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赤き看板娘ベル3

 馬車で半日ほど走ったところに異種族たちが住む街がある。かつて異種族との戦いに聖剣をもって戦い打ち勝ったのが俺達の住んでいる国の王の先祖だ。そして、その戦のあとに和解のためにと人と異種族が交流を持つためにできた街である。

 そこでは月に一度異種族と人の共同で市場を開くのだが、そこでベルは食べ物や武具などを販売している雑貨店を出しているのだ。なぜ宿屋の彼女が出しているかというと、そこは『翻訳』スキルによるものが多い。人の言葉を喋れなかったり、カタコトでしか喋れない異種族もいるのでトラブルがおきやすいのである。全ての言葉がわかる彼女が代表としてやりとりをしているのだ。



「ここはいつ来ても壮観だな。おお、リザードマンに、エルフもいるな」



 俺はバザーが開かれている広場を見回す。そこには鱗に覆われた人型の種族のリザードマンや、耳が長く端正な顔をしたエルフが談笑をしている。この街に住む彼等は異種族同士での交流に抵抗がないため、普通に友人になったりするのだ。現に俺やベルを見ても敵意などはない。




「すごいでしょ、こっちは準備もできてるから少し回りましょうか? よかったら案内するわよ」

「お、いいな。この街久々なんだよなー、結構珍しいものも売ってるしな。案内料は俺のスマイルで」

「はいはい、あんたの笑顔なんて銅貨一枚の価値もないわよ」

「ひっでえな……」



 俺は相変わらず毒舌を吐きながらも、嬉しそうに鼻歌を歌っている彼女を見て懐かしい思いを感じる。俺の両親が死んで、彼女の両親に引き取られてからはこうしていつも一緒にいたものだ。冒険者になってからは忙しくて中々一緒にゆっくりと街を歩く時間もなかったのだ。懐かしさもあり、ついテンションがあがってしまう。



「なによ、にやにやして気持ち悪いわね」

「いやあ、こうしてベルと一緒に市場歩いたりするの久々で楽しいなって思ってさ」

「ふーん、セインは私と一緒にこういうことするのが嬉しんだ」

「わるいかよ、ベルは違うのか?」

「楽しいに決まってるでしょ、それよりも、あんたお腹空いてるでしょ、おすすめの店があるのよ」



 そう言って満面の笑みで腕を引っ張ってくるベルに俺も気持ちがあがってくる。ああ、やっぱりこいつといるのは楽しいし、気が楽なんだよな。彼女が連れてきたのはリザードマンがやっている串焼き屋だった。大量のトカゲが串刺しになってるんだが共食いにはならないんだろうか……屋台を眺めていたらリザードマンと目があい、彼はニカっと笑いかけてきた。



「ヘイヨー♪ ソコノヒューマンカップルタベテキイカナイ? オイシイヨー!!

「うお!! ハイテンションだな……」



 カタコトだがやたらフレンドリーに話しかけてきた!! 俺はどう返そうかと、ベルに助けを求める視線を送ると彼女はなぜか頭を抱えている。いったいどうしたのだろう。



「アイゼン、また変な本読んだでしょう。普通に喋りなさいな。あと私たちはカップルじゃないわ」

「うむ、某の言葉遣いが硬いと言われたので勉強をしたのであるが、人の言葉はむずかしいのであるな」

「テンションの差がはげしいな、おい!!」



 どうやら無理やりなれないテンションで喋っていたようだ。アイゼンとよばれたリザードマンがなにやら俺とベルを眺めて笑った気がする。



「せっかくだから、二本いただくわね。あなたはその喋り方の方があってるわよ」

「うむ、わかったのである。後でお主らのお店にも顔を出すのである。あとそこのオスよ、このトカゲには精力たっぷり含まれているから今夜は楽しむのである」

「「なっ……」」

 


 アイゼンの言う言葉の意味ってあれだよな……ようするに夜元気になっちゃうってことだよな。言葉の意味を理解して俺達は一瞬見つめ合って顔を真っ赤にしてすぐ逸らす。



「だから、私たちはそういう関係じゃないっていってるでしょ!! もう買い物は済んだし行くわよ」

「そうであったか……てっきりお主がいつも話しているセインという雄だと思ったのが……つがいではないのであるか」

「え、俺がセインだけど……いつもはどんな話をしているんだ?」

「いいから行くって言ってるでしょ!! アイゼンもこれ以上しゃべったらただじゃおかないわよ」



 そういうと彼女は顔を真赤にして俺をひっぱる。俺はどんな話をしているのか気になったのだが聞けそうにはない。だけど、アイゼンさんが微笑ましいものをみるようにこちらをみつめているので、悪口などを言っているわけではないようだ。そして、俺達はエルフの装飾品のお店などを一通り見て自分たちの店へと戻るのであった。



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