1部
―死に…たく…な…
目の前の人間は最期まで言い終わらずに息絶えた。
『レスがそんな顔をする事は無いさ』
愉快そうに白ウサギのダンテが言った。
『こいつの死亡時期は早くなったんじゃない…たまたまコイツの死亡時期が早かっただけさ』
ボクはダンテを見た。
真っ赤な瞳をしている。
目の前の少女も真っ赤だ。
『酷い顔だねぇ?向いてないんじゃないかい』
ダンテは相変わらず嬉しそうな顔をしている。
『ボクが…殺した』
そうだ。
この少女は、ボクさえいなければ死亡時期がずれて、もっと…生きられたのに…
『……?、全ては定められた事さ、キミが自傷的なのも、この人間が死んだのも』
本当にそうなのだろうか。
全てが定められているのなら
ボクは…一体…?
『キミは、難しい事を考えるね?、ボクは脳みそが小さいから、よくわからないよ』
ボクは鎌を振り上げた。
白い綿毛の様にフワフワと浮かぶ少女の魂を引き裂いた。
『………』
天国も地獄も存在しない。
ボク達が全て、壊すのだから。
『あ〜あ、泣いているじゃないか、死神が生物の為に泣くなんておかしいよ』
壊されなかった魂は…悪魔に喰われるが運命…。
『キミは、少し頭が可笑しいよ、ハハハッ!』
人も動物も…全ては死するもの。
そして生涯の最期にそれを壊すが…死神の運命であり死神の生きる理由。
そう考えると、ボクの頬に涙が流れ、伝った。




