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輝かしき王アーサー5

「緊張しているのかい? あんまり気張らなくてもいいんじゃないかな?」

「いや、無茶苦茶緊張しますよ……だって周り偉い人ばかりなんですよ……」



 俺はマイペースなエレインさんに返事をしながら、あたりを見回す。貴族用の個室から俺達はバルコニーに出ていた。高いところから広場を見渡せるようになっており、景色はいいのだが、周りにはなんかやたら豪華そうな服を着てるおっさんたちがアーサー様に注目をしている。その視線に込められた感情は尊敬だったり、妬みだったり様々な感情の種類がある。もしも、ヴィヴィアンさんがいたら敵がわかったりするのだろうか?

 そのアーサー様はというと、今ちょうど腰に豪華な聖剣をさして、見に来た人々に手を振りながら広場の中央へと歩いているところだった。新しい王の誕生を祝福するように人々の歓声が広場を支配する。そして、アーサー様はかつての王が装備していたという兜を被り、カリバーンを掲げた。



「皆さま、今日は私の継承式にきていただきありがとうございます。長らく王が不在だった事で皆様に不安をいたかもしれません、ですが……」

「セイン君……とうとうきたようだよ」

「え?」



 俺がアーサー様の演説を聞いていると、エレインさんが耳元で囁いてきて、何事かと思うと指をさした方向に民衆の中に外套を見に包んだ人間が一番前に立っていた。そいつは何を考えているのか、微動だにしない。



「彼がモードレットかな? 歯がゆいね……敵がいるって言うのに何もするなっていうのは……」

「とりあえず、俺達はいつでも動けるように準備だけでもしておきましょう」



 エレインさんの気持ちはわかる。アーサー様の指示があるまで動くなと言われているのだ。エレインさんなら倒す事は簡単だ。だが俺達はモードレットの協力者に彼では聖剣を使えないと思わせるための行動をすることにしたのである。



「そして……私は皆様に言わねばならないことが……」

「待った!! 貴様は王にふさわしくはない。なぜなら真の王にふさわしいのは俺だからだ」

「そうだそうだ、そいつは女だぞ!! 真の王にふさわしいのはこの方だ」



 ざわめきと共に外套の男が警備の騎士を吹っ飛ばして、アーサー様の元へとやってくる。他の警護の騎士たちが止めようとするが、市民の一部が騒ぎ出して収集がつかなくなる。おそらく、あの市民の中にも、モードレットの協力者がいるのだろう。



「俺の名はモードレット、真の王になるものだ」



 そういって、彼は外套を脱ぎ捨てると、アーサー様に対峙した。アーサー様と同じ金色の髪の毛に、精悍な顔つきは確かに言われてみればどこか似ていた。

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