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もっと東方寝巻巻。  作者: もっぷす
第5回
128/173

怖い話 ※注:怖くないよ!

『よし、帰るか』


雛「帰らないわよ」


『でも、夜のお墓ってやることありませんよ?』


雛「胆試しだから」


『いや、試すまでもなく、俺ビビリなんで大丈夫です』


雛「いいから歩きなさい!」


『ひゃあ、鬼が出た!』


雛「誰が鬼よ!」


『マジ怖ぇ…パートナー含む…』


雛「貴方ねぇ、そんな情けないとあの子に呆れられるわよ」


『ひぃぃ、あの子って何か見えるんですか!』


雛「違うわよ。あの魔法使いの子」


『あ、魔理沙のことですか?』


雛「そ。ペアになれなくて残念だったわね」


『いえ、たぶん俺に追い打ちかけようとするんでよかったです』


雛「強がっちゃって」


『むしろ弱がってますけど』


雛「ああ、恋する二人が胆試しデート…素敵よね」


『えぇっ…カップルの霊が見えてるんですか!』


雛「違うわよ! 貴方たちのこと!」


『えぇっ…俺の隣に霊が見えてるんですか!』


雛「違うわよ! 貴方が彼女とペアになってたら良かったわね、って!」


『彼女? ああ、あかりちゃんですか』


雛「誰よそれ。魔法使いの子のことを言ってるの」


『ああ、魔理沙ですか』


雛「本当は、『私怖いわ』『大丈夫、俺がいる』ってできたのに」


『たぶん魔理沙は怖がらないかと』


雛「じゃあ、『…俺…怖いんだ…』『大丈夫、私がいるじゃない』ってこと?」


『まあ、魔理沙はそんな口調じゃないんですけど』


雛「細かいことはいいのよ」


『とりあえず、「…俺…怖いんだ…」は絶対言います』


雛「彼女を頼るのはいいけど、私には頼らないでよ?」


『頼るかどうかは別として、「…俺…怖いんだ…」は絶対言います』


雛「彼女も可哀想に。こんな頼りない男に惚れて」


『いえ、惚れてないと思いますが』


雛「またまた。惚れてなかったら何よ、愛してるってかぁ? 変なこと言わせないでよ!」


『何ですかどうしたんですか』


雛「若いっていいわねぇ、青春青春」


『雛さんってそういう話好きなんですね』


雛「まあ、嫌いではないけど。え、何か話してくれるの?」


『ひとつ言っておきますけど』


雛「なあに?」


『勘違いですよ?』


雛「何が?」


『魔理沙は俺のこと好きじゃありません』


雛「あっはははははは」


『え、笑うところですか?』


雛「まあ、不安になることもあるわよねぇ」


『いえ、別に卑屈になってるわけじゃなくて』


雛「いつも順風満帆とはいかないものよ。どれ、悩みがあるならお姉さんに何でも相談なさい」


『あ、予想以上に面倒なタイプだ』


雛「で、何で嫌われてると思うのよ。最近キスしてくれないとか? なんか冷たい気がするとか? ねぇ、何なのよ?」


『まあ、まず落ち着いてください』


雛「はいはい、聞いてあげるから存分に話してちょうだい」


『とりあえず魔理沙と俺は付き合ってません』


雛「あら、やっぱり? なんかそんな感じだもんねぇ。まだ付き合ってないのかぁ」


『いえ、まだとかじゃなくて…』


雛「それで、いつ告白するの?」


『しません』


雛「あらら、何で? あ、嫌われてるかもって言ってたもんねぇ、それでちょっと困ってるのね?」


『違います』


雛「あら、困ってないの? もしかして告白されるの待ってるの? ダメよ、女の子に告白させちゃ。女の子は待ってるんだから。男の子なんだから頑張りなさい、ね」


『あのですね』


雛「はいはい、なあに? あ、何で嫌われてると思ったかってこと?」


『違います』


雛「じゃあ、あれかしら? 女の子はどういう告白がうれしいかって? やっぱりそういうのって相談したくなるのねぇ」


『いや、だから魔理沙は…』


雛「あ、はいはい。女の子一般じゃなくてあの子はどういう告白されたいかってことね。でも私、そんなに親しいってわけじゃないから、そういうのはあの子の友達に聞く方が確実よ?」


『あの』


雛「あ、でもだいたいの女の子の傾向を押さえることは大事だから、私に答えられることもけっこうあると思うわよ」


『俺は魔理沙に恋してません』


雛「え、なによ、この気持ちは恋なんかじゃなくて愛ってわけ? たはぁ、ごちそうさま!」


『だああああああああ!』





………………





『マジ怖い お化けと女の 好奇心』


雛「で、いつから好きだったのよ。っていうか出会いは? どんなふうにして知り合ったのよ? そのときから好きだった?」


『もうすぐチェックポイントか。置いてあるおふだを取って戻ればいいんだよね』


雛「どのへんが好きなの? 活発なところ? 押しが強いところ? じゃあ気づいたら好きになってたみたいな? いいわねぇ、素敵」


『意外と何も出なかったけど、これで終わるはずが…』



「ちーかーよーるーなーかーれー」



『原作と若干変えてきた…誰だ!』


芳「ちーかーよーるーなー」


『キ、キョンシー!? まるで人妻臭たっぷりの邪仙に霊廟の番人を命じられているかのように佇むこの宮古芳香はいったい何者…』


雛「それで、自分では何で好きだと思うの?」


『まだ言ってる!』


雛「え、何が? ねえ、教えてよ。いいでしょ、誰にも言わないわよ大丈夫。ね? じゃあ、サンハイで言って、ね? 行くわよー、サンハイッ」


『キョンシーより、ずっとこわい!!』


芳「なんだとー、私が怖くないのかー。ショックだー」


『いや、怖いよ。怖いけど』


雛「え、恐いの? それは貴方が怒らせるからじゃない? どうせ他の子にデレデレしてたんでしょ」


『いや雛さんに言ったんじゃなくて…』


芳「えーい、いいから、ちーかーよーるーなー」


雛「そうよ、あんまり他の子に近寄ったら女の子が不安になっちゃうってわかるでしょ?」


『いや、近寄ってないですから』


芳「お前ー、そう言いながら思いきり近づいてるぞー。この先に入るなー」


『いや、それはそこに取りたいものがあってね…』


雛「えっ、取りたいって、まさか他の男の彼女に手を出してるの? ひどい、最低、人間のクズ、女の敵。で、奪えそう? 向こうはなんて?」


『俺は他人のそういう領域に踏み込みません!』


芳「嘘つきめー。入るなと言ったのに踏み込んでいるだろー。青娥に怒られるー」


『って、やっぱり娘娘が…』


雛「ええっ、やっぱりニャンニャンがしたいって言われたの!? 相手の女に? ちょっ、体の…というか、その男と別れさせたいの? 恨みでもあるの?」


『あっ、いや、ちょっ、何の話ですか!』


芳「何のって、青娥の話だろうがー。これ以上入ったら容赦せんぞー」


『いや、だから…あ、俺が入らんでもいいのか。ちょっとそれ取ってくれる?』


雛「なっ、え、別れさせるために、私が男を取るってこと? た、確かに何でも相談してって言ったけどそんな…自信無いわけじゃないけど…でも相性が合ってるかどうか…」


『いや、それは取らなくていいですから!』


芳「なんだー、取れってここに置いてある札じゃないのかー」


『あ、いや、うん、合ってるよ』


雛「本当? 相性合ってる? 私ちょっと強引気味な人がいいんだけど、その男もそういうタイプって思っていいのかしら? ねえ、強引な人なの? 顔はどんな感じ? イケメン? キス魔?」


『いやもう拾いきれないんで、一旦置いといてもらえます?』


芳「アイテムがいっぱいなのかー? 何か捨てるといいぞー?」


『あ、ちょ、持てる持てる』


雛「お、モテるってことはカッコイイのね! いやー、燃えてきたわ。いつ会えるかしら? 明日は仕事?」


『ああ、だからそうじゃなくて!』


芳「ん、これじゃないのかー? 結局何を取ればいいんだー?」


『おふだ!』


雛「オフなのね!」


『オフだ、じゃない!』


芳「おま…自分で言って即否定とか…正気じゃない…」


『えっ…』


芳「…この人…」


『え、俺…?』


芳「…この人…怖っ…」





『…俺…怖いんだ…』

肝試しは犠牲になったのだ。

コントの犠牲にな。

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