会長の暗い顔
本日二度目の投稿です。
「ではこれでホームルームを終わりにします。来週末にテストがあるので遊びすぎないように、赤点をとったら青春を謳歌することなく夏休みが終わりますからね?頑張ってください」
今時の生徒のことをよくわかっている先生がそういったあと生徒はすぐに教室を飛び出していく。
「来週末、テストか」
正直俺にとってテストは怖いものではない。
俺以外の生徒は青春を謳歌したいらしくすぐに教室を出て遊びにいったり、勉強しにいったりしている。別に俺には青春を謳歌するような人ではないし、しようと思ってもできるものでもないのでゆっくりといつもの場所にいく。
「失礼します」
俺が引き戸をガラガラと鳴らしながら開けるとそこにはすでに会長を含め三人がいた。会計をやっている一年の遠藤鈴。それから書記をやっている二年高柳快斗がいた。
本当ならもう一人づついるのだが一人は病弱で、もう一人はその彼氏なので今日も見舞いに行っているのだろう。そういうところに関しては会長も快諾している。話を通せばの話だが。
「こっこんにちは」
「お疲れ、長岡」
二人から挨拶をもらう。いつものことだ。会長を除いて。
「会長、どうかされましたか?」
俺が不自然に思うと、会長はやっと口を開く。
「あのー、そのー、怒るなよ?」
「はい?備品を壊したとかですか?それなら会計の遠藤に謝った方がよろしいかと」
「いや、そうじゃないんだ」
「はぁ」
「昨日の話あったじゃん」
「昨日の話?あー、あの迷惑な先輩の話ですか?」
「そう、その話なんだが……そのー、これを見てくれるか」
そういわれて手渡されたものは会長のスマートフォンだった。LINEが開かれている。相手はまあ、あの迷惑な先輩か。遠藤と高柳の興味があるらしく寄ってくる。
「その……すまん」
会長の沈んだ声をそのときはじめて聞いた。
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