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【書籍化・コミカライズ】元暗殺者、転生して貴族の令嬢になりました。  作者: 音無砂月
★書籍化記念SS★

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31/32

飼い犬の餌はドックフードでいいんですっ!

2022/08/05 発売!!

発売まで残り3日

挿絵(By みてみん)

「・・・・・」

「・・・・・」

なぜか、ブルースがじぃーっと見てくる。

見られてもブルースが何を訴えているか分からない。私は犬じゃないから。

だから必然的にお互い見つめ合うことになった。

すると、ようやくブルースは私に何も通じないと悟り、一旦は引き下がった。ブルースが部屋を出てどこかに行ったので私は大した用ではなかったのだろうと中断していた読書を再開した。

それからすぐブルースは空の餌入れを持ってきた。そこでようやく、ブルースがご飯を貰っていないことに気づいた。

ブルースの飼い主であるローズマリーはエインリッヒとの婚約がなくなり、彼女自身にも問題が多くあったため現在は修道院にいる。

そうなると、ブルースの世話をしても使用人には何の利益もない。今までブルースの世話をしていたのは女主人であるアマリリスに好かれているローズマリーに気に入られることで邸での自分の待遇を良くしてもらうためだ。

ローズマリーがいなくなれば面倒な家畜の世話をする理由がなくなり、必然的に放置されるようになったのか。

「仕方がない」

私が立ち上がるとブルースは尻尾が千切れるのではないかと心配になるほど振っていた。

「おいで」

まずは食材の確保だな。犬って何を食べるのだろう。

私は前世の記憶を辿る。スラムにいた犬はゴミを漁っていた。だからってブルースにゴミを与えるわけにはいかない。スラムで見かける犬はみんな痩せ細っていた。

あの家畜たちは私と同じで食べるものがゴミしかなかっただけだ。でも何かヒントくらいにはなるな。特に何を好んで食べていただろうか。

「・・・・・肉か」

確か骨のついた肉を好んで食べていたな。

肉なら私が訓練で使っている山に入れば簡単に手に入るな。

「よし」


†††


side .ブルース


どこに行くんだろう。

ご飯は通じたから問題ないし、くれる気でいるのも何となく分かる。

邸の人たちは基本的に冷たい。ローズマリーがいなくなってから特に顕著になった。

だからってセレナが優しい人というわけではない。邸の誰よりも怖い人だ。でも、邸の誰よりも信用できる。だから彼女に助けを求めたんだけど・・・・・本当、どこに行く気だろう。

「あら、ちょうどいいのがいたわね」

「・・・・・・」

ええっー!!

ちょっ、えっ、まじ、やっ、ええっ!!

ただご飯を要求しただけなのに、なぜか山に連れて行かされて、しかも目の前には巨大な熊がいる。

咆哮を上げて威嚇してくる熊に臆することなく立ち向かうセレナ。勝負は一瞬でついた。セレナは何の躊躇いもなく熊を仕留めた。

「さぁ、ご飯よ。食べなさい」

いや、あの、ドックフードでいいんですけど。


†††


「あら、ブルース。ご飯ね。ちょっと待ってね」

ブルースはマリンにご飯を要求するようになった。マリンがいない時はティグルだ。

別にいい。

犬の世話は私の仕事ではないから。そもそも私の犬じゃないし。

何も問題はないのだけど・・・・・・私が用意したご飯、問題があったのかしら。

挿絵(By みてみん)


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