雪ふるように
雪ふるように
私に逢いに来てほしい
風を受けた羽がフランネルのように
雪ふるように
わたしを見つめてほしい
地に落ちる前の十秒が
スローモーションの
ように
こんこん こんこんと
しんしんと、
真っ白なこころで
真に迫る眼差しで、
十字架に祈るあの花のように
けっして
夏の雨のように
木枯しのように
桜の花びらのように
あっという間に流れ去ってしまわないで
ゆっくりと積もる
白い時を積もらせて
わたしを真白に包んでほしい
白い穂が氷って削られて
木綿の道が続いていく
サクサクと白い音を匂わせて