2 伝言
『お酒重い疲れた』
霊「…体力無いわね」
『今日も飲むんだね』
霊「私にとって、酒は水みたいなものよ」
『…くれぐれも健康には気をつけてね』
ガチャ
魔「ただいま〜」
『あ、おかえり』
パ「…くさい」
『凄く失礼な第一声!』
魔「図書館も結構、ホコリやカビくさいけどな」
パ「これが人間の家…想像を超えないわね」
『すみませんね』
パ「初めて見る機械もあるけど、どうせ大したことないんでしょうね」
『…この人…来たくなかったんだな…』
魔「送迎付きって言ったら、渋々承諾した」
『…箒に二人乗りってこと?』
魔「送迎だからな」
『…なるほど』
パ「久しぶりに図書館の外に出たわ」
魔「不健康だな」
パ「紫外線を浴び過ぎるのも健康とは言えない」
魔「ビタミンDが不足するぜ」
『…魔理沙がまともな話してる…』
魔「おい、失礼だな」
パ「ところで、何か本があったら読んでみたいんだけど」
魔「ほれ」
パ「『ぴちぴち女軍曹〜我輩もう我慢ならんであります!〜』だって。変わったタイトルね」
『それ、俺の本と違う! ってかマニアックすぎる!』
パ「この軍曹さん、ずいぶん薄着ね」
霊「魔理沙、どうしたのこれ?」
魔「紫が布団と一緒にくれた」
『…返して来なさい』
魔「やるよ」
『…いらぬ』
魔「そろそろ布団が届くはずだが」
『届く?』
ドサドサ
紫「ここに置いとくわ」
魔「おお、サンキュー」
『…神出鬼没だなぁ』
紫「あと、枕いっぱいあったから、あ・げ・る」
ドサドサ
魔「…こんなにいらん」
紫「それではごきげんよう」
魔「置いていったぞ」
『…どうすんの、こんなに』
霊「でも、布団は確保できてよかったわね」
魔「まあな。これで3枚だな」
パ「咳出るから、埃舞わないようにしてよ?」
魔「努力はする」
パ「…すっごく不安」
………
魔「じゃ、私はもう一人迎えに行ってくるぜ」
『あ、はい。いってらっしゃい』
霊「誰を迎えに行ったのかしらね?」
パ「ねえ、本貸して」
『あ、そっちの棚に本が』
パ「そう」
霊「迎えに行くってことは、ここを知らない人?」
『まあ、来てのお楽しみってことで』
霊「咲夜とか」
『それは無い』
霊「どうして?」
『俺をひどく嫌ってるから』
霊「何したのよ?」
『優秀な人には、無能な人を見抜く力がある』
パ「あ、そういえば」
『はい?』
パ「パーティー開催について、咲夜から伝言を預かってたわ」
『誰への?』
パ「あなたへの」
『…悪口?』
パ「諷刺」
『…咲夜さんは何と?』
パ「参加出来ず、申し訳ありません。私などが参加せずとも、沢山の美少女があなたを愉しませて差し上げるでしょう。御所望のパジャマ姿で」
『…最後の一文の重みが凄い…所望した訳じゃないのに…』
パ「あなたの企画でしょう?」
『魔理沙の企画です』
パ「え…」
『え…』
パ「パジャマ持って来てない」
『別にパチュリー様のパジャマ姿が見たい訳じゃないと思います』
パ「…そうなんだ」
『多分』
パ「でももしかしたら」
『いや、無い』
パ「………」
『………』
パ「………」
『………』
パ「帰る!」
『…落ち着いてください』