8 蘇生
霊「…どうすんの」
魔「とりあえず現世に連れ戻そう」
パ「ハードカバーの本ある?」
魔「こんなときも読書か?」
パ「違う。私に妙案があるの」
に「お、あったよ!」
パ「そう、これを使って…」
ごすっ
ぱたり…
『 』
魔「おい! 止まったぞ!」
さ「はわわ…大丈夫ですか!?」
魔「何してるんだ、パチュリー!」
パ「こうするしか…なかったのよ…」
霊「いや、もっと方法あったでしょ…」
に「冷たい水をかけて意識を戻そう!」
だっだっだっ
だっだっだっ
びしゃあ
『!!』
魔「気付いたか!」
『………』
に「意識回復率40%…50…60…徐々に回復していきます!」
『………』
に「80…90…だめです! 91%が限界です! 回復しきれません!」
『………』
霊「ほら、しっかりしなさい!」
『…おっ、お酒ですか?』
に「だめだ! 脳へのダメージが大きい!」
『…おっ、お酒ですか?』
傘「上がったよ〜♪」
魔「何かないのか!」
傘「…へっ?」
霊「かくなる上は…鼻にマカロニを詰めるしか………ない!」
さ「いや、その理屈はおかしい」
に「メーターに変化あり! 91%から上昇を始めました!」
魔「頑張れ!」
に「94! 96! 98…99!」
『…うっ…ここは…』
さ「気付いた!?」
パ「あなたの家よ。パジャマパーティーよ」
『クッ…シズマレ! オレノミギミミ!』
霊「よし、戻ったわね」
魔「いや、どう判断したんだ! 戻ってないだろ!」
『いちご飴マジ天使』
に「だめです! 残りの1%が…戻りません!」
パ「じゃ、これでいっか」
霊「そうね」
魔「そうだな」
傘「うんうん」
さ「そうですね」
………
『…ひどい…』
魔「戻ってよかったな」
『何か1時間ほど記憶無いんだけど』
霊「うたた寝ってやつね」
『頭の頭痛が痛いんだけど』
パ「あぁ、後遺症が残っ…むぐ」
魔「そ、それは酒のせいだな!」
『…あれ? にとりんは?』
傘「お風呂だよ」
『誤解なんだよ小傘ぁっ!! ホントに、本当に俺は、やってないんだよぉ!』
傘「!!!」
魔「落ち着け! その件は解決した!」
『…ホント?』
魔「ああ、なんとかな」
『…よかった…』
さ「大丈夫でしたか?」
『もとから大丈夫じゃないけどね。あははははは』
さ「………」
『関係ないけど、小傘のパジャマかわいいよね』
傘「ありがとー」
『やっぱり水色が似合うね。…何だね君たち』
魔「やっぱりエロスマンか」
『…なんか頭痛が…』
霊「ちょっと、魔理沙」
魔「…ああ」
『パジャマパーティーだから感想が必要かな、と』
魔「まあ、それも一理あるが」
『でしょ?』
とたとた
に「上がったよ〜」
『…え…と…トマト?』
に「ん、パジャマ? きゅうり柄が無かったからね」
魔「…野菜柄にこだわる必要はなかったんじゃないか?」
さ「というか、トマト柄はあるんですね」
『あと、さっきから気になってたんだけどさ』
魔「なんだ?」
『霊夢のパジャマおかしいよね?』
霊「え? 後ろ前に着てる?」
『いや、そうじゃなくて…』
魔「どこがおかしいんだ?」
『腋を露出してるところ』
パ「あ、本当だ」
魔「言われてみれば」
さ「…気付いてなかったんですか?」
魔「露出してるのが自然だよな」
パ「ええ」
『それ、前回と同じパジャマだよね?』
霊「うん。腋が密閉されるのが嫌で、切った」
『…そんなに嫌か』
魔「ところで、風呂に入らないのか?」
さ「え、私ですか?」
魔「ああ」
さ「…さすがに残り湯は飲まないと思いますけど」
魔「い…いや…一応ヤバいだろ、飲んだら」
『あははは、俺のことじゃなイカ?』
魔「心当たりがあるんだな」
『…違うよ』
さ「まあ、それでは、さっと入ってきます」
とたとた
『ところで、怪談って準備とかあるの?』
魔「ろうそく」
『…ごめん。そういうのは何日か前に言っておいて』
魔「ふむ」
とたとた
ひそひそ
とたとた
傘「ねえねえ」
『ん?』
傘「ろうそく無いの?」
『うん。うちには1本も無いんだ』
傘「怪談、楽しみ?」
『まあまあね』
傘「買ってこれる?」
『…お店遠いしなぁ』
傘「ろうそく…ほしいよぉ…」
『…ぅ…ゎ…』
傘「………」
『………』
傘「おねがい」
『…よだれが止まりません』




