水着コンテスト 前編
天「水着コンテストやるわよ!」
『いや、いいわ』
魔「それはそうとして、寺でイベントやるらしいぜ」
『あ、ほんと? 行ってみようかな』
………………
魔「やはり来たか」
『え、ズルくね?』
天「頭脳プレーよ」
『あの、ここお寺ですよ』
天「知ってるわよ」
『何するって?』
天「水着コンテスト」
『ここどこだっけ?』
天「講堂」
『何するところ?』
天「広いし、レクリエーションとかするとこじゃない?」
『「講」堂だっつーの』
魔「まあ、ちゃんと許可は取ってあるからな」
『誰の許可さ。どうせ船長でしょ』
「いいえ。それは私が許可いたしました」
『だっ、誰だ!?』
聖「私です。白蓮です」
『聖さん!?』
聖「こんにちは。いつもありがとうございます」
『え、いえ、何がでしょうか?』
聖「貴方はいつも妖怪を分け隔てなく行事に参加させてくださいますから」
『企画は魔理沙ですよ』
天「今回は私ね」
聖「はい。お三方のお力ですね。今回は水着コンテストですか」
『らしいですね』
聖「なんでも貴方が、可能な限り多くの人間や妖怪の水着姿をじっくりねっとりねめまわしたいとおっしゃったとか」
『…俺は君たちのどっちを怒ればいいのかな?』
天「あっち」
魔「あっち」
『責任の擦り付け合いを…』
聖「早速、うちの者たちにも話しておきました」
『ええっ、俺がじっくりねっとりってですか?』
聖「はいっ」
『なんと おっしゃる うさぎさん!』
聖「もうじき集まってくると思いますよ」
『そもそも、なんでお寺なのさ』
魔「ここか紅魔館しか借りられる場所が思いつかなかった」
『こういうアホ系イベントは紅魔館でやりなよ』
天「だって前、あんた来なかったじゃん」
魔「ここにして正解だったぜ」
『やるらしい、とか言って主犯とか詐欺だよね』
ガラリヌス
村「あ、いたいた。変態だ」
『てんこちゃんのことかな?』
村「水着美少女舐め回したい変態だ」
『俺かよ! ってか俺じゃねーよ! ってかねめまわすだよ! ってか言ってねーよ!』
魔「四段ツッコミ…ついに沢村の三段ドロップを超えたか…」
天「うわセーラー服だ。あざとっ」
村「聖、この方は?」
聖「今回の水着コンテストの参…審査員の方です」
天「誰が参加してもしょうがないまな板バディよ!」
魔「え、出るの?」
天「出るわよ!」
村「ということは、審査員は…」
『俺はただの会場設営だよ』
村「ああ、だから興味ないはずの水着コンテストに顔出して」
『いやいや、人並みには興味あるから』
魔「え?」
村「え?」
魔「え?」
天「え?」
魔「え?」
『あるから』
魔「え?」
村「どれくらい?」
『海水浴に行った先で出店が無く偶然水着コンテストやってたら見るレベル』
村「出店があると?」
『香ばしい焼きトウモロコシの匂いに誘惑されながらも、屋台は価格が高いので、帰りに八百屋でトウモロコシを買って、家で焼いて食べる(バター醤油にて)』
村「花より団子状態!」
天「色気より食い気!」
聖「美味しそうですね!」
魔「なんかズレてるのがいるな」
村「じゃあ、審査員は誰が?」
魔「いや、こいつだぜ」
『えっ、俺?』
天「当たり前でしょ。他に誰がいるのよ」
『てんこちゃんが他人の水着にケチつけるだけの企画かと思ってた』
天「…あんたの中の私どんだけ性格悪いのよ」
『実際のてんこちゃんぐらい』
天「相当のワルね…」
魔「認めるのか…」
村「はいはい、とにかく出る人は準備ねー」
天「なんであんたが仕切るのよ…」
………………
『さあ、やってまいりました。第1回水着コンテストin命蓮寺』
聖「やってまいりました」
ナ「なんだこれは…」
『ええ、私、本日審査員を務めます冴えないボンクラ野郎です。よろしくお願いいたします』
聖「よろしくお願いします」
『隣の二名が、解説の聖さんとナズです。本日はよろしくお願いいたします』
聖「はい。がんばります。よろしくお願いします」
ナ「………」
『さて、今回の第1回水着コンテストですが、まずは大会の主旨から説明いたしましょう』
聖「はい、教えてください」
『えー、このコンテストは、ワガママ天人のひななゐ(←漢字忘れちゃった…てへ)てんこ(←なぜか変換できない)ちゃんが発案したもので』
ナ「括弧が鬱陶しいな」
『青少年の健全な成長および発育を目的とし、他者との適度な競争意識を促すことで自らの健康や成長への関心を深め、体調・健康管理による種々の病気の予防を期待するとともに、夏の風物詩としての文化・伝統の継承にも貢献するもの、だそうです』
聖「まあ、素晴らしい」
ナ「誇大広告甚だしいな!」
『今大会のルールにつきましては』
聖「はい」
『俺の独断と偏見で点数をつけていいそうです』
聖「まぁ、そうですか」
ナ「私たちがいる必要あるのかい?」
『うん。一人で水着を見るのは手が震えるから…』
ナ「水着ってそんな心霊写真的なものだったかな」
『まあ、とにかく、俺が五段階で評価しまーす』
聖「はい、がんばってください」
『んじゃ、まずエントリーナンバー1番の魔理沙。どうぞ』
ガラリ
魔「これ、私何すればいいんだ?」
『なんかポーズ取るとか?』
魔「じゃあ、はい、立ち木のポーズ」
『ヨガかよ』
魔「ってか、屋内で水着ってだけで恥ずかしいのに、寺でポーズって異次元の羞恥だな…」
『では、最後に何かあれば』
ナ「面接か」
魔「やる気では誰にも負けないので、よろしくお願いいたします」
ナ「面接か」
『はい、じゃあ評価は3ね。じゃ、次』
ナ「いやいや、流れ作業過ぎるだろう」
『え?』
ナ「講評とかするべきなんじゃないのかい?」
『なるほど。えー、ワンピースタイプの水着は華美過ぎず露出も控え目でよいと思います』
魔「なのに3か」
『んー、ちょっとインパクトが弱いというか、工夫が欲しかったね。やっぱりそういう感じか、って思ったから』
魔「…そうか」
『聖さんはどう思われます?』
聖「はい、いいと思います」
『なるほど。ナズは?』
ナ「特にない」
『なるほど。はい、魔理沙さんでしたー』
魔「え、私このあとどうするんだ?」
『こっち側座ってれば?』
魔「って、おまえら正座で見てるのかよ」
『そうだよ』
魔「寺で正座で水着審査ってシュールだよな」
『え、じゃあ寺でソファ座ってガウン着て膝にシャム猫乗せてワイングラス揺らしながら水着審査すればいいの?』
魔「そこまでは言わないが…というかカオス過ぎるだろ…」
『まあ、別に正座じゃなくてもいいんじゃないかな。ね、聖さん?』
聖「はい」
魔「そうか。早く着替えたいぜ」
『着替えはグランプリ発表まで待ってね。はい、じゃ、次、てんこ』
ガラリ
天「なんで呼び捨てなのよ!」
『って、てめーは何でブルマなんだよ!』
聖「まあ、懐かしい」
ナ「アホだ…」
魔「アホだ…」
天「ふん。水着コンテストで水着なんてつまらない。ファッションってのはね、既存の美の価値観を壊すことなのよ」
『芸術は型にハマらないってわけか』
天「そう。またも儚月抄水着のズボラや虎だしまあ虎柄でいい門天とは違うのよ」
『おい、ネタバレしおった!』
ナ「やはりご主門天は虎柄か…」
天「さあ、評価なさい。そして私のグランプリ受賞を讃えなさい」
『てんこちゃん…』
天「ふふ、5段階では足りない? いいわよ、6でも7でも」
『たしかに、普通とか常識の枠に囚われないことは大事だよ』
天「でしょ? なかなかわかってるじゃん」
『でもね、そこで、ブルマにしたのはどうして?』
天「え、そんなの、男ウケがいい萌えアイテムだから…」
『…残念だよ…』
天「…え?」
『…残念だって言ってるんだ』
天「…なっ、何よあんた…私に意見する気!?」
『何でわかんねぇんだ…ブルマは萌える…それ自体が常識に囚われてるんだよォ!』
\ /
● ● この幻想(ry
" ▽ "
天「なッ!?」
『萌えといえば、ブルマやスク水、ナース、スクール、プリンセス、チャイナメイドに巫女メイド…』
ナ「途中から、のらメイドになってるよ」
『君のやったことは、常識を投げ捨てたんじゃない…単に右手から左手に持ち替えたにすぎないんだよ!』
天「そ…そんな…私が…」
『そんな細い脚でブルマ穿かれてもね…聖さんなら似合うだろうけど』
聖「ありがとうございます」
魔「………」
『じゃう、じゅ、冗談だけどね』
天「…私は…じゃあ私はどうすればよかったのよ!」
『せめてジャージ(上は中に指定Tシャツを着ること。下は短パンタイプ・長ズボンタイプともに可。ソックスは白(柄は入っていてもよい)で加点。下着はスポーツブラで加点。頭にはハチマキで加点。長髪の場合、まとめると加点)にすべきだったね』
ナ「補足細かっ。気持ち悪っ。君の青春時代に何があったんだ?」
魔「あと、赤のノースリーブジャージで加点」
『妹子ボーナスはありません』
太「おい妹子。お前コンテスト出ろ。そしてビリになって恥かけ」
屠「いやですよ太子。あと妹子じゃなくて屠自古だって言ってんだろこの納豆ごはんがっ!」
太「まぬぺーっ! だっ、誰が納豆ごはんだこのキムチ牛乳妹子!」
聖「帰ってください」
天「盲点だった…私は策に溺れた…」
『てんこちゃん…』
天「嗤うなら嗤いなさい。私は憐れなピエロよ…」
『ううん。発想は悪くなかったよ。ただ…』
天「ただ…?」
『水着じゃないから失格。0点。ビリ決定』
天「う…うわぁあああああああん!」
ブックマーク登録100件超えてました。
皆さん、本当にありがとうございます!
これからも寝巻巻をよろしくお願いします!




