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もっと東方寝巻巻。  作者: もっぷす
第5回
117/173

「借人」と書いて「かりゅうど」と読むのか

『いやはや、もしかするとアリスは茶葉くれないかと思ったけど』



すたすた



『思ったよりいいやつだった』



すたすた



『アリス いいやつ ちゃば くれる』



すたすた



『さて、戻ってきました香霖堂』



ガラリヌス



『戻りましたー』


霖「おかえり」


咲「うっわ」


『あ、咲夜さ…って、瀟洒なメイドがうっわはひどい!』


霖「もう用事は済んだのかい?」


『あ、はい』


霖「そうか」


『で、今新しい用事ができました』


咲「丁重にお断りします帰って鏡を研磨剤でくまなく磨いてご自分のお顔の不具合をしっかり把握してくださいお願いしますさようなら」


『な、ちょ、まだ言ってない!』


咲「私に用事があるって言うんでしょ。嫌よ」


『いや…ちょっ…せめて聞いてください』


咲「それでは、失礼いたしました。またお願いしますわ」


霖「…聞いてあげないのかい?」


咲「どうせ卑猥な話に決まってるしねぇ」


『俺は咲夜さんに卑猥なことを言ったことがありません』


咲「顔が猥褻」


『セクシーって意味かな?』


咲「で、早く帰りたいんだけど」


『あ、えと、調味料をお借りしたい』


咲「はい?」


『魔理沙と借り物競走をしてて、調味料が必要なんです』


咲「ふうん。ちょっとお塩お借りできます?」


霖「うん、まあ、いいけど…どうして塩を?」


咲「撒くので」


『俺は悪霊か!』


咲「ナメクジのつもりだったけど」


『まあ、どっちでもひどいんですけどね』


咲「もう帰るわよ。調味料ならここで調達しなさい」


『あ、待って、咲夜さんに、っていう指名付きなんです』


咲「お断りしますさようなら」


『ええっ、そこを何とかお願いしますよ』


咲「嫌です土に埋まってくださいさようなら」


『咲夜さんは何でそんなに冷たいのん?』


咲「貴方が嫌いだから」


『霖之助さん、間を取り持ってもらえますか?』


霖「二人の人間関係はよくわからないけど、そんなに突っぱねたら、さすがにかわいそうじゃないかな?」


咲「いえ、この方は嫌われるのが趣味なので」


『違いますよ!』


咲「うっとうしいわねぇ」


『お願いします。俺の顔面を純白ニーソのおみ足でぐにぐに踏みつけていいですから!』


霖「店でしないでね」


咲「しません」


『咲夜さん、お願いしますー』


咲「諦めなさいよ」


『せっかく魔理沙が、最後には美味しい料理ができるように考えてくれたのに…』


咲「………」


霖「魔理沙は相変わらずみたいだね」


『たぶん相変わらずです。咲夜さん、どうかこの通り』


霖「ここまで頼んでいるんだし、どうかな?」


咲「はぁ。仕方ありませんね。嫌です」


『えっ、何そのフェイント!』


咲「嫌だけど、貸してあげるわよ。店主さんに感謝することね」


『霖之助さん、ありがとうございます』


霖「僕は何もしてないよ。よかったね」


『はい!』


咲「じゃ、早く行くわよ」


『あ、待ってください』


咲「何よ」


『あの…ちょっと気になることが』


咲「気になる?」


『えっと…俺…湖はどうしたらいいですか?』


咲「………」


『………』


咲「………」


『………』


咲「泳げ…ッ!」


『…おこなの?』




………………




魔「………」



トタリ、トタリ



魔「…あー…冥界に来るのも久しぶりだなぁ…」



トタリ、トタリ



魔「…あいつ…また階段あるとこにしやがって…」



トタリ、トタリ



魔「…はぁ…うらむぜ…うらむ…」



トタ



魔「…ああ…つ…着いた…腰いたい…」


@「あら、珍しいお客さんね」


魔「よ…よう…幽々子…久しぶり…」


@「お鍋以来ね」


魔「…おなべ…ああ…鍋ね…はいはい…」


@「ケンカでもしたの?」


魔「…は…誰とだよ…」


@「違うみたいね。どうしてそんなに疲れてるのかしら」


魔「…ちょっと…な…」


@「そう。上がっていく?」


魔「もちのろんだぜ」


@「妖夢ー。どこー」



妖「はいー、こちらにおります」



@「ああ、いたいた」


妖「あら、鍋以来」


魔「同じこと言うんだな」


妖「もしかしてまたパジャマパーティーの誘い?」


魔「いや、今日は違う。ちょっと借りたいものがあってな」


妖「幽々子様ですか?」


@「私?」


魔「違うぜ。妖夢の半霊を貸してほしいんだが」


妖「ならば私は貴方の上半身をお借りしましょう」


魔「おいおい、私はキングジョーじゃないぜ」


妖「それじゃあ貸せません。半霊は私の半身です」


魔「じゃあお前の上半身は半身じゃないのか?」


妖「上の半身が上半身!」


魔「半霊は?」


妖「うーん、霊半身?」


魔「なんじゃそりゃ」


妖「とにかく貸せないんです」


魔「仕方ない。代わりになるものを貸してくれるなら諦めよう」


妖「じゃあ幽々子様で」


@「あら、私も妖夢の半身みたいなものよ」


魔「今度は何半身?」


@「えっと、ゆゆ半身?」


魔「上半身、下半身、霊半身、ゆゆ半身…二分の一人が四つで、二人にならないか?」


妖「なります。必要であれば」


魔「で、何を貸してくれるんだ?」


妖「貸すと言っても、すぐに出せるのは茶菓子くらいしか」


@「そう。じゃあそれを頂くわ」


妖「幽々子様にはあとでお出ししますから」


@「イェス」


魔「仕方ない。じゃあお菓子でいいぜ」


妖「それじゃあちょっと待っててください」



すたこら



@「ところで、どうして半霊を借りに?」


魔「まあ、ちょっと競走みたいなことをな」


@「借り物競走ね。ふふ、二人仲良くやるのよ」


魔「おいおい、二人三脚じゃないぜ?」



すたこら



妖「戸棚の奥にあったアヤシイ羊羮でいいですか?」


魔「何がアヤシイんだ?」


妖「緑です」


魔「遠慮しよう」


妖「それでは怪しくない羊羮にします」


魔「もっとスコーンとかが良いぜ」


妖「何ですか、それは?」


魔「お菓子かな?」


妖「自分で言ったのに…。とにかく、それなりのものなので大事に食べてくださいね」


魔「任せてくれ」


妖「それではどうぞ」


魔「助かるぜ、サンキュー。じゃあな」


妖「もう帰るんですか?」


魔「ああ、じゃ、またなー」


@「二人仲良く食べるのよー」


魔「…二人羽織でもないぜ」

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