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もっと東方寝巻巻。  作者: もっぷす
第6回
161/173

レミィの中二病

三年半以上前に書いたネタが見つかりました。

意外といけそうなので投稿します。

レ「今夜は月が蒼いわね…」


パ「どうしたの、突然現れて」


レ「警告しに来たのよ」


パ「何よ、警告って?」


レ「ふふっ。"平和ボケ"してる様ね。貴女とも在ろう者が」


パ「…なにか事件でも起きそうなの?」


レ「暫く異変も無かったものね。無理も無いけど」


パ「何があるっていうのよ」


レ「時期が来れば解る。と言いたい所だけれど、貴女には伝えて置くわ。私に何か有ってからでは遅過ぎるから」


パ「そんなこと言うなんて珍しいわね」


レ「近々ね、此処に来るのよ、"ヤツ"が」


パ「…ヤツ?」


レ「ええ、そう。"勇者サマ"が、ね」


パ「ふうん。勇者って呼ばれてた奴なんて、これまで何人も戦ってきたじゃない」


レ「ええ。でも今回は違う。ホンモノよ」


パ「ここ最近平和だったのに誰が来るっていうのかしら。少しは楽しめそう?」


レ「楽しむどころの話じゃないわ。私と同等、或いは私より強大な力を持って居る」


パ「本当にそんなヤツいるの?」


レ「ええ。ヤツはきっと私に勝つ」


パ「レミィに勝つ…霊夢以来ね」


レ「ふっ、あはははは」


パ「…何がおかしいの?」


レ「いやいや、そんな人間もいたな、と思ったのよ」


パ「そんな人間って…」


レ「でもね、今回は全然違う」


パ「違う?」


レ「強さが、そして狡猾さも格段に違う」


パ「確かに、頭脳戦ならレミィは不利だものね」


レ「えっ」


パ「いや、聞き流してちょうだい」


レ「兎に角、私は其奴と一戦交える事に成りそうだから」


パ「でも…どうせ、結局はいつもみたいにレミィが勝つんでしょ?」


レ「其奴はね、本当に私に勝つわ。運命に拠ると、ね」


パ「そんなバケモノが来るっていうの…」


レ「ふふっ。残念ね。バケモノではないわ。紛れも無い…"人間"よ」


パ「人…間…」


レ「でも大丈夫。私が命を落とす事は無い。たとえ負けたとしてもね」


パ「まあ、吸血鬼だしね」


レ「ふふっ。そう。そうね。私は吸血鬼。さて、こんな所でお喋りをして居る場合では無いわ。"ヤツ"を迎え撃つ準備をしないとね。じゃ、またね、パチェ」


パ「ええ、死なないからってあまり無茶はしないようにね」


レ「ふっ。考えて置くよ」



スタスタ


バタン



パ「さて、今度は何のマンガに影響されたのかしら」




………




レ「パチェ、パチェ!」


パ「何よ、騒々しいわね」


レ「ちょっと調べて欲しいのよ」


パ「調べるって、何を調べればいいの?」


レ「私の腕よ。昨日から右腕が…あっ、いや、ううん、何でも無い!」


パ「気になることがあるなら調べておいたほうがいいんじゃないの?」


レ「ううん、良いの。こんな事言ったって…"崩壊の魔クラッシュ・オブ・マジック"の話をしても…仕方無いから」


パ「…クラッシュ・オブ・マジック?」


レ「ええ。"崩壊の魔クラッシュ・オブ・マジック"って言うのは、私の右腕に宿った契約」


パ「へ…へえ」


レ「昔、私は強さを願った。そしてね、"暗黒の龍(ダーク・ドラゴン)"と契約してしまったの。強大な力…全てを破壊する力を得る代わりに、其の生涯私の右腕は呪われる。"デスティニー・オブ・パワー"を使えば使う程、私の右腕は"崩壊クラッシュ"して行くのよ」


パ「…話しても仕方ないって言いながら話すのね」


レ「でもね、私は後悔してないわ。だって、此の力のお蔭で平和を守れるから。"絶望の霊魂(バッド・スピリッツ)"に対抗出来るのは、此の力しか無いんだもの」


パ「…ふうん。ってかさっきから読み方に突っ込みどころが…」


レ「あ、あ、あ、あああ」


パ「大丈夫? 震えてるみたいだけど…」


レ「くっ、ヤツら、もうこんな所まで…」


パ「何? 誰か来るの?」


レ「"来る"んじゃない。"来ている"のよッ!」


パ「え、何、急に大きな声出さないでよ」


レ「私に危害を加えるのは構わないわ! でもね、パチェや咲夜を…私の大切な仲間を傷付けてみなさい! 絶対に、絶対に許さないからぁッ!」


パ「え、ちょ、え、何なになに? 誰と喋ってるの?」


レ「ただし、フランは別に良い!」


パ「うーわ、姉にあるまじき発言…」


レ「喰らえぇっ!」


パ「危なっ! 何、なんで拳振り回してるの?」


レ「くそっ、やはり駄目か。通常攻撃はヤツらには効かない…」


パ「ヤツらって誰。ってか、効かないって知ってるならやるな」


レ「こうなったら…パチェの前では使いたくなかったんだけど…"吸血邪封拳デストラクティブ・ヴァンパイア・フィスト"を使うしか無さそうね…」


パ「えっと…大丈夫? 咲夜呼ぶ?」


レ「誇り高き天と地の精霊よ、大いなる吸血鬼の力を呼び覚まし、今戦わん。いざ、光を導き闇を滅ぼせ! 喰らえええええええっ!」


パ「………」


レ「………」


パ「………」


レ「ふうっ…ふうっ…勝っ…た…」


パ「だ…大丈夫? いろんな意味で…」


レ「ありがとう、大丈夫よ。でも今のは…かなり消耗したわ。ヤツらもそろそろ本気を見せつつ有るみたい…」


パ「ふ…ふうん」


レ「でも安心して。パチェには指一本触れさせない。私が居る限り、ね」


パ「へ、へえ。こころづよいわぁ」


レ「又何か有ったら呼んで頂戴」


パ「…どちらかというと呼んだら何かありそうだけど」


レ「あ、私の力の事は、咲夜には秘密ね。あの子、心配しちゃうだろうから。それじゃ」



スタスタ


バタン



パ「…うん、別の意味で心配すると思う」




………




レ「パチェ、大変よ!」


パ「…今度は何よ」


レ「ヤツらが…"暗黒の霊魂(ダーク・スピリッツ)"が動き出したわ!」


パ「…バッドスピリッツじゃなかったっけ?」


レ「そ、それは通称。本当の正式名称は"暗黒の霊魂(ダーク・スピリッツ)"だったのよ」


パ「…ふうん」


レ「禁忌の降霊の術を使って"邪神-ダイダラボッチ-"を復活させたみたい!」


パ「邪神というか巨人ね」


レ「パチェ、悪いんだけど、私に力を貸して頂戴」


パ「………」


レ「恐いのは分かる。でも、ヤツは小さな霊魂を吸収して力を溜めて行く」


パ「それと私に何の関係があるのよ」


レ「だから其の霊魂を片っ端から叩くのよ。そうすればヤツは弱いまま」


パ「私に何ができるっていうの」


レ「此の館への侵入者を退治して。部屋ごと消し飛ばして構わないわ」


パ「私は構うんだけど」


レ「解って頂戴、パチェ。大切な物を守る為、大切な物を犠牲にしなきゃならない、そんな時も有るのよ」


パ「大体どうやって退治するのよ。その霊魂っていう侵入者は通常攻撃が効かないんでしょ」


レ「そう。其れについては…パチェ、右手を貸して」


パ「は? まあ、いいけど」


レ「ふっ、はあああああああああああっっっ!」


パ「………」


レ「今、私の力の一部を授けたわ。これで貴女も霊魂を退治出来る」


パ「…ふうん」


レ「はっ、あ、あれは!」


パ「…なによ」


レ「霊魂よ! 未だ小さいけど…今の内に倒して置きましょう!」


パ「…どうぞ」


レ「パチェ、今与えた力を使ってみる良い機会だわ!」


パ「えー…」


レ「己の霊力を込めて拳を振るうのよ。さあ、早く!」


パ「…こ、こう?」


レ「もっと強く!」


パ「…っと」


レ「惜しいわ! あと少し!」


パ「…っ」


レ「ダメよ! そんなんじゃ倒せない。ハイ、もう一回!」


パ「…えいっ…」


レ「てやああっ!」


パ「!?」


レ「危なかったわ…あと少しでパチェは大ダメージを受ける所だった」


パ「…あ、そ、そうなんだ…」


レ「未だ力を上手く扱えないみたいね。無理も無いわ。私も此の強大な力を完全にコントロール出来るまで十月十日は掛かったから」


パ「何か産まれそうね…」


レ「其れにしても、此のペースで現れるとすると…私一人じゃ手に負えないわ」


パ「奇遇、私も。あなたがこのペースで現れるなら私ひとりじゃ手に負えないわ」


レ「止むを得ん。咲夜にも…協力して貰うしか無いか…」


パ「…前は秘密って言ったのに…」


レ「もう…そんな流暢な事は言ってられないのよ」


パ「そ、そうなんだ…たぶん、『悠長』の間違いだと思うけど…」


レ「咲夜、咲夜ァ!」



スッ…



咲「ここに」


パ「…改めて見ると、この主人にしてこの従者あり、ね」


レ「時間が無い。簡潔に言うわ。貴女に私の力の一部を授ける」


咲「力の一部?」


レ「ええ、邪悪を払う、聖なる力よ」


パ「…悪魔のくせに…」


レ「右手を貸しなさい」


咲「わかりました」


レ「ふあああああああああっっっ!」


咲「きゃ!?」


レ「力を授けた」


咲「ああ、なるほど…びっくりした…」


レ「侵入者の退治を手伝って欲しいの。紅魔館に入り込んだヤツを全部やっちゃって頂戴」


咲「巫女や魔法使いですか?」


レ「そんな有り触れた存在は無視して良いわ。もっと超常的な存在――霊魂よ!」


咲「………」


レ「霊魂が集まると危険なの。もし見掛けたら、出現場所ごとぶっ飛ばして良いから」


咲「…は、はぁ」


レ「くっ!? な、何ィ、私の部屋の方から反応がっ! ごめん、パチェ、咲夜、行って来る!」



タッタッタッ


バタン



咲「………」


パ「…私の方を見ないでよ」


咲「………」




………




レ「ぐおおおおおおおおおおおおっ!」



ドタドタドタ!


ガッ!



ドッタアアアアアァァァァァァァァン!



パ「うわああああああああああ! 本棚があああああああァァァァァッ!」


レ「くっ…けほっけほっ…今のは効いたわ…」


パ「お前ええええええっ! 今のは効いたわキリッじゃねええええええ!」


レ「落ち着いて、パチェ。此の部屋は今安全に成った。私の左肩は…ちょっとケガしちゃったけどね、へへっ…」


パ「あんたの肩なんかどうでもいいわ! 倒れた棚はどうすんのよ!」


レ「出現場所ごとでもやっつけないと駄目なの。あの棚はね…犠牲になったのよ」


パ「何が犠牲よ!? あんたの妄想の犠牲か!? 直して! 今すぐ直して!!」


レ「パチェ、良い? 今から私が言う事、よく聞いて」


パ「なによ今更! 言い訳でもする気!?」


レ「争いは争いを生む。でもね」


パ「でも何よ!」


レ「争いを止めたければ………争うしか無いのよ!!!」


パ「………」


レ「………」


パ「訳わかんないわよっ! ああもうホントマジこいつ許さんわ! 口にニンニク詰め込んで鼻から聖水流し込んでやる!!」


レ「パ、パチェ、落ち着いて。興奮状態だと霊魂の思う壺よ!」


パ「聖水鼻うがいしなさいよ!」


レ「ととととりあえず、いったん冷静に、ね?」


パ「…はぁ…はぁ…」


レ「ハイ、深呼吸ー。そして落ち着くー」


パ「はぁ…はぁ…そうね…少し落ち着くことにするわ」


レ「ほっ。そうそう。冷静さを欠いては"絶望の霊魂(ナントカ・スピリッツ)"に勝てないからね」


パ「冷静に撃退法を考えることにするわ」


レ「良かった。解ってくれたのね、パチェ。其れでこそ私の親友だわ」


パ「親友だと思うなら、私を巻き込まないで欲しいんだけど」


レ「…解ってる。でもね…貴女の力が必要なの…」


パ「…レミィ…」


レ「ハッ…また…こんな時にっ…」


パ「…まさか、また現れたとか言い出すんじゃないでしょうね…」


レ「大丈夫よ。此処は私独りで何とかするから」


パ「レミィ…もういいわよ。もういい」


レ「え、パチェ…どういう…事?」


パ「また例のごとく侵入者が現れた。間違いないわね?」


レ「え、ええ、その通りよ」


パ「そしてその侵入者は出現場所ごとぶっ飛ばしていいのよね?」


レ「ええ、でも今は私独りで戦うから、パチェは休んでいて」


パ「その必要はないわ」


レ「え?」


パ「咲夜ああああああ! 侵入者が現れたわ!」


咲「は、はい。ここに」


パ「侵入者よ!」


咲「はい、退治いたします」


パ「レミィの言いつけ通り、出現場所ごとぶっ飛ばしてちょうだい!」


咲「かしこまりました。その侵入者はどちらに?」


パ「それは…」


咲「それは?」




パ「レミィの頭の中よ!」




レ「えっ」

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