4 火を噴くぜ
霊「これで全員?」
魔「いや、あと一人呼んである」
パ「…結構多いのね」
魔「前回よりは少ないけどな」
霊「そろそろご飯仕度始めるわよ?」
魔「そうだな。頼んだ」
霊「ほら、始めるわよ」
『…はい…』
霊「…何落ち込んでるのよ」
『…怒らせてしまった…』
霊「ひいきするからよ」
『…申し訳ない…』
そっ…
霊「…魔理沙はあんたに淡い恋心を抱いてるのよ?」
『!!』
霊「後で魔理沙に、ちゃんと謝りなさい」
『へ? …う、うん…』
………
魔「さて、私は何をしよう」
パ「読書でもしたら?」
魔「パーティーに来て読書はちょっとな」
パ「誰もパーティーらしいことしてないわよ?」
魔「まあ、機械鑑賞してる妖怪とかな」
パ「傘のメンテナンスしてる妖怪とかね」
魔「………」
パ「………」
魔「ゲームでもするかな」
パ「ふーん」
に「………」
傘「………」
魔「…呼ぶメンツを間違えたかも知れない」
………
『…魔理沙』
魔「ん? 何だ?」
『…気付いてあげられなくてごめんね』
魔「は? 何をだ?」
『魔理沙の淡い恋心』
魔「………」
『………』
魔「…ちょっとついて来てくれ」
とことこ
『…洗面所?』
魔「これを見てくれ」
『…鏡?』
魔「この人を見てどう思う?」
『実に残念だと思う』
魔「そうだな」
『うん』
魔「それを踏まえて、宝くじの一等が当たる確率と、私がお前に恋心を抱く確率と、どっちが高い?」
『五分だね』
魔「五分だな。よし戻ろう」
とことこ
魔「で、何が『ごめん』なんだ?」
『生まれてごめんなさい』
魔「…そこまで責めたつもりはないんだが」
『…ひいきしてごめんなさい』
魔「まあ、見ててあまり気分のいいことじゃないからな」
『うん。ごめん』
魔「ああ。じゃあ、この話は終わりだ」
『ところで、まだ誰か来るの?』
魔「多分な」
『多分?』
魔「なんせよくわからん奴なんだ」
『…誰だろう?』
魔「それより、退屈なんだが」
『何かする?』
魔「何かあるのか?」
『大人のオセロなら』
魔「…大人ってなんだよ」
『それか大人のリバーシ』
魔「…同じじゃないか」
ピーンポーン
魔「お、来たのか」
『はーい』
ガチャ
さ「こんにちは」
『おお、さとりんじゃないか!』
さ「その呼び方は…」
『上がって上がって!』
さ「あ…お邪魔します」
『どうぞどうぞ』
さ「こんにちは」
魔「来ないかと思ったぜ」
パ「ぶっ!」
さ「すみませんね、私のような嫌われ者が来て」
パ「…いや…別に…」
『まさか、さとりんが来るとは』
さ「…その呼び方はやめてください」
魔「これで全員だな」
『今回は、何か企画とかあるの?』
魔「ああ。一つある。楽しみにしとけ」
さ「怪談ですか」
魔「お前! ネタバレしたな!」
さ「あ…すみません」
『怪談か…妖怪いるしなぁ』
魔「いいんだよ」
さ「『女の子が、怖くなって抱きついてきたらいいな』ですか?」
『えー魔理沙そんなこと考えてるのー』
さ「…あなたですよ」
『何も考えるな何も考えるな何も考えるな…』
さ「『さらに、怖くて眠れない、とか言って布団にin』ですか?」
『何も考えるな何も考えるな何も考えるな…』
さ「『俺のお化けキューカンバーが…火を噴くぜ!』ですか?」
『…それは考えてない』
魔「まあ、ひとまず全員揃ってよかったな」
『そうだね』
魔「とりあえず腹減ったな」
『今日はご飯先にする?』
魔「ああ、そうしよう。全ては私の気分次第だ」
『…ですよね』
さ「私も構いませんよ」
パ「………」
に「………」
傘「………」
『…この人たちには確認しなくていいや』
………
魔「霊夢が静かだな」
さ「姿が見えませんが」
『多分、台所にいるかと』
とことこ
『あ…』
霊「…すぅ…すぅ…」
『疲れて寝ちゃったんだな。ふふ…』
霊「…すぅ…すぅ…」
『台所でうたた寝なんてよっぽど疲…』
霊「…すぅ…」
『…酒が…かなり減ってる…』
霊「…すぅ…」
『…フライングしおったな』
パ「ねぇ、人間」
『はーい、何ですかー?』
とたとた
パ「コーヒー」
『…ちょっとイラッときた』
パ「冗談よ」
『ですよね。で、用件は?』
パ「紅茶」
『………』
パ「………」
『………』
パ「おねがい」
『すぐにお持ちします』




