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白い手のガレスちゃん2

「はい、ぴったりだよ。お疲れ様。新人さんかい? よかったらこれをあげるよ」

「ありがとう、これからは私が担当することになるのでよろしく頼みます」



 いつも宿の食材を買っている果物屋にお金を支払いに俺とエレインさんは街に出ていた。果物屋のおっさんはなにやらデレデレしながら、エレインさんと会話をしている。てか、俺も結構顔を出しているがリンゴ何てもらったことないんだが……美人は得だという事だろう。



「おい、セインちょっと来てくれ」



 会話がひと段落したのだろう。お辞儀をするエレインさんに一瞬見惚れたが、おっさんに呼ばれたので俺は傍による。何か不備があったのだろうか?



「おい、何だよ、この子無茶苦茶美人さんじゃねえか、ベルちゃんといい、ガレスちゃんといいお前のとこは従業員を顔で選んでるのか?」

「仕事の話じゃないのかよ!! まあ、みんな可愛いのは認めるが……」

「仕事の話なんてしてる場合じゃねえだろ。お前は誰狙いなんだよ? 幼馴染のベルちゃんか、癒し系のガレスちゃんか、クールな美少女のエレインさんか、どれだ。言ってみろ。そして、狙っていない子を紹介してくれ」

「いや、あんた奥さんいるだろ……」



 俺の耳元でこそこそとしているおっさんの言葉に俺は呆れながらも返事をする。別に誰かを狙っているとかはないんだよなぁ。まあ、確かにうちの宿屋は改めてみると可愛い子ばかりなのは否定しない。それはともかくだ……



「おっさんにはいつもお世話になってるからな、俺が一人の女性と食事をセッティングしてやるよ、ただし、銅貨一枚な」

「ちっ、金とるのかよ。まあいいや。で、誰を紹介してくれるんだ?」



 果物屋のおっさんが、しぶしぶと財布から出した銅貨を俺は受け取りにやりと笑う。



「奥さーん、おっさんが久々に外で飯を食べに行こうっていってるぜ。今更恥ずかしいから俺に誘ってくれっていわれちゃった。相変わらずラブラブだねぇ」

「あ、おまえ……」

「もー、あんたは仕事が忙しいって言うのに……でも、たまにはいいかもしれないね」



 俺が奥で作業をしていた奥さんに声をかけるとまんざらでもないという顔をして、出てきた。おっさんがこの裏切者め!! という顔をしているが気にしない。



「ふふ、君は中々口が回るね」

「そうですかね、商売のまねごとをしてたら、多少はあしらい方もわかってきますよ」



 エレインさんはリンゴをかじりながら、俺とおっさんのやり取りを楽しそうに見て楽しんでいたようだ。しかし、おっさんも言っていたが、あらためてみると本当に美人だよな……すらっとした体系と美しい顔のせいかリンゴを口にしているだけでも様になるからずるい。



「ん、ああ、いるかい?」

「え?」



 俺の視線をどう勘違いしたのか、エレインさんが食べかけのリンゴを差し出してくる。さっき女性と意識してしまったせいか、変に緊張してしまった。



「ん? もしかしてリンゴは苦手かな?」

「いやぁ、これって間接キスだなと思いまして……」

「え……あ……違うんだ。いつも仲間たちとしていたからそのノリで……ああ、でも、そうだよね、セイン君は男だもんな……」



 そう言うと彼女は顔を真赤にしてシャリシャリとリンゴを平らげてしまった。芯とか、種とかも食べている気がするが大丈夫なんだろうか? そう言えば彼女は女だけのパーティーにいたって言ってたな。そのせいか異性との距離感があまりとれていないのかもしれない。そんなところも可愛いんだが……



「失礼……取り乱したね。そういえば今日の仕事はこれで終わりだけどセイン君は何か予定はあるかな?」

「いえ、とくにはないですけど……」



 あるにはるが、一応ソロでもできるクエストを冒険者ギルトにさがすついでに、マスターに頼んでいたスキルを売りたい人間がいるかを聞きに行くくらいだった。



「じゃあ、ちょうどいい。私とデートの練習をしよう。ふふ、プライベートで異性と二人っきりなんて初めてだから緊張するね」

「デートですか……?」



 そう言って彼女は楽しそうに笑った。俺はいきなりのお誘いに少し困惑しながらもうなずくのであった。



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