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短編集  作者: 第八天龍王 七七七百印麗院


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『魔女のまじない(キャントリップ)の効果』(AI生成)

「ねえ、もっと派手なのはないの? 火の鳥を飛ばすとか、雷を落とすとかさ」

見習い騎士の少年・アルスは、不満げに口を尖らせた。彼の目の前では、自称・大魔女の少女エルナが、人差し指の先に小さな、本当に豆粒ほどの手光ライトを灯している。

「あのね、アルス。魔術を何だと思ってるの?」

エルナは溜息をつき、指先の光をふっと消した。

「**キャントリップ(初級呪文)**っていうのはね、コスパの塊なの。大魔法なんて一生に一度使えば十分。でも、この『小さなまじない』は、毎日を少しだけマシにするためにあるんだから」

エルナはそう言うと、泥だらけになったアルスのマントに指を向けた。

「『洗浄クリーニング』」

ぱちん、と指を鳴らす。

次の瞬間、頑固な泥汚れが霧のように消え去り、新品同様の質感が戻った。アルスは目を丸くする。

「お次はこれ。喉が渇いたでしょ?」

彼女が空の革袋を振ると、**『造水クリエイト・ウォーター』**のまじないによって、冷たい水が縁まで満たされた。

「……便利だけどさ。やっぱり地味だよ」

アルスは水を飲み干しながら、まだ食い下がる。

「戦場じゃ役に立たないだろ? 敵を倒す力こそが魔法じゃないのか」

エルナは少しだけ真剣な目をして、彼の鼻先に人差し指を突きつけた。

「いい? ほんの数度の温度上昇、ほんの一瞬の火花。それが戦場の生死を分けることもあるの」

その夜、二人は森で野営をすることになった。

冷え込む夜、エルナは**『着火イグナイト』**のまじないで、湿った薪を一瞬で赤々と燃え上がらせた。凍えるアルスの手足に温もりが戻る。

「……なあ、エルナ」

「なに?」

「さっきは地味なんて言って悪かった。この火がなきゃ、今頃俺は凍えてたよ」

エルナは焚き火に照らされながら、いたずらっぽく笑った。

「気づくのが遅いのよ。世界を変えるのは、いつだってこういう『小さな積み重ね』なんだから」

彼女は最後に、アルスの額にそっと指を触れた。

「『安眠スリープ・タイト』。これはおまけよ」

アルスの意識は、羽毛に包まれるような心地よさの中へ落ちていった。

大魔法が城を滅ぼすことはあっても、少年の心を救うのは、いつだってこんな些細なまじないの効果だった。

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