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もっと東方寝巻巻。  作者: もっぷす
第5回
124/173

プールに行こうぜ!

主人公がプールに行かない話です。

魔「プールに行こうぜ!」





『いや、いいわ』





………………





魔「こうして水着回は中止になった」


天「えぇ…仮にもラブコメの主人公が水着回中止にするってどうよ…」


魔「まあ、ラブコメ(ラブとは言っていない)だしなぁ」


霊「というか、なんでてんこ(あんた)神社(うち)にいるわけ?」


天「水着回だから」


魔「だから水着回じゃないっての」


霊「そもそも水着回にあんたの需要無いでしょ」


天「あるわよ」


魔「何だ、その根拠無い自信は」


天「根拠ならあるわよ」


霊「何よ」


天「か・わ・い・い・か・ら」


魔「え? かわいはバントがうまい?」


天「どういう聞き間違いよ!」


霊「しかもネタが古いし」


魔「まあ」


天「とにかく、三、四年ラブコメやってて水着無しってヤバくない?」


魔「だからラブコメじゃないって」


天「でも何とかしてねじ込みたいわよねー」


霊「まあ、暑いからプールに行くのは賛成だけど」


天「ところで、プールってほんとにあんの?」


魔「あるぜ。紅魔館に」


霊「あったわね。でもあれ、まだあるのかしら」


魔「プールが現れたり消えたりするのか?」


霊「だってどう考えても邪魔じゃん」


魔「いやいや、私が夏に行くのに必要だぜ」


霊「何であんた用かつ期間限定の施設が紅魔館に必要なのよ」


魔「私が行くから」


天「で、プールはあるの? ないの?」


魔「無ければ作らせればいい」


霊「どういう思考回路してんのよ」


魔「まあ、パチュリーならサクッとやってくれるだろう」


天「じゃあ、誰かがそっち行って確認したほうがいいんじゃないの?」


霊「面倒臭いわねえ」


天「んで、他はあいつを説得する、と」


魔「もうあいつ抜きでいいんじゃないか」


天「はぁ? いいわけないでしょ」


魔「なんでだよ」


天「そりゃもちろん…」


魔「もちろん何だ?」


天「…ん…なんか別にいなくても困らないかも…」


霊「ツッコミがいない」


天「あ、それよ、それ」


魔「レミリアがいるだろ」


霊「まあ、よく考えると、プールで遊ぶのにツッコミいらないわね」


天「でもせっかくの水着だし、男に見せつけたほうがいいじゃん」


魔「いや、でも見せつけるほどのアレでもない…だろ、お前は」


天「途中で私を標的にした!」


霊「やっぱり行きたい人だけ行きましょ。そもそもプール無いかもしれないし」


魔「そうするかぁ」


天「ほんっとに、それでいいの?」


魔「いいだろ。何か問題あるのか?」


天「じゃあ私があいつを説得するわ」


魔「は?」


天「私の水着と聞いたらさすがに辛抱堪らないでしょ」


魔「そうか?」


天「まあ、たまにはいい思いさせてあげてもいいかなって」


魔「いい思い、なのか?」


天「鼻血モノよ。というわけで、説得してきます」


魔「………」


霊「………」


天「じゃ、行ってくるわ」


魔「…いや、待て」


霊「………」


天「何よ。説得してくるわよ、私が」


魔「いや、おまえじゃ無理だ。私が行こう」


霊「………」


天「はぁ? あんた失敗したじゃん。私が行く」


魔「いや、行くか訊いただけで説得はしてない。私が行く」


霊「………」


天「結果は見えてるって。私が行くわ」


魔「お前、色気ないだろ。私が行くぜ」


霊「………」


天「いや、私が行く」


魔「いやいや、私が」


天「いや、私よ」


魔「いいや、私だ」


天「私、私」


魔「私、私、私」


霊「………………」


天「私私私私私私私」


魔「私私私私私私私私」


霊「………………………」


天「私私私私私私私私私私」


魔「私私私私私私私私私弘私」


霊「じゃあ、ここは…」


天「何よ!?」


魔「何だ!?」






霊「二人で行けば?」





………………





魔「…じゃあ私が、だろ、そこは…」


天「ほんまボケ殺しやで…」


魔「反論できなくて言われたまま来てしまった」


天「まあ、もうやるしかないし。入るわよ」



ガチャッ



『ちょ、ピンポン押してよ! 誰!?』


天「こんにちは。美少女です」


『あ…(最悪だよ来んなよ)てんこちゃん…』


天「本音を括弧に入れて穏便に暴言吐いてんじゃないわよ!」


『(あ…)最悪だよ来んなよ(てんこちゃん…)』


天「反転すると俄にツンデレっぽいわね何これ使える!」


『で、俺はクッソ忙しいけど、今日はどうしたの?』


天「うるさいわね(あんたをプールに誘いに来たのよ)」


『ごめん、静かにします』


天「ちょ、括弧の中も読んで! そこ大事だから!」


『ええっと、ラブとは言っていない、か』


天「何でこの話最初の括弧なのよ! あんたいないときのセリフでしょ! 知ってちゃマズイから! ちゃんとプロット読んで!」


魔「実を言うと、プールに誘いに来た」


『あ、魔理沙、いらっしゃい』


天「私との対応の差! 何これツンデレ!?」


魔「どうだ、プール」


『俺はいいよ。泳げないしね』


魔「別に水泳大会をやるわけじゃないぜ」


『俺はいいよ。霊夢と行っといで』


天「えー…ゴホン…美少女の…ゴホゴホン…きわどい…ゴホ…水着…ゴホゴホ…」


『てんこちゃん、風邪?』


天「違うわよ! 汲み取りなさいよ!」


『えっ、ゴホン、ゴホゴホン、ゴホ…』


天「そっちじゃなくて!」


魔「まあ、あれだ。いちおうホラ、あのー…霊夢が水着だぜ」


『だろうね』


魔「ちょっと気になったりしてるんだろ?」


『なにが?』


魔「霊夢がどんな水着なのかとか、こう、な?」


『え、別に霊夢のファッションについてどうも思ってないけど。なんで?』


魔「いや、ファッションとかじゃなくて…」


天「ちなみに私も水着よ」


『え、てんこちゃんって水着だったの!?』


天「違うっ!」


『なんだ、違うんじゃん』


天「私の水着とかやっぱり見たい…いや、言わなくていいわ! 男の子だから仕方ない! 私は理解あるからその辺!」


『あ、わかってくれるんだ…』


天「まあ、人間も生き物だからそういうのがあるのは仕方ないわよ」


『ありがとう。俺も本人に興味ないって言うのは心が痛んで…』


天「って、興味無いのかよ!」


『いや、興味ないっていうか、正直どうでもいいっていうか…そりゃさすがに全く無いかって言われればそうだけど、頑張ればちょっとぐらい興味を持てそうっていうか、まあ頑張らないけど、それは仕方ないっていうか、俺はそんなに悪くないし、少なくとも現時点で興味が無いだけで、将来的に興味が湧く可能性もゼロではないとは言えないみたいな節はあるし…』


天「つまり興味ないじゃん!」


魔「ちなみに私も興味ない」


天「いや、あんたは説得する側だから私側でいなさいよ!」


魔「で、ほんとに興味ないのか?」


『え、てんこちゃんの水着に?』


魔「いや、霊夢とか…の水着に」


『無いけど、霊夢とか、って他に誰か行くの?』


魔「誰か…まあ、まず私と、紅魔館だから必然的に…」


『レミィとかパチュリーさんとかか』


魔「まあ、私とかレミリアとかパチュリーだな」


『賑やかそうだね。楽しんでおいで』


魔「で、興味は?」


『無いけど?』


魔「………」


天「あ、ちなみにあの人も来るわよ!」


『え、あの人って?』


天「え、ほら、あれ…あのー…い、衣玖! 衣玖よ!」


『え、そうなの?』


天「うん! そう! 来るって!」


魔「そうなのか?」


天「ちょ、バカ、そう、来るって。言ったじゃんさっきー」


魔「いや、言ってない」


天「言った! 言ったから! 合わせて、話を!」


魔「お、おう…」


『ん、話を合わす?』


天「いや、こっちの話。で、衣玖が来るって」


『そうなんだ…意外…』


天「でっしょぉー」


魔「意外だよなー」


天「で、その水着がすごいらしくてー」


魔「あーらしいなー」


『へえ』


天「こう、まず、可愛くて」


魔「あ、あとかっこよくて」


天「えっと、あと、派手で」


魔「それと、さらに、落ち着いてて」


天「あー、あのー、すごい真っ赤でー」


魔「えー、その上、濃い青でー」


天「うーんと、そして、何よりエロい」


魔「んー、それに加えて、清楚」


天「何であんた全部逆のこと言うのよ!」


魔「あわわ、焦って…」


『結局、全然わかんなかったよ』


天「あ、あれよ結局。パレオ。そう、パレオよ」


『え、ファラオ?』


天「んなわけないでしょ!」


魔「水着に縁がなさすぎて、聞き覚えのある語と間違えたんだ…」


天「水着関連語より古代エジプト関連語が上位にある年頃男子の予測変換ってひどっ!」


『あ、ファラオじゃないのね』


天「当たり前でしょ…」


『パラオか』


天「国じゃんそれは!」


『パナマか』


天「国じゃんそれは!」


『レソトか』


天「国じゃんそれってか原型どこ行ったし!」


『で、何の話だっけ』


天「水着よ、水着。衣玖がほら、パレオ…じゃなくてハイレグ! ハイレグって言ってた!」


魔「ハ…」


『は、ハイレグ!?』


天「うんうん! ハイレグはわかるでしょ?」


『…わ、わかるけどさ…』


天「そうそう! すごいってさ! ね?」


魔「そ…そうなのか…」


天「そうそう!」


『や…やばいなそれ…』


天「そう、ヤバイって。ヤバイ。激ヤバ」


『…激ヤバ…』


天「ちょっと興味あるでしょ?」


『…う…そりゃ…まあ…』


天「ということはー?」


魔「…ということは?」


『…ということは…?』


天「あんたもー?」


魔「おまえも?」


『俺も?』


天「プールにー?」


魔「プールに?」


『プールに?』


天「いー?」


魔「い?」


『い?』


天「く、でしょ!?」


魔「行くのか!?」


『いや、行かんけど』





………………





魔「こうして水着の場面を迎えた」


霊「説得失敗してる!」


天「歴史的大敗だったわ」


魔「だったぜ」


天「全部ダメだったからね」


魔「まずは霊夢の水着で誘って失敗」


霊「オイ」


天「そして、私たち自身の水着で失敗」


魔「いや、私はアピってないし…」


天「はあ? 私と…、とかさりげなく言ってたじゃん」


魔「い、言ってないし…」


天「言ってた」


魔「と、とにかく次はレミリアとパチュリーで失敗」


霊「他人をダシに…」


天「そして最終兵器の衣玖で失敗」


霊「それでダメなら無理ね」


天「ハイレグとまで言ったのに…」


霊「…アホみたいな嘘ついてんじゃないわよ…」


魔「…哀しすぎるだろ。女三人でぴちゃぴちゃ水遊びとか…」


霊「べつに涼しいからいいでしょうよ」


魔「しかも霊夢なんか儚月抄まえと同じ水着だし…」


霊「それはあんたも同じでしょうが」


天「それくらいまだいいじゃん。私なんかウケると思って白スクよ…」


魔「ああ。ちょっとヒいた…」


霊「正直かなりスベってた」


魔「しかもお前、早苗がいたら完全にイ〇娘だぜ…」


霊「早苗、名前だけじゃん…」


天「もうどうしたらいイカわからないわ…」


魔「…哀しすぎるだろ…女三人で…」


霊「大丈夫よ。女三人じゃないわ」


天「え、それって?」


霊「…あとでレミリアも来る…」


魔「…女四人じゃねーか…」


天「………」


霊「………」


魔「………」


天「………」


霊「………」


魔「………」



ガチャリ



レ「霊夢、久しぶりじゃない! って、あれ?」


霊「…来たわね」


魔「…来たか」


天「…来た」


レ「魔理沙と…天人…って、ちょ!」


天「………」


レ「ちょ、水着! スク水て! しかも白スクて!」


天「………」


レ「ちょ、おま、何でスク水! おま、おままままま! オモロっ! 超オモロイんですけど!」


天「…あはは…」


レ「ちょ、咲、咲夜! さくやー! スク水の人がいるよぉーっ!!」


霊「…ウケた…」


魔「…ヨカッタナ…」


天「…はは…ウケた…わーい…」


レ「うは、ぶはははははははは! 白スク! ウケる! 似合いすぎワロタ!」


霊「…ウケたー…」


魔「…やったぜー…」


天「…うれしいなー…」



レ「あはははあっははははは! 白スク白スク! おっほほほほほほ、おなかいてーっ!」

ごめんなさい。


こんなお話が読んでみたいというご希望があれば、感想欄・活動報告へのコメント・メッセージ・念などで是非とも奮ってたくさんどしどしお寄せください。

八個に一個くらい採用されます。

今まで感想・コメントを書かれたことのない方も是非。

高確率でご期待通りの展開にはなりませんが、是非。

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