表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もっと東方寝巻巻。  作者: もっぷす
結晶アスタリスク
173/173

めざせ、お昼寝同盟

魔「偶蹄目ってあるだろ?」


『あー、動物の分類だよね』


魔「奇蹄目ってあるのか?」


『えー、わかんないな。聞いたことないかも』


魔「そもそもどんな動物が偶蹄目なんだ?」


『ひづめがある動物かな、牛とか馬とか? あと鯨も偶蹄目だっけ?』


魔「鯨ってひづめあるのか」


『んー、不明』


美「ねえ」


魔「お、珍しく門番が起きてるじゃないか」


『あ、美鈴さん、どうも』


美「どうもじゃないわよ。いつも勝手に入って」


魔「入るぜと言っているな。心の中で」


美「言っても駄目」


魔「寝てる方が悪いと思うが」


美「気を遣って寝たフリしてたけどさ」


『気を遣って?』


魔「気を使ってくれてもいいぜ」


美「もしかしてあんたたち、そういうのではない?」


魔「そういうのってなんだよ」


『あー、はい、不審者じゃないですよ』


美「じゃなくてー」


魔「なんだ、はっきり言ってくれ」


美「うーん、先週来たときはどんな話してたっけ?」


『えーっとたしか……』




………




魔「豆腐って腐ってなくないか」


『まあ』


魔「なんで腐なんだ」


『固めるみたいな意味がある的な感じなのかな』


魔「豆箱の方があってるな」


『四角くない豆腐もあるよね』


魔「じゃあ豆固か」


『ぽいぽい』


魔「いや、豆凝か」


『あー、いいね、たしかにそうかも』


魔「おまえだったらどうつける?」


『白軟豆塊』


魔「食べ物とは思えんな」


美「ぐうぐう」




………




魔「そんな話したか?」


『たしか』


美「してたわ」


魔「中身なさすぎないか」


『自分の会話だよ!』


美「うーん、ムードなくて怪しいとは思ってたけど」


魔「全然怪しくないだろ」


『雑談だよね』


美「その前のときはなんだっけ?」


『その前ですか?』


魔「図書館に行ったときか」


『それも先週か』


魔「だな」


『えっと、たしか……』



………




魔「カボチャが南の瓜で、スイカが西の瓜だろ?」


『そうだね』


魔「北と東も決めようぜ」


『いいよ』


魔「北はメロンかな」


『あー、ぽいぽい』


魔「東は何だろ」


『東か。日本の東、海だしなぁ』


魔「他の瓜はヘチマとか冬瓜とかか」


『だね。あとキュウリとか瓢箪とか』


魔「東洋っぽさなら瓢箪かな」


『あー、たしかに』


魔「北瓜でメロン、東瓜で瓢箪か」


『いい感じだね』


魔「誰かにクイズ出してみるか」


『あ!』


魔「どうした?」


『紅魔館の瓜も思いついた』


魔「紅魔館の瓜?」


『パチュリー、なんちゃって』


魔「は?」


美「ぐーぐー」




………




魔「こ れ は ひ ど い」


『ニコニコみたいなのやめて!』


美「やっぱり悪友って感じ?」


魔「あん? 私たちか?」


『そうかも』


魔「私は善だが」


美「あー、了解了解。これで気まずくないわ」


魔「ただ昼寝してた言い訳じゃないのか?」


美「寝たフリ。あんたたちが来たせいで目が覚めたから」


『寝てたんですね』


美「目ぇ覚めるから来ないでくれる?」


魔「寝るなよ」


美「昼寝すると集中力が上がるんだって〜」


魔「上げた集中力は何に使うんだよ」


美「門番」


『漫ろでも起きてた方がいいのでは?』


美「あ、そうだ。あんた藤原妹紅と仲いいんだっけ?」


『仲いいというか、まあ、知り合いではあります』


魔「え、仲いいのか?」


『たまに月見したり、草っぱらで寝転んだりとか』


魔「そうなのか? 知らなかったぜ」


美「じゃあ、妹紅に会ったらお昼寝同盟に誘っといてもらえる?」


『お昼寝同盟?』


美「昼寝のよさを広める同盟」


魔「そんな同盟誰が入ってるんだ?」


美「私と小野塚小町」


『おー』


魔「サボり魔同盟じゃないか」


美「いずれ幻想郷で多数派にして堂々と昼寝するわ」


『へー、いいですね』


魔「今も堂々としてるけどな」


美「他に昼寝好きな奴知ってる?」


魔「霊夢」


美「んー、悪くはないけど、『サボり魔同盟でしょ』とか言いそう」


魔「事実だと思うが」


『あとはー、幽々子さんとか?』


美「あー、悪くないね」


魔「あとおまえも」


『まあ、寝るの好きだけどさ』


美「ああ、昼寝を広めてくれるならいいよ」


『あ、入っていいんですね。広めるだけですか?』


美「いずれは集まって何かしたいわね」


魔「何もしないをしたいんじゃないのか」


美「でも休みが増えないときびしいかな」


魔「紅魔館って休みあったっけ?」


『ブラック魔館』


美「きりきり働いて昼寝を広めてね」


魔「サボってる奴がよく言うぜ」


美「門番は門を離れられないの!」


『おつかれさまです』


魔「ま、せいぜい頑張ってくれ」


美「ちょっと。通さないって」


魔「あ? 何でだ?」


美「もう気まずくないし、侵入者でしょ?」


『同盟です』


美「それは館とは関係ない」


魔「睡眠の効能の本を探してるんだが」


美「ならよし」


咲「よくない」


『わ、咲夜さん』


美「吃驚した〜」


魔「相変わらず急に湧くな」


咲「偶蹄目はウシやシカ、クジラのこと。ウマは奇蹄目」


『げっ、最初の話題。初めからずっといたんですか?』


咲「まあね」


美「じゃあ同盟の話も?」


咲「何それ。途中戻ったから知らないわ」


『じゃあずっとじゃないじゃん!』


咲「忙しいもので。貴方がたと違って」


美「私の巧みな話術で足止めしてました」


魔「そうか?」


『ある意味そうかも』


咲「無駄口でしょ」


魔「どちらかと言うと私の話術だな」


『そうかなぁ』


咲「どっちでもいいって」


魔「北の瓜と書いて何と読む?」


咲「は?」


魔「北の瓜だ。知らんのか?」


咲「知らない。メロンか何か?」


魔「む。正解だ」


『はいはい、じゃあ紅魔館の瓜は?』


咲「は?」


『紅魔館の瓜です』


咲「役立たずのおしゃべり門番?」


美「私?」


魔「なんでだ?」


咲「油売り」


魔「お、こっち採用で」


美「とほほ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ