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波乱の幕開け

本日二回目の投稿になります。

「ここは生徒会室です。お静かにお願いします」


「いいじゃん、いいじゃん。だって今日あいついないんでしょ?だったら大丈夫」


「ダメです。静かにできないならお帰りください」


「やーだね。ねえねえ長岡くんっ、一緒に帰ろう?」


「有り難いお言葉ですが、自分は仕事が有るので遠慮させていただきます」


「じゃあ、ここに座って待ってるね。フッフフンフー」


最近俺の仕事ばかり邪魔をしてくるこの先輩は綺堂涼華。数週間前からなぜか俺のところに来る。一緒にご飯を食べたいだとか、一緒に帰ろうだとか。全部お断りしているのになんでこんなにしつこいんだろう?正直よくわからない。


「鼻歌を歌わないでください。集中できません」


「なにー?私のこと気にしちゃってるの?」


「……」


「ねえねえ、どうなのよっ」


先輩は肘でツンツンとつついてくる。しょうがない。あまりこういう手は使いたくないし、使おうとも思わないのだが……。会長が彼女に向かってやる悪戯をやろう。ちょっと工夫すればうまく逃げれるだろう。


「分かりました。そこまで言うのなら手伝っていただけませんか?」


「えっ?うん、あー、いいよ。ドンと来い」


「では、書類保管室のWー49をとってきてもらえますか?」


「Wー49ね。了解っ」


バタンッ


大きな音をたててあの厄介な先輩がいなくなる。ちなみにWー49なんてファイルはない。まあ、そんなことをあの先輩が知っているわけないのだが。


「さあ、帰ろう。続きは家に帰ってからやろう」


すぐに帰り支度を済ませる。あの先輩が戻ってくる前に学校を出てしまわなければならない。


書類を鞄にいれて、椅子をしまい、電気を消して自分のキーケースの中にある鍵で部屋の鍵を閉める。生徒会メンバーには全員に生徒会室の鍵が配布されている。


生徒会室は一階にあって、書類保管室はなぜか五階にある。いつもは階段を登るのに苦労していて、あまり良いとは思ってなかったのだがこういうときに使えると思うと、なんだかよく思えてくる。


昇降口を出て、駅に向かって歩き始める。


「さっさと家に帰ろう」


俺の足はすでに駅ではなく、二つ目の居場所に向かっていた。


楽しんでいただけたでしょうか。

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