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もっと東方寝巻巻。  作者: もっぷす
第1回
15/172

慧音Overdrive!

ナンバリングの無いお話はおまけだぞ!

特に読まなくても困らないけど、それは本編にも言えるぞ!

ピーンポーン



『はーい』



すたすた


ガチャッ



慧「………」


『あ、慧音…って、あれ?』


慧「………」


『今日って…』


慧「………」


『………』


慧「………」


『………』




慧「うわぁぁああああああああん!」




『ちょっ…』




………




『…少しは落ち着いた?』


慧「…うん…」


『それで、どうしたの?』


慧「あのね、うんとね」


『…うん』


慧「朝ね…私が起きたらね…こうなってたの」


『…起きたら…』


慧「…こう…なって…」


『…こう…』


慧「キモってたんだよおおおおおおおうわぁぁああああああああん!」



ドンドンドン!



『…いや、自分でキモってたとか言わないでほら…あと床も叩かないで…』


慧「…月の日でもないのにいいいいいいい!」


『…ちょ、満月の日ね。満月の日ってちゃんと言おうか』


慧「…どうすればいい? 私、どうすればいい?」


『別にそのままでもいいんじゃないの?』



ガタッ!



慧「らめえええええええええっ!」



『なになに何さ、テンション高いなあ』


慧「これはれっきとした異変なんだよお!」


『まあ、今日は満月じゃないもんね』


慧「だからこれが他に知れたら騒ぎになるんだ」


『ああ、たしかにそうか』


慧「そして誰かが霊夢にチクる。そして私は退治されちゃうんだうわあああああああ!」



ドンドンドン!



『落ち着いて、慧音。うるさいから。とりあえずうるさいから』


慧「あと子供たちにはお見せできないんだよお」


『なんで?』


慧「恐いのかキ○いのか知らないが、前に夜道ですれ違った子供に悲鳴を上げられたうあああああああああ!」



ドンドンドン!



『だからキモいとか自分で言わないほうがいいって』


慧「ねえ、どうしたらいい? 私、どうしたらいい?」


『じゃあ、しばらくここで大人しくしてれば?』


慧「そういうわけにもいかない。授業はどうするんだ」


『一日ぐらい休んでもいいんじゃね?』


慧「よくない。そんな考え、世間様は許してくれないぞ」


『うーん、まあ、そうだよなぁ…』


慧「どーおーしーよーおー」



ゆさゆさゆさ



『ああ、もう、うっとうしいなあ』


慧「うあーん、今、私が頼れるのはおまえぐらいなんだよおおお」



ゆさゆさゆさ



『うーん…あ、じゃあ俺が授業するよ』


慧「あ…」


『それでいい?』


慧「…そういえば…おまえ、勉強だけはそこそこできたんだったな…」


『…だけ?』


慧「あ、いや、別に…」


『とりあえずこれで授業の心配はないかな?』


慧「ありがとう。やはりおまえのところに来て正解だったよ」


『じゃあ、次に、その姿で困ってることがあれば解決していこう』


慧「おまえは論理的だな。優等生だな。先生うれしい。ぐすっ」


『いいから、ほら。何か不調とかあったら言って』


慧「まあ、さしあたってはキモいことぐらいかな」


『だからあ! キモいとか言うんじゃないってば!』


慧「でもでもだって…」


『でもじゃないよ』


慧「…じゃあ…その…あのね…」


『…なに?』



慧「…私に…かわいいって…言ってくれる…?」



『くっそぉおお! 誰だよあんた! 変化時めんどくさっ!』


慧「…やっぱりかわいくない…?」


『かわいいよ、うん、けいねかわいい。よもぎまんじゅうよりかわいい』



ガタッ!



慧「いよっしゃああああああ! みなぎってきたぞぉおおおおおお!」



『…もうこの人の相手したくないお…』


慧「…かわいいって…かわいいって…」


『で、他に人間の時と違ってることはないんですね?』


慧「まあ、若干の性欲の亢進はあるが、そっちの方はここに来た時点で解決したも同然だしな」


『同然じゃないよ何サラッと怖いこと言ってんの何しに来たんだよ帰れよ何で白昼堂々俺の貞操が危ういんだよ』



ガタッ!



慧「大丈夫! ちゃんと夜までは我慢できそう!」


『違ぇよ時間帯の問題じゃねぇよしかもできそうって一抹の不安を残した言い方じゃねぇか』


慧「良いツッコミじゃないか。その調子で夜のツッコミも、頼んだぞ」



ぐっ!



『もうね、俺は先生には絶望したよ。それは美人女教師じゃなくてね、オッサンの様相だよ』


慧「まあ、それはいいとして、だ」


『いいんだな、オッサンでいいんだな、認めるんだな』


慧「とりあえず早くもとに戻りたいんだ」


『そうだね。夜までには戻そうか』


慧「訂正だ。明日の昼くらいにもとに戻りたいんだ」


『おい、何で訂正した』


慧「しかし、どうしてこうなってしまったのか、私にもさっぱりだ」


『なんでスルーされるのか俺もさっぱりだ』


慧「もとに戻る方法を一緒に考えてはくれないか?」


『ぶっちゃけ、もう慧音とは口を聞きたくない』


慧「そうか、協力してくれるか。このお礼は、うふふふふふ」


『ねえ、発情してるなら帰ってくれる? いや、マジで』


慧「昨日は確か、まず授業が終わってから…」


『…俺今すごくイライラが募っております』


慧「夕食をとって、今日の授業の準備をして、それで普通に寝た。特に変わったことは無かったはずだが」


『そうだね。ふしぎだね』


慧「今朝にはこうなっていたから、もしかしたら寝ている間に何かあったのだろうか」


『頭のネジが外れちゃったんじゃない?』


慧「馬鹿だなあ。私はロボットじゃないぞ、ぶゎーか」


『…ぎぬぬぬ、腸が煮えくり返りそう…』


慧「あーあ、本当に原因がわからないな」


『…誰か俺と代わって…』


慧「そうだ。なにか刺激を加えればもとに戻るんじゃないか」


『うん、自分ちでやってくれる?』


慧「頼むよ。おまえの力が必要なんだ」


『…俺は何すればいいのさ』



ガタッ!



慧「よし、私が向こうから走ってくるから、おまえはそこに立っていてくれ!」


『…俺にぶつかるってこと?』


慧「ああ。頭がぶつかれば、その衝撃でなんとか」


『いやそれ心が入れ替わるパターンだから。俺が慧音で慧音が俺で状態になるから』


慧「そうなのか?」


『そうだよ』


慧「じゃあ、どうすればいいんだ?」


『お化け屋敷でも行けば?』


慧「何のために?」


『刺激を加えるため』


慧「その発想、頭ワルっ」


『…じゃあどっかの岩に頭突きでもしてればいーじゃん』


慧「その発想、頭割るっ」


『ああもうめんどくさいなあ!』


慧「そうだ、逆に満月にしたら戻るかも」


『戻んないと思うよ、うん』


慧「何で? やってみないとわからないだろう」


『じゃあやってみなよ』


慧「馬鹿だなあ。どうやって満月にするっていうんだ、ぶゎーーか」



ガタッ!



『よし出てけ今すぐ出てけ』



ズリズリ…



慧「あっ、ちょ! 真面目に考える! ツノ引っ張らないで!」


『ったくもう…』


慧「女の子のそんなとこ掴んだら駄目なんだよ~。わーるいんだーわーるいんだーせーんせーに言ってやろー♪ あ、先生は私だった。てへ」



ガタッ!



『紅い牡丹の散るより疾く、優雅にそして颯爽と去ねっ!!』



ズリズリ…



慧「いたいたいたい! ごめんなさいー! 私が悪かったー!」


『…はぁっ…はぁっ…血液が沸騰しそうだ…』


慧「とは言っても原因がわからないことには対策の練りようもないしなぁ」


『昨日お酒は呑んだ?』


慧「いや、呑んでない。それに、今まで酒で変化に影響が出たこともない」


『ふむ。昨日の晩ご飯は?』


慧「白米、味噌汁、野菜の煮付け、五目豆」


『変わった材料を使ったりした?』


慧「いや。しいて言うなら隠し味に愛情という名の…」


『食事でもないと。晩ご飯のあとに何か食べた?』


慧「む、そんなことをうら若き乙女に聞くのか。なんだ、おまえは私のことを知り尽くして何をしよ…」


『いいから答えろや』


慧「月見カツ重DXを食べました」


『…夜食?』


慧「…う、うん」


『…重っ…』



ガタタァッ!



慧「仕方ないだろう! 育ち盛りなんだよ! 見ろ、この豊満な…」


『って、月見?』


慧「この豊満…」


『月見かって聞いてんだろこのホルスタイン』


慧「月見です」


『まさかそれが原因ってことは?』


慧「えっ、でも今までカツ重で変化したことは…」


『カツじゃなくて月見だっての』


慧「………」


『これまで卵で変化に影響したことは?」


慧「うーん、記憶にないな」


『でも今のところこれが最有力だよ』


慧「月見そばとかは普段から食べるぞ?」


『…うーん…そうだよなぁ…』


慧「それに、たとえ卵だったとして、どうやって戻るんだ?」


『たしかに。予防はできても、解決はしないか』


慧「あ、でも卵を産めば戻るかも」


『慧音はいつ哺乳類辞めたの?』


慧「誰が母乳類だ」


『…言ってねぇよ』


慧「ともかく、卵ではないと私は思うよ」


『…俺この人のテンションについていけないんだけど』


慧「何か言ったか」


『俺この人のテンションについていけないんだけど』


慧「さて、どうやったら戻れるだろうか」


『…流すなら聞き直すなよ』


慧「あーなんか戻れないような気がしてきたなあ…」


『ねえ本当に戻りたいなら真面目に考えてね』


慧「早く人間になりたいな」


『晩ご飯の前に何か食べた?』


慧「いや、それだと昼食までさかのぼることになる」


『飲み物とかは?』


慧「飲み物なら、お茶と思しきものを飲んだぞ」


『思しきって何?』


慧「教卓に置いてあったんだ。差し入れですって」


『生徒からの?』


慧「知らん」


『知らんって…』


慧「手紙が置いてあっただけだからな。差出人はわからない」


『生徒のだったら筆跡でわかるんじゃないの?』



ガタッ!



慧「おお! あったまい~い!」


『…だんだん慧音の頭脳に疑問を持ち始めてる俺がいる』


慧「生徒の中に同じ筆跡のやつはいないと思う」


『ほお…めっちゃ怪しいな』


慧「まあ、でも私いつもめちゃ頑張ってるから差し入れくらいはもらってもバチ当たんないんじゃん、みたいな?」


『…バチ当たってんじゃん』



ガタタァッ!



慧「くっそおおおおお! 私はいつも頑張ってないというのかああああああああああ! ク○リンのことかぁああああああっ!」



ビリビリ…



『うるさいって! 響くから! 窓鳴ってるから!』


慧「すまない。取り乱してしまった」


『さっきからずっとだけどね』


慧「てへ」


『ところで、それはただのお茶だったの?』


慧「まあ、ちょっとドロッとしてたし青紫だったけど多分お茶かな」


『うん、お茶の要素ゼロね』



ガタピシィッ!



慧「な、何ィ!」


『そんなの飲むなよ…』


慧「だって喉渇いてたんだもん」


『だもんじゃないよ』


慧「喉渇いてたんでごわす」


『誰かのイタズラと見るべきだね』


慧「ねえ、無視? 無視なの?」


『となると薬か何かのせいで強制的に変化させられたのかな』


慧「どなるど? 今どなるどって言った?」


『薬とイタズラで脳内検索をかけると露骨に一匹引っかかるな…』


慧「それってエロ画像とかも検索できる? 私何件引っかかる?」


『これは八意先生に相談したら解決するかもしれないな』


慧「ねえ女医がいいの? 女教師より女医がいいの? 萌えるの?」


『っていうか原因のいかんによらず先生なら解決できたんじゃ…』




慧「よーし、今日は特別におまえのために特別授業を…」




『いいからとっとと永遠亭に行って来おおおおい!!』

※このお話は、ムチャぶり企画に頂いたご意見をもとに作らせて頂きました。改めてお礼とお詫びを申し上げます。ごめんなさい。

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