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ガレスちゃんと幽霊屋敷3

 王都には輝かしい城や、にぎやかな市場通りがあるかわりというわけではないが、治安などが悪い俗に言うスラム街のような場所もある。

 市民たちが利用する食料品や冒険者が武器防具を買ったりする市場や冒険者ギルド、ベルを含めた宿屋が中心部にあるのに比べて、城壁の近くは治安が悪く警備の騎士達も中々いかないところがあり、俺達が向かうのはそこらの一角にある古びたボロ屋敷だった。

 資料によると、元々レイスの叫び声が聞こえたりもしていたが緊急性はあまり高くなかったため放置されていたのだが、今回のアンデット増加に伴い、警戒もあって探索依頼がきたのだ。疑わしいレベルなので、下級の冒険者に探索してもらおうという事なのだろう。



「なんというか……ここなら出てきてもおかしくないですね……」

「確かにな……」



 そう言う俺達の目の前に広がっているのは、錆び付いた門に、所々崩れている壁に囲まれた古びた屋敷だった。かつては貴族の別荘だったらしいが、流行り病によって、その貴族の一家が死んでから縁起が悪いと人が住まなくなり放置されたらしい。



「じゃあ、いくぞ」



 俺とガレスちゃんはそれぞれ武器を持って屋敷へと入る事にした。壊れかけた壁を乗り越えてさっと侵入すると雑草だらけの庭があり、蔦の絡まった石像などが置いてある。なんというかいかにも出そうな雰囲気である。



「セインさん……なんですいうか、ここ……本当に幽霊とかでそうですよね……」

「いや、幽霊よりも盗賊や浮浪者に気を付けたほうがいいな。雰囲気は最低だが、雨風をしのげるからな。やましい人間が隠れている可能性があるぞ」

「本当に怖いのは幽霊よりも人ってやつですね」



 ガレスちゃんが強がるように軽口を叩く。まあ、実際の所はどっちがこわいかというと微妙である。冒険者や騎士崩れの犯罪者は厄介だし、アンデット系の魔物も集団でこられるとやばい。でもまあ、知能が回る分、人の方が厄介か。



『Uuuuuuuuuuuuuuuuu!!!!!』

「きゃぁぁぁぁぁ」

「うおお」



 屋敷に入ろうとした瞬間だった。突然奥の方から人とは思えないうめき声が聞こえた。俺は大きな悲鳴をあげたガレスちゃんにいきなり抱き着かれつられて悲鳴を上げてしまう。いや、本当にこわいとかじゃないんだって!! 抱き着かれてラッキーとは思ったが、柔らかい感触ではなく、彼女の着こんでいるレザーアーマーの冷たく硬い感触だったのだがちょっと残念である。



「やっぱり、人より幽霊の方が怖いですよ!! 何ですか、さっきの声は? 心臓が止まるかと思いましたよ!!」

「いや、確かにビビったけどダンジョンではもっとやばいやつだっているんだぜ。それに、ここに敵がいるってのがわかったってだけでも上出来だよ」

「このまま、屋敷を燃やして退治したって事にしちゃだめでしょうか」

「だめだな……あくまで依頼はここの探索だからな」



 よっぽどこわいのか物騒な事を言い始めるガレスちゃんと共に俺は屋敷へと入る事にした。


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