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もっと東方寝巻巻。  作者: もっぷす
第2回
28/173

11 向日葵の

さ「…くすん…」


『みんなさぁ、やるなら真摯な態度で聞こうか』


霊「はーい」


『…大丈夫かな…』


魔「私はちゃんと聞いてたぜ」


『まあ、割とね』


傘「私も私も」


に「私も聞いてたよ」


パ「右に同じ」


『パチェはふざけてたよね』


パ「…というか、あなたいつの間にか馴れ馴れしくなってるわね?」


『…敬う必要性を見失った』


パ「…言ってくれるわね」


魔「次いっていいか?」


『あ、いいよ』


パ「私の番よ。名誉挽回だわ」




………




パ「向日葵という花はご存知かしら」


魔「種が食べられる花だな」


『…もうちょっと女の子らしいコメントを頂きたかった』


さ「たしか、花言葉は、光輝とか憧れとか…」


傘「とか?」



さ「あなただけを見つめる…とか…です…」



魔「(//o//)」

霊「(//o//)」

に「(//o//)」

傘「(・ω・ )」

パ「(//△//)」



さ「(//〜//)」



『…何この甘い空気…』


さ「…そそそ…それで向日葵がどうかしましたか?」


パ「こ…こほん。ええ。向日葵にまつわる話をしようと思って」


霊「向日葵にまつわる話?」


パ「もともと向日葵は妖精たちの道路標識だったの」


『…やべぇ』


パ「向日葵の中に、通行止めとかが描かれていたわ」


『まじで!?』


パ「あと、上り急勾配ありとか」


さ「…妖精に勾配関係ありますか?」


パ「でも、ある時、とある数学者がそれを変えた」


傘「それはだあれ?」


パ「ピポナッチよ」


『ピポナッチ!?』


パ「ええ。芸術性に欠けるという理由でね」


霊「芸術? だって標識でしょ?」


パ「そうよ。でも彼は変えた。花柄にしたの」


さ「…花に花柄ですか」


に「でも、そんなことしたら…」


パ「ええ。事故が急増したわ」


霊「当然よ! それくらい予測出来たはずじゃない!」


『…落ち着いて。どうせ嘘話だから』


パ「予測出来たはずね」


傘「だったらどうして…」


パ「自分の美学を貫くためよ」


霊「そんなの…そんなの自分勝手過ぎる!」


パ「標識に戻せ、って苦情が殺到したわ」


魔「…あっさり戻したとは思えんな」


パ「そうね。聞く耳を持たなかったわ」


に「ひどい人だなぁ」


パ「やがて妖精たちは蜂起することにしたの」


魔「やむを得ないだろうな」


パ「人間側も受けて立つことにした。人間と妖精の戦争よ」


『………』


パ「でも、それは遅かった」


霊「…どういう意味?」


パ「妖精の数が減りすぎていたの。彼の目論見通りにね」


傘「事故のせいってこと?」


パ「ええ。だから人間側が圧倒的に有利に思われた」


魔「…引っかかる言い方だな」


パ「結果から言うわ。勝ったのは妖精よ」


に「それで標識に戻したんだね」


パ「いいえ。妖精たちは向日葵を標識にしなかった」


さ「どうしてですか?」


パ「戦争の間に、妖精だけが分かる記号体系を考案したからよ」


に「戦争が科学技術の発展に貢献してるとはよく言ったもんだね」


パ「多くの草花にその記号をあしらって標識としたの」


霊「人間にはどれが標識かすら分からないわね」


パ「ええ。妖精の数も逓増していった」


傘「それで人間は反省して、傘を大切にするようになったのね」


『…趣旨変わってるじゃん』


パ「対して、人間は敗北の悔しさを向日葵に刻みつけた」


魔「向日葵に?」


パ「向日葵の種はらせん状に配置されているわ」


霊「へぇ、知らなかった」


パ「それに沿って種を数えると、彼の考案した小隊編成の法則を見出せる」


さ「小隊編成の法則?」


パ「ええ。敗北の原因のね」


霊「…と、言うと?」


パ「小隊の構成も彼が考案したの」


傘「どんな小隊にしたの?」


パ「第一小隊から順に、数が多くなっていくようにした」


魔「初めは40人、次は50人みたいにか?」


パ「いいえ。そうではないの」


『………』


パ「1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,…」


『………』


に「う〜ん…不思議な増え方」


傘「それのどこがダメなの?」


パ「それは…」


霊「それは?」


パ「それは…」


霊「………」

魔「………」

に「………」

傘「………」

さ「………」

『………』




パ「1人では小隊とは言えない」




『…オイ、怪談はどこに行った』

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