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もっと東方寝巻巻。  作者: もっぷす
第6回
149/173

9 初恋

前回の問題の答え

問題「第1回パーティーで、幽香さんが着ていたパジャマの柄は?」

→花柄(第9話「9 お披露目」より)


さすがに簡単でしたね。

ボブ「行行林テ ダレヤネン!」


『お前も誰やねん! 台詞の左は一文字にせい! 俺旅立ってねーよ! 文章でスタッフロールすんな! 該当なしなら書くなよ! 誰が枯柳ジョニー(仮)だよ! モブの名前の方がカッコええやん! 行行林読めねぇよ!』


ぬ「何の問題が?」


華「何の問題ですか?」


こ「何の問題もないね」


布「ラミレス♂ビーチの誓い」


魔「初恋の話、はやくー」


『何でそんなに俺の初恋聞きたいわけ?』


魔「おまえの人間時代に興味がある」


『今も人間なんですけど』


ぬ「人間が、私は人間ですって言うか?」


華「人間以外が人間の振りをしてるときしか言いませんよね? 私は仙人です」


『何でそんなねちねち言われるんですかね…』


魔「で、話してくれるのか?」


『まあ、いいけど、別に面白くないよ』


ボブ「キニ シナイ ダイジョブ」


『じゃあ話すよ。あれは小学生のときかな』


こ「おにいちゃん、小学生の女の子が好きだったんだね!」


『犯罪者みたいな言い方やめてね』


魔「10才くらいか?」


『6才か7才かな』


魔「なるほど」


『その頃はまだ外で遊ぶことも多くてさ』


布「健全であるな」


『その夏休みも、学校のグラウンドとか畑とか、よく行ったわけよ』


ぬ「畑?」


『うん。うちの学年はトマト育てて、またこれが冷やして丸かじりすると最高に美味しいんだわ』


魔「で、キスは?」


『うん、気が早すぎるよ』


華「トマトはもうわかりましたから、次へ」


『えっと、まあ夏休みもちょくちょく学校に行ってたわけです』


布「ふむ、童らしい」


『んで、ある日、にわか雨が降ってさ。傘も持ってきてなくて』


こ「あらら、かわいそうなショタっ子」


『それで走って帰る途中、通学路の橋にいたんだよ』


ぬ「女が?」


『そ。俺より1、2コ上かな、くらいの女の子』


魔「ほう」


『白いワンピースで、赤い傘差して、川を見てたわ』


華「川ですか」


『うん、雨で増水した川見てた』


布「子供は何にでも興味を持つからな」


『まあ、そのときは俺も急いで帰ってたから、横通っただけなんだけど』


こ「それでそれで?」


『そのときはじめて見て、それからも雨の日にはそこにいたよ』


ぬ「そこって橋か?」


『うん。特に雨の強いときだった気がする。いっつも川見てた』


こ「マイナスイオン出てるからかな」


『どうだろ。あと、いつも同じワンピース着てたなぁ』


魔「白いワンピースか」


『で、別に一目惚れじゃないけど、よく見るから気になってくるじゃん?』


華「そうですね」


『だから話しかけようかとも思ったけど、何となく近寄りがたい雰囲気で』


魔「いつもの人見知りのせいじゃないのか?」


『それも否めないけど、浮世離れというか、そんな感じがあったんだよ』


布「もしや、仙人か?」


『違う。で、話しかけられないまま、夏休みも終わりが近づいてきて』


ぬ「うんうん」


『また雨の日、やっぱり気になるから、何とかしようと思ってさ』


こ「おお、いよいよ」


『隣に行って同じように川見て、おおすげえとか言ってみたわけよ』


魔「話しかけろよ」


『う、まあ、でもあわよくば向こうから話しかけてくれるかな、と』


ぬ「自分から話しかけろよ…」


魔「こすいところは昔からなのか」


こ「おにいちゃん…かっこわるい…」


華「ダメ男・オブ・ダメ男…」


『ごめんなさい…』


魔「それで?」


『まあ、やっぱりお声が掛かることはなく』


ぬ「やっぱりな」


『無反応かよって思って、その子の方チラ見したら』


魔「チラ見」


ぬ「チラ見」


こ「チラ見」


布「チラ見」


華「チラ見」


『…その子の方を見やると、俺の方を見てました』


魔「マジか」


『びっくりしたよ。今まで動いたのを見たことないくらいだったから』


ぬ「本当かぁ?」


『そう。いつも同じポーズで川見てた。よっぽど好きなんだなって思ったわ』


こ「じゃあ、正面から顔見たの、はじめて?」


『うん、横顔は見てたけどね。色白だったよ』


布「()いことであるな。色の白いは七難隠すと()う」


『まあ、寒かったのも関係あるかもしれないけど』


ぬ「んで?」


『で、こっち向いたから、何か言うかな、と思ったんだよ』


華「彼女は何と?」


『何も。ただ見てただけ』


こ「ざんねん」


『ね。仕方ないから帰ることにしたよ。雨も降ってるし』


魔「結局進展なしか」


『まあね。ただ、帰るときもずっと俺のこと見てたのを覚えてる』


ぬ「お、フラグか?」


『フラグっちゃあ、フラグ』


布「おお。して、その後は」


『それからしばらくは晴れ続きでね。次に降ったのは夏休み最後の日』


魔「おい、まさか」


『え、なに?』


魔「実は両想いだったけど、夏休みいっぱいで引っ越すってテンプレか?」


『あー、違いますね』


魔「そ、そうか、ならば勘違いだ。すまん」


布「ん?」


『で、その日はどしゃ降りで』


魔「ああ」


『夏休みも終わりか、とか思いながら、読書感想文で読んだ本を返しに行った帰り』


ぬ「うん」


『いつもの場所にその子がいなくてさ』


こ「え、いなかったの?」


『うん、雨の日は必ずいたんだけど、そのときだけ』


華「それじゃあ、会えなかったんですか?」


『いや、その子がいつも見てた方を見たらさ、いつものワンピースで川のそばに立ってた』


ぬ「どしゃ降りなら危なくね?」


『危ないね。その子がいたの、立入禁止の柵の先だったから』


布「柵まであったとは」


『うん。小さい川だけど、その前の年に危ないからって柵ができたんだ』


魔「命知らずだな」


『ね。水嵩も増して流れも速くなってたし』


こ「それで、おにいちゃんはどうしたの?」


『危ないし、何してるんだと思って見てたら、川に近づいて行くんだよ』


魔「ひえー」


『さすがに、危ないよって言ったけど、川の音で全然届かなくって』


布「ふむふむ」


『その子がどんどん川に近づくから、柵高かったけどなんとか飛び越えて駆け寄ったよ』


ぬ「おお」


『それで、危ない! って、引き止めようとしたら』


こ「したら?」


『誰もいなかった』


魔「…は?」


『目を疑った。誰もいなかった』


ぬ「………」


『ただ、足元に花束があってさ』


こ「ロマンチック?」


『どっちかって言うと、お供えみたいな花束ね』


華「…不吉ですね…」


『うん。で、花の中に、名刺サイズのカードが一枚。何が書いてあったと思う?』


魔「…わからん…」


『俺の名前だよ』


ぬ「………」


『あ、と思ったときにはもう遅くて、左足首を掴まれた。冷たい手だった』


こ「………」


『凄い力で川に引きずり込まれた。右足で踏ん張ろうとしたけど、すぐに掴まれた』


布「………」


『水って重いね。横からは流されるわ、下からは引っ張られるわで体ちぎれるかと思った』


華「………」


『んで、あっという間に息苦しくなって、もがいても無駄で、目も開けられないし、満足に動けないし視界が赤く染まってダメって女の子の声がして意識を失った』


魔「………」


『夢かわからないけど、真っ暗な中に笑い声が響いてた』


こ「………」


『誰かの声で目が覚めたよ。大人の男の人だった』


ぬ「…助かったのか?」


『うん。そのおじさんが助けてくれたみたい』


華「危ないところでしたね」


『本当だよ。俺が柵飛び越えるの、見たんだって。しこたま怒られた』


こ「その人は女の子見たの?」


『訊かなかった。たぶん意味無いし』


魔「まあ、そうかもな」


『そんで、そのまま俺の家まで送られて、親からも怒られてさ』


ぬ「何で川に近寄ったか訊かれなかったか?」


『訊かれた。風で帽子が飛んで拾おうとしたって答えたよ』


華「女の子のことは言わなかったんですね」


『さすがに言えないよ。で、次の日、学校に行く途中に橋を通ったらさ』


魔「ああ」


『いつも女の子がいたところに、花束が置いてあって』


ぬ「え、ヤバいんじゃね」


『同じように紙が入ってて、やっぱり何か書いてあるわけ』


こ「おお…」


『美里ちゃん、だって。それでわかったよ』


華「話の女の子は美里ちゃん、なのですね」


『たぶんね。さっき、なんとか柵飛び越えたって言ったよね?』


ぬ「助けようとしたときだな」


『そう。とてもワンピースの少女に跳べるとは思えないんだよね』


こ「じゃあなんで川のそばにいたの?」


『彼女が川に近寄ったときには、柵は無かったんだ』


魔「どういうことだ?」


『前の年に柵ができたって言ったけど、事故があったからみたい』


ぬ「その事故に遭ったのが…」


『美里ちゃん、だってさ。花は友達の親が供えてたみたい』


こ「でも何でおにいちゃんを連れていこうと?」


『さあ。ひとりで寂しかったのかもしれないね』


魔「そんなことがあったとはな」


『今思うとよく助かったよ』


魔「確かにな。ただひとつ言えるのは、あれだ」


『ん、何?』


魔「おまえは気づいてるかわからんが」


『うん』





魔「これ怪談じゃねーか!」

第9問

「第1回パーティーの人生ゲームのとき、幽香の左隣に座っていた人物は?」


これはさすがに覚えている方はいらっしゃらないでしょうから、読み返さないと無理だと思います。

ちなみに作中に具体的な記述はありませんが、

1.全員で輪になって座っている

2.反時計回りに順番が回っている

みたいなので、一応全員の位置取りはわかるはずです。

まあ、勘で答えていただいてもまた一興ですが。

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