急にピラミッドが来たので
魔「おいおい、何してるんだ」
『え、魔理沙、どうしたの?』
魔「何を家でごろごろしてるんだよ」
『えっと、何か約束してたっけ?』
魔「しっかりしてくれ。東方錦上京が出ただろ?」
『はあ、まあ』
魔「鈍いな。やることがあるだろ」
『あー、新しい方にご挨拶に行くってこと?』
魔「それも大事だが、今日は違う」
『なんだろ、異変の確認?』
魔「違うにも程がある」
『じゃあ新しいオプションが俺とか?』
魔「お、惜しいな」
『マジ? 正解は?』
魔「バッティング練習だ」
『違うにも程がある』
魔「もし今回の黒幕がピッチャーだったらどうする?」
『どうって、え、そうなの?』
魔「まあ、まだ仮定の段階だ」
『えー、野球関係ありそうな感じ?』
魔「無さそう」
『おい!』
魔「待て待て。まだエクストラをプレイしてないから未確定だ」
『いやいや、異変の内容とかイージーやった感じとか』
魔「無さそう」
『でしょうね』
魔「まだ可能性はある。次以降の異変であるかもしれんしな」
『まあ、ないとは思いますけど』
魔「口ばかり動かして、準備はできたのか?」
『え、やんの本当に?』
魔「無論だ。バットとボール、グローブとタオルと飲み物と着替えと常備薬と歯ブラシがいるぜ」
『泊まりかよ!』
魔「私の飲み物もな」
『え、常備薬と歯ブラシは冗談ですよね?』
魔「あ、タオルも私の分がいる」
『あの、常備薬と歯ブラシは!』
………
魔「集〜合〜!」
『あい』
霊「あい」
魔「おいおい、おまえら、いくら何でも……」
『ん?』
魔「少なすぎるだろ!」
『言われましても!』
魔「おまえと霊夢だけかよ」
霊「魔理沙が声かけたのが二人なんでしょ」
魔「投げる、打つ、拾うのほかにキャッチャーと球拾いもう一人くらいいるな」
『たしかに、もう少しいてほしいね』
魔「よし、あと二、三人探すか」
霊「集合する前に探しなさいよ」
『暇な人いるかなぁ』
魔「とりあえず妖精とかかな」
霊「チルノ?」
魔「だな」
………
魔「球を拾え」
チ「は?」
『言葉を選びなよ!』
魔「バッティング練習をする。人数が足りないんで、球拾いをしてくれ」
チ「バッティングって何?」
魔「球を棒で打つ遊びだ」
チ「弾幕勝負のほうがおもしろくない?」
魔「弾幕勝負の方が面白い」
チ「じゃあやらない」
魔「おいおい、バッティングの楽しさを知らないのか?」
チ「弾幕勝負とどっちが楽しい?」
魔「弾幕勝負」
チ「じゃあやらない」
魔「道具もあるし、一度やってみるか」
『バットはこんな感じで持って、こう振る。はい』
チ「こう?」
『そうそう』
魔「じゃ、軽く投げるぞ。ほれ」
ブルン
チ「当たらないじゃない」
魔「当たらないこともある。予言と一緒だな」
チ「つまんないからやらない」
魔「ちぇっ、ダメかぁー」
………
『説得ヘタすぎ!』
魔「お?」
『バッティングも面白いって言いなよ!』
魔「なるほどな」
霊「なるほどなって」
『あと、予言と一緒だなって何!』
魔「ノストラダムスに聞いてみろ」
『ちょっと面白かったけどさ』
魔「そんなに言うなら次はおまえが声かけてみるか?」
『次はだれに声かけるの?』
魔「咲夜」
『無理じゃん』
魔「おいおい、運転席に乗り込む前からピットインする奴があるか?」
『変わった例えだなぁ』
霊「咲夜なら魔理沙が声かけた方がいいでしょ」
魔「おいおい、いつまでも決めボムしてたら一生スペカボーナス取れないぜ」
『ボムというか爆散ですいつも』
魔「確かにな」
『というわけで、魔理沙にお願いしていい?』
魔「ダメ」
………
咲「キャアァァァァ!」
『な、ど、どうしました?』
咲「イヤーーーー!」
レ「えっ、なに、何事よ、咲夜」
咲「レミリアお嬢様、お逃げください。おっきな虫です」
『おっきな虫じゃないです』
レ「咲夜、落ち着いて。おっきな虫じゃないわ。ちっちゃな虫よ」
『ちっちゃな虫じゃないです』
魔「咲夜のスリッパを生で食べてから嫌われたんだっけ?」
『食べてませんー。危害は加えてませんー』
咲「いるだけで危害よ」
『東方人気上位キャラの咲夜さんとレミリアさんが子供が真似したら困るようないじめをしているなんて女子小学生もがっかり……』
レ「なっ、いじめじゃないわよ、ちっちゃい虫はあの、スカラベって意味よ」
咲「あ、私もおっきい虫っていうのは、160センチ前後の意味よ」
『取り繕えてないよ!』
霊「あんたの圧のかけ方もいやなんだけど」
咲「で、用事は?」
魔「ん」
『あ、バッティング練習をするから一緒にやりませんか?』
咲「フンフフーン、お掃除お掃除」
『言ったそばからシカトかい!』
咲「紅魔館はバ〇テリンドームじゃないのよ!」
『い、いえ、紅魔館ではやりませんよ』
咲「あ、あ、そうなの。お嬢様……」
レ「私の後ろに隠れないでよ、勘違いしたからって」
咲「とにかく、結構です。忙しいもので」
魔「そう言わず一回やってみないか」
咲「は?」
魔「バットはこう持って、こう振る」
咲「やんないわよ」
魔「じゃ、はい」
レ「私?」
魔「投げるぜ、ほっ」
レ「よっ」
カキーン!
咲「キャアァァァァ!」
霊「あーあ」
咲「紅魔館はバ〇テリンドームじゃないのよ!」
レ「急にボールが来たので……」
『俺の後ろに隠れないでくださいよ、打っちゃったからって』
魔「まあまあ、咲夜もレミリアも悪気はなかったんだろ?」
レ「仲裁みたいに言うんじゃないわよ!」
咲「お帰りください」
魔「トホホ」
………
魔「あー、草原に寝転ぶのも気持ちいいな」
『まあ、そうだね、天気いいし』
霊「あったかいしね」
魔「思い通りにはならなかったが、やることはやったつもりだ」
『うん』
魔「ふぅ、風が気持ちいいぜ」
『ね』
魔「悪かったな」
『え?』
魔「今日は悪かった」
『どした?』
魔「おまえたちにもバッティングをさせてやりたかった」
霊「魔理沙……」
魔「今生の別れってわけでもないが、一旦はお別れだ」
『そうだね』
魔「じゃ、ノンオイルサラダドレッシングス解散!」
『チーム名ノンオイルサラダドレッシングス!?』
霊「つか結局何もしてないわね今回」




