12 私だって
妖「これで、私が最初に上がりですね」
@「妖夢すごい!」
魔「じゃあ終わりでいいな」
『全員ゴールするまでやらないの?』
魔「やりたいか?」
『………』
幽「キリのいいところでやめましょう」
『…やっぱりグダグダになったよ』
霊「で、このお金は換金できないの?」
『できません』
妹「それで、この後はどうするんだ?」
『もう寝ようか』
魔「まだ遊び足りないぜ」
『…子供か』
幽「夜遊びの時間よ」
魔「なるほど」
『いやいや』
霊「とりあえず、布団はどうするの?」
慧「私は妹紅と寝るぞ」
@「私は妖夢と」
霊「じゃあ、あと布団3枚に5人ね」
『俺は床で寝ますよ』
幽「空気読め」
『………』
魔「足が震えてるぞ」
『………』
霊「で、どうするつもりなの?」
幽「ジャン拳で決めましょう」
霊「…それ何て攻撃技?」
幽「勝った人は一人で寝る」
魔「あとは二人ずつだな」
『…あの、俺は…』
幽「なあに?」
『…なんでもないです…』
魔「さっさと決めようぜ」
霊「そうね。最初はグー、じゃんけん、そおい」
幽「霊夢の一人勝ちね」
霊「よかったわ」
幽「あとは負けた人が地獄行きね」
『地獄ってのは俺との同伴就寝ですよね?』
幽「もちろん」
『…はい』
魔「いくぜ。じゃんけん、そおい」
幽「…それ流行ってるの?」
魔「あ、アリスの負けだ」
ア「………」
幽「じゃあ決まりね」
『皆さん、枕の足りない分は、座布団やクッションで補ってください』
魔「んじゃ、おやすみ」
………
『………』
ア「………」
『…大丈夫?』
ア「よ…よろしくね」
『…へ!?』
ア「…お邪魔…します」
『っ!』
ア「…もうちょっとだけ、詰めてもいい?」
『…う…うん』
ア「…ありがと…」
『………』
ア「…じゃあ…おやすみ…」
『…おおおやすみ』
ア「………」
『………』
………
ア「…もう寝ちゃった?」
『………』
ア「…寝ちゃったよね」
『………』
ア「結局、何もしてこなかったなぁ」
『………』
ア「魅力無いのかな…」
『………』
ア「私だって…女の子なんだけどな…」
『………』
ア「私なんか…かわいくないよね…」
『…そんなことは…ないよ…』
ア「…やっぱり…起きてたんだ」
『…うん』
ア「…ねぇ、ちょっとくらい…構ってよ…」
『え…いや…その…』
ア「…ダメ?」
『う…』
ア「………」
『…ダメ…と…いうか…あの…その…』
ア「…変な気は全く無い?」
『…そうではない…と思う…』
ア「本当?」
『うん』
ア「………」
『………』
ア「………」
『………』
ア「………………………………ぷっ」
『え』
ア「ぶあははははははははははははははははは!!」
『………』
ア「あははははははははははははははははは!!」
『…えっと…』
ア「あははははは! く、苦しい! あははははは!」
『…からかわれた…?』
ア「あはは! 絶対変な気起こさないって大口叩いたのに!」
『………』
ア「女性経験ゼロなのね! あはははは!」
ごすっ
ごすっ
幽「うるさい」
『…あい…ずびばぜん…』
ア「…ずびばぜん」
魔「一体、何がそんなに可笑しいんだ?」
ア「こいつの女性経験の無さ加減が…」
魔「なるほどな」
幽「狼狽して、あの…その…とか言う程度の能力ね」
『やっぱり俺には無理でした』
魔「アリスとなら大丈夫なんだろ?」
『もうアリスが女の子に見える』
ア「…今までは何に見えてたのか疑問だわ…」
幽「チェンジ使う?」
『使います』
幽「駄目」
『…じゃあ何で聞いたんですか』
幽「いいから早く寝なさい」
『…はい』
………
ア「じゃ、おやすみ」
『…うん…おやすみ』
ア「………」
『………』
ア「………」
『………』
………
ア「…すぅ…すぅ…」
『………』
ア「…すぅ…すぅ…」
『…あんなのの後で、眠れるわけがない』
ア「…すぅ…すぅ…」
『………』
ア「…すぅ…すぅ…」
『………』
ア「…すぅ…ん…すき…」
『…え…』
ア「――るどれいん」
『…どんな夢だよ…』