ…
さ「ひゃっ!」
傘「わわ! 真っ暗!」
魔「うわ! 懐中電灯が消えたんだ!」
霊「何も見えない!」
パ「きゃん!」
に「どうしたの!?」
パ「今…誰かに触られた…」
魔「何だって!?」
霊「きゃ…私も…触られた気がする…」
魔「お前…暗いのをいいことに! …お…おい…触るな…」
さ「ここはどこ? 私は誰?」
傘「明かりは無いの?」
に「何かを燃やせば明るくなるよ!」
パ「なんか…硬くて…傘みたいなのが当たって…」
魔「…じゃあ傘だな」
霊「…ひゃ…舐めないで…」
魔「…それも傘だな」
さ「たしかこの辺りにテレビのリモコンが…」
ふらふら
ゴッ
さ「あ痛っ…」
傘「燃やす物は無いの?」
に「油はよく燃えるよ!」
パ「見えない…魔理沙、助けて」
魔「わ…触られた…霊夢、助けて」
霊「きゃ…私も…パチュリー、助けて」
さ「この辺りにお茶が…」
カタン
びしゃ
さ「きゃっ…こぼれた…」
傘「油はどこ?」
に「台所だよ!」
パ「や…誰か触ってくる…魔理沙、助けて」
魔「ひゃ…誰だよ…触るな…霊夢、助けて」
霊「あ…触っ…やだ…パチュリー、助けて」
さ「この辺りにファービーが…」
ばりっ
さ「あ…お煎餅が割れちゃった…」
傘「台所はどこ?」
に「明かりが無いとわからないよ!」
パ「きゃんきゃん」
魔「きゃんきゃん」
霊「きゃんきゃん」
さ「この辺りにフラワーロックが…」
傘「明かりは無いの?」
に「何かを燃やせば明るくなるよ!」
パチッ
『…何やってんの君たち』




