1 パジャマパーティーを開こう!
魔「なあ」
『ん?』
魔「パジャマパーティーをしようと思う」
『はは、それはいいね』
魔「明日やるから用意しといてくれ」
『何を?』
魔「お菓子とか晩飯とかレクリエーションとか」
『…本当にやる気?』
魔「もちろんだ」
『俺は魔理沙のパジャマ姿を拝めるのかい?』
魔「高くつくぜ?」
『多少の尊い犠牲はいとわないよ』
魔「じゃあ、準備は頼んだぜ」
『明日のいつ?』
魔「夕方頃だな」
『どこで?』
魔「ここで」
『誰が?』
魔「沢山呼んで来るぜ」
『………』
魔「そゆことだ。じゃ」
『じゃ、じゃないよぉ』
魔「じょ」
『じょ、でもないよぉ』
魔「霊夢も誘うぜ?」
『…で?』
魔「駄目か?」
『男の家に泊まるの?』
魔「女の家がいいのか?」
『そういうわけでは…』
魔「博麗神社だとありきたりだからな」
『………』
魔「じゃあ頼んだぜ」
『…う〜ん…』
………
『詭弁だ! これは謀略だ!』
魔「誰と喋ってるんだ?」
『ほんとにやるの?』
魔「そろそろ誰か来るぜ」
『みんなに布団持参だって言ってくれた?』
魔「ばっちしだぜ」
『ちなみに魔理沙は?』
魔「誰かに入れてもらえばいいだろ」
『………』
魔「いよいよとなれば、おまえのを借りるぜ」
『え……』
魔「………」
『………』
魔「いや違う! おまえの所に入るんじゃなくて、その…おまえがどっかで寝て、私がお前の布団で寝るっていう…」
『………』
ピンポーン
魔「あ…だ、誰か来たぜ」
『はい、誰ですか?』
ガチャリ
霊「おじゃまします〜」
『おお、いらっしゃい』
魔「早かったな」
霊「まあ、やることもなかったからね」
『あの…お布団は?』
霊「そんな嘘に引っ掛かる奴いないわよ」
『いや、本気なんですけど…』
霊「…布団なんか持って来る訳ないでしょ」
『…ですよね』
魔「このままだと、霊夢は誰かさんの布団に詰めて寝ることになるぜ」
霊「困ったわね」
『………』
霊「………」
『………』
霊「詰めても大丈夫ね」
『え…何で…?』
………
ピンポオン
霊「誰か来たわね」
『どうぞー』
ア「…お邪魔します…」
『あ、ありす!?』
ア「なっ…何よぉ…」
『あ…いや…ちょっと珍しい客だな、と』
ア「ま…魔理沙が呼んだから…」
魔「ああ、呼んだぜ」
『で、お布団は?』
ア「やっぱり必要なの?」
『…うん…』
ア「でも…布団なんか何に使うのよ?」
魔「もちろん、寝るためだぜ」
ア「え…じゃあ布団無い人は?」
魔「誰かに入れてもらうしかないな」
ア「…誰か…――っ!」
魔「アリス、顔が赤いぜ」
ア「な…なんでもない…」
『果たして、布団を持って来る人はいるんでしょうか?』
魔「このままだと私以外は床で寝ることになるな」
『………』
………
ピンポーン
『はい、どうぞー』
「開けてくださいー」
『はいよ』
ガチャ
『おお!』
妖「な、なんですか?」
『布団だ!』
妖「え…持って来いって…」
『うんうん♪』
妖「あ、また魔理沙が持って来なかったとか」
『まあ、そんなところ』
妖「お邪魔しますよ」
『どうぞどうぞ』
魔「よっ」
霊「あ、布団」
ア「え、本当だ」
妖「誰も持って来てなかった!」