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もっと東方寝巻巻。  作者: もっぷす
第5回
115/173

「借人」と書いて「かりゅうど」と読まない

魔「あ」


『ん?』


魔「鼻血出た…」


『ぷっ…』


魔「笑うなよ。ティッシュ…ティッシュ取ってくれ」


『はいよ。ぷっ…』


魔「笑うなっての…」


『鼻血ねぇ。なかなかよい顔でしたよ』


魔「まあ、二枚目だからな」


『…自分で言っちゃう?』


魔「いや、板チョコが」


『あ、俺の分!』


魔「美味しくいただきました」


『くっ…太るよ?』


魔「…わっ、私は太りにくい体質なんだぜ?」


『あのさ、この際だから言っちゃうけどさ…』


魔「え…何だよ…」


『魔理沙、最近ちょっとさ…』


魔「………」


『…いや、やっぱいいや。何でもない。何でも…ね…』


魔「お、おい、言いかけてやめるなよ」


『だってさすがに…ねぇ…』


魔「…さすがに何だよ…」


『…なんか…こう…言うのもちょっと…』


魔「…もう流れから内容がわかるんだが…」


『じゃあ俺の口から言う必要はないかな?』


魔「…ああ…」


『それともあえて言う? 戒めのために』


魔「いや、いい。大丈夫だ」


『いや、一応言っとくよ』


魔「いや、必要ない」


『いや、念のため』


魔「いや、やめてくれ」


『いや、今後のため』


魔「いや、勘弁してくれ」


『いや、言わせてよ』


魔「言ったら泣く。ガチ泣きする。引くくらい泣く」


『わ…わかったよ。言わないよ』


魔「まあ、おまえの分のチョコを食べたことは謝ろう」


『うん』


魔「話は変わるが、何か運動でもしないか?」


『はぁ?』


魔「ちょっと体を動かしたい気分というか」


『あ、もしかして』


魔「違う」


『…あ、そう』


魔「で、楽で運動量が多いスポーツは何だ?」


『ねーよ』


魔「じゃあ百歩譲って、運動量は少なくていい」


『昼寝かな』


魔「運動だっての」


『匍匐待機』


魔「うつ伏せに寝てるだけだろ」


『うーん、マジレスするとウォーキングとか?』


魔「歩くだけか。つまらないな」


『あ』


魔「なんだ?」


『ちょっとこんなんどうよ』


魔「聞いてやろう」


『借り物ウォーキング』


魔「ウォーキングに一捻り加えたわけか」


『うん、どう?』


魔「うわ、唐突にダジャレ言ってくるとか…びびるわ…」


『いや、そんなつもりじゃ…』


魔「まあ、でも悪くない発想じゃないか?」


『だしょ?』


魔「じゃあ、お題は私が考えるから、おまえが回ることにしよう」


『おい』


魔「ん?」


『運動したいの誰ですか』


魔「頭の運動」


『やかましいわ』


魔「とりあえず、おまえのお題は私が考える」


『俺もやるのね』


魔「当然だ。私がツラい思いをしてるときに、おまえは何をすべきだと思う?」


『嗤えばいいと思うよ』


魔「ブッブー。正解はもっとツラい思いをするべき、だぜ」


『わぁい、なんて歪んだ正解でしょう』


魔「というわけで、お題を考えるぜ」


『じゃあ、魔理沙のお題は俺が考えるね』


魔「よし、できた」


『早すぎません?』


魔「おまえはできたか?」


『うーん…じゃあ、これでいいや』


魔「ほれ、書いた通りに借りるんだぜ」


『どれどれ…って無理じゃい!』


魔「流れ作業のようなツッコミだな」


『そんなことより、まずアリスのパンツって無理なんスけど!』


魔「わがままな」


『いや、わざと無茶言ってるでしょ?』


魔「ぜんぜん」


『じゃあ次の咲夜さんのパンツって何』


魔「お題」


『お題、じゃないよ! 咲夜さん俺のこと嫌いなんだから!』


魔「ああ、なら好かれるところから始めてみようぜ」


『ゴール遠っ! 道のり長っ! やだよ無理だよやりたくないよ!』


魔「まったく。甘ちゃんだな」


『んで、次、文さんのパンツってのも無理!』


魔「なんでだよ?」


『いや、だって、あの人、ただでさえ俺のことゴミを見るような目で見てくるのに…』


魔「じゃあ何ならできるんだよ…」


『パンツ以外だよ!』


魔「じゃあ靴下でいいや」


『いや、衣服はやめようよ。俺変態みたいじゃん』


魔「難易度は下げたぜ?」


『その分、冗談か本気か曖昧になって変態度が上がってる気がすんねんけど』


魔「なんで関西弁なんだよ」


『すまんやで』


魔「仕方ない。じゃあパンツや靴下はやめよう」


『うん、そうだね』


魔「新しいお題はこちら」


『よし、こい』


魔「アリスからは、上品な紅茶の茶葉を分けてもらうことにする」


『それなら交渉できるね』


魔「咲夜からは、上等な調味料を拝借させてもらう」


『調味料か』


魔「ブン屋からは、上質な食材を紹介してもらうぜ」


『情報屋さんだもんね』


魔「んで、せっかくなんでその食材を手に入れて戻って来る、と」


『なるほどね。面白いこと考えるね』


魔「こんなもんだぜ」


『でもさ、森と紅魔館と山ってかなり遠くない?』


魔「そうだな」


『今日じゅうに終わるかな?』


魔「ううむ、そう言われると、相当おそくなりそうな気もするな」


『んで、最後の食材もどこで入手できるかわかんないし』


魔「じゃあ、まあ、ある程度近くまでなら飛んでいいことにしよう」


『なんか当初の目的からズレてきたようにも思えるけど』


魔「ある程度だからな。森まではいいけど、森の中は徒歩だぜ」


『なるほどね。それならまあ、大丈夫か』


魔「じゃ、それで」


『うん。じゃあ次は魔理沙にやってもらうお題を発表します』


魔「ばっちこいだぜ」


『ええっと、まずは博麗神社に行って、霊夢にお札を借ります』


魔「神社だな」


『次に、白玉楼に行って、妖夢に半霊を借ります』


魔「貸してくれないだろ」


『最後に、守矢神社に行って、早苗さんからお守りを買います』


魔「経費で落とすぜ」


『うん。俺の出すお題は以上ね』


魔「なんか神霊廟を思い出す人選だな」


『言われてみると』


魔「まあ、でもこれで準備できたな」


『そうだね』


魔「早速始めようぜ」


『望むところだよ』


魔「ズルは無しだぜ」


『魔理沙もだよ』


魔「まあ私はあれだ。用意、ドン!」


『ごまかした!』

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