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もっと東方寝巻巻。  作者: もっぷす
第5回
110/173

お嬢様のツッコミ

つなぎはこのお方

レ「ふふ。それもいいかもしれないわね…」


咲「お嬢様」


レ「どうしたの、咲夜?」


咲「ヤバいものでも見えてるんですか?」


レ「独り言って知ってる?」


咲「はい。あの、ぼっちとか中二とかがよく呟くアレですよね」


レ「…言ってくれるわね」


咲「で、何がいいかも知れないんです?」


レ「暇だから霊夢んとこでも行こうかなって」


咲「なるほど。お散歩ですわね」


レ「今日は晴れてるしね」


咲「お日傘は玄関にございますからね」


レ「咲夜は来ないの?」


咲「お屋敷は広いので」


レ「メイドは主人のために働くべきじゃなくて?」


咲「つきまとうのもどうかと思いまして」


レ「一理あるわね。まあ好きになさい」


咲「そうだ。お弁当をお作りしますわ」


レ「ちょwww弁当とかwww子供かwww」


咲「じゃあ絶対作りません」


レ「改めて考えると、弁当って働く人間のステイタスみたいな高尚なとこあるわよね」


咲「召し上がるんですか?」


レ「頂くわ」


咲「そうおっしゃると思って、用意しておいたものがこちらになります」


レ「あるのかよ! 料理番組の五分ほど加熱するときか!」


咲「見てくださいお嬢様」


レ「ふむ。どれどれ」


咲「この食欲をそそる瑞々しいズワイガニ」


レ「おお!」


咲「――の柄の弁当箱」


レ「ズコー。どんなフェイントよ! ロ○ウジーニョか!」


咲「このお弁当箱、なんと今回は…」


レ「今回は?」


咲「使いません」


レ「使わないのかよ! キーボードのPause/Breakキーか!」


咲「ちなみに今日は、キャラ弁に挑戦してみました」


レ「へえ。面白そうじゃない」


咲「結構上手に出来たと思うのですが」


レ「どれどれ、見せて頂戴」


咲「これです」


レ「でか! ってかチョー立体的なんですけど! ステレオグラムか!」


咲「フタが閉まらないんですよ」


レ「立体にするからよ! はみ出てんじゃん! 尻ポケットに入れた長財布か!」


咲「リアリティを追求した結果です」


レ「これじゃあ持ち出せないでしょ! 図書室の百科事典か!」


咲「なかなかキュートだと思いません?」


レ「いや、なんか独創的というか…なにこれ?」


咲「わかりませんか? これ、コウモリの羽ですよ」


レ「じゃあ、これはまさか私…」


咲「いえ、クトゥルフです」


レ「クトゥルフかよ! 弁当箱から邪神出しちゃったのかよ!」


咲「美味しそうですね」


レ「いや、名状しがたいわよ! むしろ食欲ゴリゴリ削られるよ!」


咲「ニャルラトホテプの方がよかったですか?」


レ「ニ〇ル子さんか! それも邪神じゃん!」


咲「何かお気に召しませんでしたか?」


レ「キャラ弁って言ったら、もっとかわいいキャラでしょ」


咲「ポケットに収まるモンスターとかですか?」


レ「そうそう。あとゆるキャラとかね」


咲「それでは、ゆるキャラで作りましょうか」


レ「それがいいわね。で、何にする? くま? 梨?」


咲「ず〇しーほっきー」


レ「キモい! しかもほぼ真っ白! 無勉で臨んだ試験の解答用紙か!」


咲「私は結構かわいいと思いますよ」


レ「えー、なんかもっとキャラ弁っぽいのがいい」


咲「それでは無難に電気ねずみにしましょう」


レ「それはいいわね…いや…ちょっと待って」


咲「どうされました?」


レ「私、それ、霊夢の前で食べるのよね?」


咲「別に後ろで食べてもよいかと」


レ「へりくつ言わない」


咲「はい」


レ「電気ねずみって恥ずかしくない?」


咲「どこがですか?」


レ「なんか私に相応しくない気がして」


咲「相応しくないとは?」


レ「私のイメージと合わないって言うか」


咲「吸血鬼とか夜の支配者とかですか?」


レ「そうそう。そういうカッコいいイメージあるじゃん」


咲「あるといいですね」


レ「あるわよ! 何で私の願望みたいな言い方するのよ!」


咲「では、何が相応しいのでしょう?」


レ「もっと高尚で」


咲「高尚で」


レ「強くて」


咲「強くて」


レ「ミステリアスなやつよ」


咲「神秘的なやつ」


レ「なんで今言い換えた」


咲「何かお嬢様とカブるのいやだったんで」


レ「なんでいやなのよ! 復唱してたんじゃないのかよ!」


咲「でも何となくおっしゃいたいことはわかってきました」


レ「本当かしらね…」


咲「本当ですかね…」


レ「いや、あんたは自信持ちなさいよ! あんたが言ったのよ!」


咲「そうでした」


レ「あ、シャレを利かせるのもいいわね」


咲「ダジャレを…」


レ「違うわよ」


咲「では、シャレとは?」


レ「例えば、なんていうか、こう…」


咲「はい」


レ「こう、弁当箱をパンドラの箱みたいに封印に見立てて」


咲「古代都市ルルイエに封印されし者を」


レ「深きものどもの崇める神を」


咲「呼び覚ませ、太古の力」


レ「とこしえの眠り、混沌の夢」


咲「血の盟約により、汝を召喚せん!」


レ「出でよ、封じられし狂気の邪神!」


咲「汝の名は」


レ「クトゥルフ!」


レ「クトゥルフじゃねーか!」


咲「お嬢様、セリフ二つ連続で言いましたね」


レ「私ってクトゥルフの似合う女だったのね。気づかなかったわ…」


咲「なんか似てますしね」


レ「えーっ、それはショックなんだけど…」


咲「なんかぬるぬるしてますし」


レ「いや、なんかむしろカサカサしてるけど。肌とか」


咲「羽に至っては完全に一致してますからね」


レ「まあ、羽は似てるかもしれないけど」


咲「共食い…ですね…」


レ「いや、全然違うわよ! 誰がクトゥルフの妖怪よ!」


咲「おいしく召し上がってくださいね」


レ「いやまあ、食べるけどさ。うん、とりあえず出掛けてくるわ」


咲「はい、行ってらっしゃいませ」


レ「んじゃ、行ってきまーす」


咲「あ、お嬢様、忘れ物!」


レ「え?」


咲「傘!」


灰「あっ」

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