2 布団を取りに
『ねえ』
霊「ん?」
『霊夢は布団持って来られるんじゃない?』
霊「面倒だからいい」
『俺が持って来ようか?』
魔「変態だ」
『…なんで?』
魔「霊夢の布団の匂いを堪能しようとしてるから」
『違うって』
霊「別に、いい匂いしないわよ」
魔「いや、ほんのり汗の匂いの染み込んだ布団は、細菌の絶好の繁殖場だぜ」
『バイ菌扱い?』
霊「私が見張るから、一緒に取りに行きましょう」
『…見張る…』
魔「変な気は起こすなよ」
『大丈夫だ。問題ない』
霊「じゃ、行きましょう」
『うん。とりあえず、行ってくる』
ガチァリ
ヴァタム
妖「魔理沙、下品ですよ」
魔「あいつは年頃の男なんだ。気をつけようぜ」
ア「確かに危険ね」
妖「…どうして信頼の置けない人の家に招待するんですか」
魔「そういや、幽々子は?」
妖「ああ! 忘れてた!」
ドタドタ
ガチャン
バタン
魔「…道中にでも忘れてきたのか?」
ア「さあ」
魔「しかし、この部屋には何人入れるんだろうな」
ア「6人分の布団は敷けそうよ」
魔「キッチンにも敷けるな」
ア「トイレにも敷けるわ」
魔「いや、それは…」
ア「ところで、今日は何するの」
魔「パーティーだぜ」
ア「具体的には?」
魔「酒を飲む」
ア「結局それなのね」
魔「何かしたい事でもあるか?」
ア「人形作り」
魔「いつもしてるだろ…」
ア「子作り」
魔「…えっと…確かに…いい機会かもな…がんばれよ…」
ア「…は? ち、違うわよ! あいつじゃなくてよ!」
魔「他に誰がいるんだよ…」
ア「だ…だから…その…それよりも、魔理沙はどこで寝るの?」
魔「もちろん、布団だぜ」
ア「持って来てないじゃない」
魔「持って来た人から借りるんだぜ」
ア「あんたの場合は奪い取るんでしょ」
魔「人聞きが悪いぜ」
………
ガチャ
バッタン
霊「ただいま〜」
『た、ただいま…』
魔「お、帰ってきたな」
『つかれた〜』
霊「ありがと。お礼に、今晩は一緒に寝てあげる」
『え、いや…』
魔「何誘惑してるんだよ」
霊「ふふ…冗談よ」
『………』
魔「おまえは残念そうにしてるな」
『してないもん』
ア「私も持って来ようかしら」
『魔理沙と一緒に寝…』
ア「ち、違うわよ!」
霊「………」
魔「………?」
ア「…い、行ってくる」
『………』
ア「…とにかく行ってくるから」
魔「お土産よろしくー」
ガチャン
………
『ところで、あとは誰が来るの?』
魔「秘密」
『いじわる』
魔「咲夜は来ないぜ」
『だろうね。あの人は俺のこと嫌いみたいだし』
魔「だな」
『パチュリー様は?』
魔「来ないと思うが、呼んでみるか?」
『うん、頼む』
魔「どうして呼びたいんだよ?」
『仲間だからに決まってるじゃないか』
魔「パチュリーだけでいいんだな?」
『と、小悪魔さんね』
魔「………」
『………』
魔「と、警察だな」
『勘弁してください』