おしゃれな帽子
お久しぶりです……。
魔「ちょっとこれかぶって」
『何これ』
魔「おしゃれな帽子」
『メカだよね?』
魔「おしゃれな帽子」
『メカだよね?』
魔「おしゃれな帽子」
『議論が平行線だ!』
魔「とりあえずかぶってみてくれ」
『いやいや、怖いっすよ』
魔「大丈夫だ。ただちに影響はない」
『うん、かぶらないわ』
魔「冗談だよ。にとりが作ったものだから大丈夫だって」
『いや、にとりが作ったイコール大丈夫とは思ってないからね』
魔「ちょっとした実験道具なんだよ」
『どんな実験?』
魔「心理学的な実験」
『あ、もしや、ウソ発見器?」
魔「もっとソフトなもの」
『じゃあ何さ』
魔「教えたら面白くないだろ」
『面白くなくても身の安全が』
魔「わかった。おまえのあとに私もかぶろう」
『言ったね』
魔「言った。どうだ?」
『そこまで言うならかぶろうじゃないの』
魔「よし、その意気だ」
『ホイ、かぶったよ』
魔「じゃあ、いくぜ」
『俺は何すればいいの?』
魔「特に何も。リラックスしてればいい」
『了解』
魔「では」
『来い』
魔「カレー」
『………は?』
魔「ハンバーグ」
『………え?』
魔「水着」
『はい?』
魔「巨乳」
『え、ちょっと、これ何?』
魔「スク水」
『…何言ってんの?』
魔「温泉」
『えー…無視っすか』
魔「覗き」
『やっぱりこれウソ発見器的なものじゃないの?』
魔「イヌミミ」
『出たよ、イヌミミ』
魔「ネコミミ」
『彼女は何がしたいんでしょうかね』
魔「ウサミミ」
『ケモミミシリーズで来たよ』
魔「なるほどな」
『お、終わり?』
魔「ああ。終わってるわ。おまえが」
『俺が!?』
魔「ひどい結果が出た」
『今ので何がわかるの? 脳年齢?』
魔「まあ、ある意味」
『して、この機械の正体は?』
魔「言った物の好感度がわかる機械」
『おい、巨乳とか言わんかったか』
魔「言ったけどダメだった」
『ああ、測定不能とかもあるのね』
魔「いや、測定はできた」
『え、じゃあ何?』
魔「いや、なんか…」
『何か?』
魔「男としてダメ…」
『何でだよ!』
魔「まあ、先に結果の概要だけ言うとだな」
『うん』
魔「男としてダメ…」
『聞いたっつーの!』
魔「2014年までの長い間お疲れ様」
『いや、主人公替わらないからね!?』
魔「あ、そう…」
『で、詳しく教えてよ』
魔「まあ、さっきも言った通りで、好感度を測る機械なんだが」
『うん』
魔「この端末のボタンを押して、本人に聞こえるようにモノの名前を言う」
『ほう』
魔「すると、この端末にその好感度が四段階で表示される。以上」
『シンプルですね。でも四って半端じゃない?』
魔「興味なしと、一から三だ」
『なるほど。最高がバリ3なワケか』
魔「ちなみにおまえの結果だが」
『うん』
魔「男としてダメ…」
『詳細を教えてよ!』
魔「水着0、巨乳1、スク水0、温泉3、覗き0、イヌミミ3、ネコミミ0、ウサミミ1」
『別にええやろ!』
魔「美少女」
『あ』
魔「盆栽」
『おい』
魔「美少女が1で、盆栽が2だったわ」
『すいません』
魔「なんならジャンルを盆栽コメディにするか?」
『ラブコメがいいです』
魔「愛」
『素敵!』
魔「おい」
『どうだった?』
魔「0だった」
『ラブだけにね』
魔「ちなみにテニス用語のラブは愛のラブに由来するので洒落になってません」
『勉強になります』
魔「そして来週からはイケメンでここぞというときにカッコイイけどちょっぴりスケベな主人公に替わりま」
『せん』
魔「ラブコメは諦めま」
『せん』
魔「できるのか?」
『もっと下心を全面に出せばいいんでしょ?』
魔「まあ、下品な言い方をすれば」
『じゃ、次は魔理沙の番やね?』
魔「おい、変なこと言ったら床コロコロするやつミシン目だらけにするぞ」
『何気に陰湿ですね』
魔「単語は一個だけな」
『それは不平等でしょ』
魔「…それは…そうだけど…」
『大丈夫大丈夫。魔理沙が照れる程度のにするから』
魔「程度の、って…言うのかよ…」
『まあ、魔理沙だって巨乳とか言ったし』
魔「う…それは…」
『まあまあ、観念しなって』
魔「いいか、これ、おまえとの今後の人間関係が左右されるからな」
『ぐふふ。魔理沙と同じく十単語くらいね』
魔「絶対に変なこと言うなよ!」
『はいはい。準備オッケー』
魔「…よっ…いいぜ…」
『では』
魔「………」
『えっと…』
魔「………」
『なんだろ…』
魔「………」
『…カレー』
魔「…照れる程度は?」
『ま、まだ様子見だし…』
魔「そうですか」
『次はね…』
魔「………」
『…肉』
魔「………」
『…野菜』
魔「………」
『…イヌミミ』
魔「………」
『…魔法』
魔「………」
『…デート』
魔「…う…」
『…男』
魔「男っておまえ…」
『…き、キス…』
魔「…っ…」
『…パンツ』
魔「…は?」
『え、あと…お金…』
魔「………」
『あ、終わりです』
魔「…そうか」
『じゃ、これ返すわ』
魔「…おう」
『さて、お茶でも飲も』
魔「お、おい、結果は?」
『え、俺の心の中にしまっておくけど?』
魔「気になるだろ!」
『え、言った方がいい?』
魔「…あまり聞きたくない気もする…」
『いや、どっちやねん!』
魔「じゃあ、聞く」
『ええ、結果はですね』
魔「うむ」
『カレー2、肉3、野菜0、イヌミミ0、魔法3、デート1、男0、キス1、パンツ0、お金3』
魔「あ、よかった」
『いや、あんま良くないと思うんですけど』
魔「いや、それ以前にパンツって質問が私には意味無いって気づかなかったか?」
『ミスったわ』
魔「アホだなぁ」
『でも年頃の女の子がデート1キス1って』
魔「別にええやろ!」
『それで肉3だからまだまだ子供ですね』
魔「盆栽2に言われたくないな」
『いやいや、俺はもう駄目だけど、魔理沙はヤバいって』
魔「ああ、おまえもうダメなのか」
『周りの女の子は、恋とかキスとか、憧れてるはずだよ?』
魔「そんなのに興味ないやつだっていっぱいいるだろ」
『素振りは見せないかもしれないけど、内心は乙女なもんだって。魔理沙は出し抜かれてるの』
魔「え、いや、え、それはないだろ?」
『まあ、魔理沙は割と素直だから知らないかもね』
魔「え、じゃあ、霊夢とか咲夜が色恋に興味あるって言うのか?」
『そりゃ、あるでしょ』
魔「絶対?」
『ほぼ間違いなく』
魔「好きな人とかは?」
『いるかもしれないね』
魔「はは…そんな馬鹿な…」
………………
『ちょっとこれかぶって』
霊「ぜったいいや」
『心理学的な実験にご協力ください』
魔「そうだそうだ」
霊「いやだ」
『何で?』
霊「アヤシイから」
『霊夢の好きなものを調べたいんだよ』
霊「平穏と縁側で飲むお茶」
魔「そりゃ誰でも好きだ」
霊「はいはい。あやしすぎ、必死すぎ」
『わかった。じゃあまず俺がかぶるよ。それで使い方を説明する』
霊「ふうん」
『ホイ、魔理沙が言う単語の、俺の中での好感度がわかるから』
霊「へえ」
魔「キス」
『…っ…!』
魔「0だわ」
霊「正確だこれ」
『そこで信用しないで!』
霊「というか、そのリアクションで0って何なの?」
『ちょっとでも数値を上げたくて…』
魔「嘘はつけないみたいだな」
『まあ、こんな感じで危なくはないから』
霊「でもいや」
魔「何でだよ」
霊「じゃあ、あらかじめ言う単語を教えなさいよ」
魔「そうきたか」
『どうする、魔理沙』
魔「やむを得ん。言おう」
『オッケー。妖怪退治、男、デート、キス、お金。以上です』
霊「はあ? ホントにそんなの聞きたいの?」
『魔理沙がね』
霊「ああ、そういうこと」
魔「違うって。私じゃなくて、こいつが」
霊「いずれにせよ、期待してる結果にはならないと思うけど」
『いやいや、そんなことはないかと』
霊「まあいいわ。早く終わらせてよ」
魔「じゃ、かぶってくれ」
霊「はい、これでいいの?」
魔「うむ」
『じゃ、いきます』
霊「どうぞ」
『妖怪退治』
霊「私は何か答えるべきなの?」
魔「いや、答えなくてもいいぜ」
『はい、次、男。デート。キ…キス…。お金』
霊「………」
魔「何でキスだけ言いよどむんだよ」
『恥ずかしいんだもん』
魔「気持ち悪いな」
霊「で、気は済んだ?」
『済みました』
魔「結果は?」
『妖怪退治1、男0、デート0、キス1、お金3』
魔「そらみろ。霊夢に色恋なんかわかるはずがない」
霊「あん?」
『まあ、霊夢はマイペースだし例外だよ』
霊「なによ」
『咲夜さんはたぶん違うと思う』
魔「そうかぁ?」
『天然っぽいけど、きっとロマンチスト』
魔「咲夜がねぇ」
霊「で、私は悪口言われて終わり?」
『うん、終わり』
魔「精進するんだな」
霊「ちょっとこれ魔理沙にかぶせて『俺』って言ってみなさいよ」
魔「何でだよ。しなくても0だってわかるだろ」
霊「どうだか」
『まあ、でもホントに0だったら立ち直れないんでやめとこう』
霊「次、私にもやらせなさいよ」
魔「今やっただろ」
霊「私が言う番」
『誰がかぶるの?』
霊「あんた」
『まあ、一個くらいならいいけど』
霊「そう。じゃ、一個でいいわ」
魔「何を言う気だ?」
霊「魔理沙」
魔「ごめんなさいやめてください」
『え、何、もうかぶっていい?』
霊「いいわよ」
魔「霊夢、もっと面白い単語にしようぜ。羊羹とか煎餅とか」
霊「心配しなくてもあんたには見せないわよ」
魔「いやいや、一個しか言えないんだぞ。もっと慎重にだな」
『はい、かぶったよ』
霊「魔理」
魔「げっほげほげほげほ!」
『え?』
霊「魔」
魔「ごっほごほごほおえ!」
『え?』
魔「げほげほげほげほ!」
霊「ああもう」
魔「何だ?」
『もういいの?』
霊「仕方ないわね。いいわよ、今度で」
『さて、次に行きましょうか』
魔「そうだな」
霊「あんた、それかぶって行くの?」
『持ったら手が塞がるし』
霊「まあ、確かに」
『またね、霊夢』
魔「じゃあな、霊夢。また来るぜー!」
霊「あ、魔理沙! あ…」
魔「何だ?」
霊「い、いや、これ忘れてるわよ」
魔「おお、危ない危ない。よし、今度こそ、じゃあな!」
霊「…うん。がんばりなさい」
http://syosetu.com/userblogmanage/view/blogkey/1025870/
そりゃ私が投稿していないんだから集まりませんわ……。
本当に申し訳ございません。




