1 パシって
魔「なあ」
『ん?』
魔「またパジャマパーティーをしようと思う」
『はは…冗談だよね?』
魔「わかった。じゃあやめる」
『え…やめるの?』
魔「中止だって伝えてくる」
『ちょっ…ホントに?』
魔「嫌なんだろ?」
『嫌って言うか…』
魔「どっちだ?」
『…いつやるつもり?』
魔「明日の夕方に、この家で」
『誰が来るの?』
魔「沢山呼んで来るぜ」
『あんまりたくさん呼ばないでね』
魔「じゃあ私と二人きりで」
『…それは生肉の装甲を纏ってライオンの檻に入るのと同じくらい危ない』
魔「私を襲う度胸があるのか?」
『………』
魔「ま、前より人数は減らすつもりだ。じゃ」
『待った』
魔「ん?」
『人にものを頼む態度ってあるでしょ』
魔「………」
『………』
魔「……脱げ、と?」
『…違います…』
魔「…う〜ん…」
『………』
魔「おねがい」
『俺に任せてくれ』
魔「よろしくな。じゃ」
………
『…俺って女の子に弱かったんだな』
魔「私の魅力のせいだ。気にするな」
『ところで、今日は、いったい誰が来るんだい?』
魔「咲夜とか」
『嘘でしょ!?』
魔「嘘だ」
『…びっくりした』
魔「パチュリーを呼ぶことに成功した」
『まじで!?』
魔「ああ」
『あの、歩く百科事典と呼ばれる彼女を?』
魔「…近所の頭いいガキか」
『違ったっけ?』
魔「違うっての。ちなみに、後で迎えに行くことになってる」
『そうなのか。それでさ…』
魔「小悪魔は呼んでないからな」
『…訊く前に答えないでくれ』
魔「他に呼びたいやつはいるか?」
『こ…』
魔「咲夜でも誘ってみるか」
『…無視かよ。しかも咲夜さんが来るわけない』
魔「スカートめくりなんかするから嫌われるんだ」
『…そんな勇気も実力も無いよ』
………
魔「そろそろ誰か来そうだな」
『布団持参だって言ってくれた?』
魔「あ…」
『え…』
魔「仕方ない。全員で、お前の布団に集結するか」
『狭いだろ何その夢のような状況』
魔「ツッコミと本音が同時に出てるぜ」
『…で、どうするの?』
魔「紫なら布団余ってる気がする。早速行ってみるぜ」
バタン
『…素晴らしい決断力だ』
………
ピーンポーン
『はい』
ガチャ
霊「よっ」
『お、いらっしゃい』
霊「ちゃんと布団持って来たわよ」
『あ、布団持参だって知ってたの?』
霊「さっき魔理沙が知らせに来たのよ」
『なるほどね』
霊「まだ誰も来てないの?」
『うん』
霊「魔理沙は?」
『紫さんに布団借りようとしてるらしい』
霊「ふーん。確かに布団の一つくらい余ってそうだけど」
『まあ、とにかくみんな来るまでくつろいでてよ』
霊「あ、神社からお酒持って来てくれない?」
『…パシリっすか?』
霊「うん」
『………』
霊「………」
『………』
霊「おねがい」
『俺に任せてくれ』




